第23話 本格的な修行開始
翌日から、これまでとは比較にならないほど厳しい修行が始まった。
「月巫女の真の力は、月との共鳴にあります」
新しい指導者として現れたのは、蒼という名の美しい女性だった。長い銀髪と青い瞳を持つ彼女は、どこか神秘的な雰囲気を漂わせている。
「私は月の一族の末裔です。月巫女の指導については、誰よりも詳しく存じております」
蒼の指導は、沙羅とは全く違っていた。机上の学習ではなく、実際に月の力を使う実技中心の内容だった。
「まず、月との対話から始めましょう」
屋敷の最上階にある天体観測室で、私たちは夜空を見上げた。
「月を見つめ、その声に耳を傾けるのです」
「月の声?」
「月は生きています。そして、月巫女には月の意志を伝える役割があるのです」
蒼の指導に従って意識を集中すると、確かに何かが聞こえてきた。それは言葉ではなく、感情のような、意志のようなものだった。
「感じられますか?」
「何か…暖かいものを感じます」
「それが月の慈愛です。月は地上のすべての生命を愛し、見守っているのです」
蒼の説明で、月巫女の本当の役割が見えてきた。
「月巫女は、月の愛を地上に伝える巫女なのです。支配のためではなく、調和のために」
それは、あの研究書に書かれていた内容とは正反対だった。
「では、あの本に書かれていた支配術は?」
「邪道です。月の力を悪用しようとする者たちが編み出した、忌まわしい技術です」
蒼の表情が、一瞬厳しくなった。
「神楽様も、最初はその道に誘惑されたかもしれません。しかし、今は違います。凛様への愛によって、正しい道に戻られたのです」
私は安心した。神楽の愛は、本物だったのだ。
「では、愛の印の儀式について教えて」
「それは最も神聖な儀式の一つです。月の女神が直接、二人の愛を認めてくださるのです」
蒼の瞳が、神秘的に輝いた。
お読みいただき、ありがとうございます!
「調和のための力」、月巫女の本当の役割が分かり、なんだかホッとしましたね。凛の進むべき道が見えてきました!
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さて、次回は初めての実践訓練。それを見守る神楽は、思わず…。
甘くて、ちょっぴりドジな修行が始まります!




