表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/29

第25話 嵐の前の静けさ

愛の印の儀式まで、あと三日となった。

私の月巫女としての力は、蒼も驚くほど順調に成長していた。月との対話もスムーズにできるようになり、簡単な月光術も使えるようになっていた。

「完璧です。これなら儀式も成功するでしょう」

蒼の太鼓判をもらって、私は安心していた。

神楽との関係も、以前より深くなった気がする。月印による強制的な絆ではなく、自然な愛情として彼を慕っている実感があった。

しかし、その平穏は突然破られた。

「神楽様、大変です!」

部下の男性が血相を変えて駆け込んできた。

「何事だ?」

「東の国境で、人間の軍隊が集結しています。どうやら、獣人の存在を知った模様です」

神楽の表情が一変した。

「どれくらいの規模だ?」

「約千名。重装備で、獣人討伐を目的としているようです」

人間が獣人の存在を知った。それは、両種族にとって最悪のシナリオだった。

「誰が情報を漏らしたのだ?」

「調査中ですが…人間側に協力者がいる可能性があります」

神楽は忌々しそうに舌打ちした。

「凛、お前は屋敷に残れ。危険すぎる」

「でも、私も戦えるようになったわ」

「だめだ。万が一のことがあったら…」

神楽の心配は理解できるが、私には別の懸念があった。

「これって、三百年前と同じパターンじゃない?」

私の言葉に、神楽は硬直した。

「雪音が人間側に情報を流したように、今回も誰かが裏切ったのかもしれない」

「まさか…」

しかし、神楽の表情には確信があった。きっと彼も同じことを考えているのだろう。

「とにかく、まずは事態を収拾する。愛の印の儀式は延期だ」

「分かった。でも、気をつけて」

私は神楽の手を握った。

「必ず帰ってきて。私たちの約束を果たすために」

神楽は力強く頷いた。

「約束する。お前を守り抜く」

お読みいただき、ありがとうございます!

儀式を目前に、最大の危機が訪れましたね。三百年前の悲劇の再来となるのか…。


この緊迫した展開にドキドキした方は、ぜひブックマークや評価(☆☆☆☆☆)をお願いします!


次回、ついに明かされる銀狼の王の真の実力。

しかし、神楽が不在の屋敷で、裏切り者が静かに牙を剥きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ