第21話 真実の告白
「神楽…さっきの本のことだけど」
私は神楽と向き合った。
「正直に話して。私のことを、どう思っているの?」
神楽は長い間、私を見つめていた。その金色の瞳には、様々な感情が渦巻いている。
「確かに、最初は月巫女の力が目当てだった」
神楽の率直な言葉に、私の胸は痛んだ。
「銀狼族の宿願を果たすため、そして獣人社会の安定のため、月巫女が必要だった」
「やっぱり…」
「だが、お前に出会って全てが変わった」
神楽は私の手を取った。
「お前は想像していた月巫女とは全く違っていた。強がっているが繊細で、勇敢だが優しく、そして何より…美しかった」
神楽の声に、嘘はないように思えた。
「月虹で初めて会った時から、私はお前に魅了されていた。月巫女だからではなく、凛という女性として」
「本当に?」
「本当だ。だからこそ、お前を政治の道具にすることに迷いが生じた」
神楽は書斎の机を指差した。
「あの研究書も、最近は開いていない。お前を利用するより、お前を守ることの方が大切だと気づいたからだ」
私は神楽の言葉を信じたかった。しかし、まだ完全には安心できない。
「でも、獣人社会の期待はどうするの?一族の悲願は?」
「それは私が何とかする。月巫女の力に頼らない方法を見つけるつもりだ」
神楽の決意は固いように見えた。
「お前には、普通の女性として幸せになってほしい」
「普通の女性って…でも私は月巫女として覚醒してしまった」
「それでも、お前の意志を尊重したい。お前が望むなら、月巫女の力を封印することも可能だ」
神楽の提案に、私は驚いた。
「力を封印?それはできるの?」
「可能だ。ただし、そうすれば私たちの魂の絆も断たれることになる」
神楽の表情に、深い悲しみが浮かんだ。
「それでも構わない。お前の幸せが一番大切だ」
私は神楽の真剣な表情を見つめた。彼は本当に、私の幸せを願っているのだ。
「私は…」
私の心の中で、答えが固まり始めていた。
お読みいただき、ありがとうございます!
神楽様…!自分の野望も、魂の絆さえも手放して、ただ凛の幸せを願うなんて…。最高の告白でしたね!
この神楽の愛に心を打たれた方は、ぜひブックマークや評価(☆☆☆☆☆)をお願いします!
さて、全てを懸けた彼の愛を前に、凛が出す答えは、ただ一つ。
次回、ついに二人の心が、本当の意味で結ばれます。




