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終着駅  作者: リンダ
15/21

思いを乗せて。

層一が緊急入院して、二ヶ月あまりが過ぎた。


北京オリンピックの開会式の日、病室のテレビには、世界中のアスリートたちが誇らしげに入場する姿が映し出されていた。


層一はベッドに身を預けたまま、じっとその光景を見つめていた。


「……俺も、あの舞台に立ちたかったな……。雪……約束、守れなくて……ごめんな……」


誰もいない病室に、かすれた声がぽつりと落ちた。口にした途端、胸の奥に押し込めていた悔しさが、堰を切ったようにあふれ出す。


スポーツ選手なら誰もが夢見る大舞台。四年に一度、ほんのひと握りの者だけが立てる場所。層一は、そのすぐ手前まで――手を伸ばせば届くところまで来ていた。だからこそ、叶わなかった現実の重さは、あまりにも苦しかった。


それでも彼は、目をそらさなかった。画面の中で輝く仲間たちを、ただ、見つめていた。まるで、そこにいるはずだった“自分”の姿を確かめるかのように。


翌日、雪が病室を訪れた。手には層一の着替えと、洗濯物を入れるためのビニール袋を抱えている。何も言わず、黙々と荷物を整えるその横顔には、どこか張りつめた気配があった。


ふいに、雪が小さな声で言った。


た。


「……そうちゃん、オリンピック、始まったねぇ。……昨日さ、海斗くんからメール来たんだわ。“層一の想いも背負って、俺は飛ぶから”って……」


層一はちょっとだけ視線を落として、んで、かすかに笑った。


「……あいつなら、やれるべさ。俺の……一番のライバルだったもん。絶対、てっぺん獲るっしょや……」


その目には、じんわり涙がにじんでいた。悔しさも、誇りも、そして夢を譲った者にしか分からない、切ない痛みがあった。


「そうちゃん……」


雪の声も、かすかに震えていた。層一がどんだけ努力してきたか、どんだけその夢に懸けてきたか、ずっと見てきた。できることなら、その痛み、代わってやりたかった。けど、どんな言葉をかけても、あの悔しさを癒やすことはできない。


だから雪は、ただそばに立っていた。層一の沈黙も、涙も、まるごと抱きしめるように。


お腹、だいぶ大きくなってきたな。無理しないでよ。雪と赤ちゃんの体が、いっちゃん大事なんだべさ。元気な赤ちゃん、産んでけろな」


雪「ふふっ、なに言ってんのさ。3人で帰るんでしょ?絶対、そうちゃんと赤ちゃんと一緒にね。大丈夫だよ、ちゃんと疲れたら休むから。……できるだけ、そうちゃんのそばにいたいの。離れたくないんだわ」


層一「……雪、ありがとな。ほんと、ありがと。……あ、そうだ。海斗らの試合、いつだったべか?」


雪「えーとね、5日だったはずだよ。海斗くん、ノーマルとラージと団体戦と、ミックス団体にも出るんだってさ。初戦は5日って言ってたよ」


層一「そっか、明日か……。なんか、自分のことでいっぱいいっぱいでさ、すっかり抜けてたわ。


そして、ついに迎えたノーマルヒル男子。

海斗の出番が刻一刻と迫っていた。

静かに目を閉じ、深く息を吐く。


――俺は、一人じゃない。


その胸に宿っているのは、ただの勝ちたいという気持ちじゃない。

あの日からずっと、心の奥で灯し続けてきた覚悟。

病と闘う親友・層一、支えてくれた雪――二人の想いを背負って、今、俺はこの舞台に立っている。


「層一、見ててくれよ……。お前のぶんまで、俺は飛ぶからな」


スタートを告げるアナウンスが響く。

テレビ中継の実況も、熱を帯び始める。


舞い降りる雪が、静かにジャンプ台を白く染めていく。

海斗の視線の先に浮かんだのは、病室で懸命に闘う層一の姿だった。


「……いよいよ海斗の番だべさ。緊張せんで、落ち着いて飛べよ」

層一がテレビを見つめながら、ぼそっと呟く。


「うん……そうちゃん、海斗くんなら、きっと飛べるよね」

雪が隣で手をぎゅっと握りしめている。その指先が、わずかに震えていた。


「……海斗くん」

「だいじょぶだ。あいつは、ちゃんとわかってる。自分が背負ってるもん……ちゃんと見えてるべさ」

「……うん」


そのとき、ブザーが鳴った。


海斗が力強く踏み出す。

滑走。風はほとんどない。ただ、静かに雪が舞う。


一瞬の踏み切りに、すべてを込めて――飛んだ。


「これはビッグジャンプになりそうだ! 着地も、完璧〜っ!」


アナウンサーと解説の興奮が響き渡る。


飛距離は――99メートル。

いきなりのヒルサイズ越えだった。


その飛躍に宿っていたのは、己の誇りと、かけがえのない仲間たちへの――静かな祈りだった。


そして第1回目のジャンプが終わり、海斗は2位につけていた。1位はデンマークのアンデルセン選手。差は、わずか1ポイント。3位のアメリカのジョンソン選手とは2ポイント差。2回目の結果次第では、金メダルの可能性もあるが、メダルなしに終わる可能性もあるような、厳しいメダル争いが展開されるようになった。


ジャンプを終えたあと、アンデルセン選手が海斗に英語で話しかけてきた。


「Hey, Mr. Kitami. Nice jump. Let’s both make a good second jump, yeah?」

「Thank you, Mr. Andersen. Let’s do our best.(ありがとう、アンデルセンさん。一緒に頑張りましょう)」


静かに交わされたやり取りの中に、火花のような緊張感と、互いを尊重するまっすぐな眼差しがあった。2人は、ただのライバルではない。努力と覚悟を知る者同士が、真剣に戦う準備をしていた。


第2回目のジャンプが始まろうとしていた。海斗は29番滑走、最後から2番目。


その時――北海道の病院の一室。

薄く雪が降る窓の外を背にして、小さなテレビにふたりの視線が注がれていた。清潔に整えられた病室に、わずかに漂う消毒の匂い。ベッドに座る雪は毛布を膝にかけ、真剣な面持ちでテレビを見つめていた。


「……そうちゃん。いよいよ、海斗くんの2回目、始まるね」


雪の声は小さく、けれど心の奥から出たものだった。震える指先をぎゅっと組み、胸の前で抱えるようにしていた。緊張と期待、祈りにも似た感情が、彼女の中で渦巻いている。


層一は雪のそばにある簡易椅子に腰を下ろし、手を膝に置いたまま静かに言った。


「ああ……ここまで来たら、勝つのは心のつええ奴だべさ。海斗はな、負けねえ。あいつは、そういう男なんだわ」


そう言った層一の声は、どこか低く、じんと胸に響いた。

長く海斗を見てきた者にしか出せない、確信に満ちた語り口だった。


雪はそんな層一の言葉にうなずき、窓の外に視線を少し流す。雪の舞う景色がぼんやりとにじんで見えた。涙ではない。けれど、胸の奥に熱いものがこみあげてくる。


「……うん。海斗くん、きっと、やってくれるよね。なんまら頑張ってきたんだもん……ひとりで、いっぱい我慢して、ここまで来たんだべさ」


「そだ。どんなに風が強くても、どんなにプレッシャーがかかっても、海斗は飛ぶ。自分のジャンプ、信じてるからな」


層一はそう言って、そっと雪の手に手を添えた。冷たいけれど、やさしくて、温かい――そんな手だった。

ふたりの視線は再びテレビに戻る。画面の中では、ジャンプ台の準備が整い、次の選手の名前が呼ばれようとしていた。


――次の滑走は、日本。喜多見海斗選手。


病室の中の空気が、一瞬止まったように静まり返る。

小さなテレビのスピーカーから聞こえるアナウンスに、雪は小さく息を呑んだ。層一もまた、前のめりになって海斗の姿を見つめている。


「さあ、飛べ……海斗」


その声は、ふたりの心を乗せて、静かに画面へと吸い込まれていった。


トップに立つには、ヒルサイズ以上の結果が求められていた。

そして迎えた2回目のジャンプ。風向きは目まぐるしく変わり、難しい条件が選手たちを試す。


そんな中、アナウンスが場内に響く。


「喜多見海斗――」


海斗がゆっくりとスタートゲートに腰を下ろす。

深く呼吸を整え、静かに目を閉じた。


そして――ブザーが鳴る。

雪が舞う中、集中を極限まで高めた海斗は、一瞬の踏み切りにすべてを込めて宙へと飛び出した。


その姿はまるで、風と一体になったようだった。

1回目よりもさらに飛距離を伸ばし、ヒルサイズを大きく超える――


103メートルのビッグジャンプ。


アナウンサーの興奮がマイク越しに伝わる。


「喜多見海斗、ヒルサイズを大きく超えるビッグジャンプを見せました! これはアンデルセンにとって、大きなプレッシャーになります!」


「いやあ、すごいですね! バッケンレコードも更新するんじゃないですか!?」


テレビには、雄叫びを上げながらガッツポーズを決める海斗の姿が映し出されていた。


「そうちゃん! 海斗くん、やったよ〜! すごいすごい!」


「……やっぱり、あいつはすげぇな。この舞台に賭ける強い想いが、とうとう実ったんだな」


「本当に……すごいよね……」


次に、アンデルセン選手のジャンプが始まる。

彼も好調で、ヒルサイズを超えるジャンプを見せた――だが、102メートル。


飛距離は海斗にわずかに及ばず、テレマークや飛型点でも海斗が僅差で上回った。


金メダルは、喜多見海斗――


「やった〜! 海斗くん、金メダル! 本当にすごい……海斗くん、おめでとう!」


「……やっぱ、あいつは落ち着いてたな。よかったな……本当に、よかった……」


結果が表示された瞬間、海斗は抑えていた感情を爆発させた。

拳を握りしめ、顔を上げて天を仰ぐ。


その瞳には、さまざまな想いがこもっていた。

重く、そして温かく。たったひとつの金メダルに、たくさんの物語が宿っていた。


やがて会場が落ち着きを取り戻し、インタビューが始まる。


「それでは、見事金メダルを獲得されました、喜多見海斗選手にお越しいただきました。喜多見選手、素晴らしいジャンプでした。まずは、今の気持ちをお聞かせください」


海斗は、マイクをしっかりと握りしめた。


「はい……まずは、病と闘っている上川層一と、その彼を支える雪さんに、想いを伝えてもいいですか?」


カメラの向こうに向かって、まっすぐな視線を向ける。


「層一、雪さん、観てるか?

このメダルは――二人の想いが詰まったメダルだよ。

苦しいとき、踏ん張れたのは、層一と雪さんのことを思い出したから。

俺の背中を押してくれたのは、二人の存在だった。

見えない力をもらって、このジャンプができた。

……ありがとう。本当に、ありがとう」


言葉は静かだったが、胸の奥まで響く力があった。


「盟友との深い絆がもたらした金メダル――まさに感動的な瞬間です。

今季は絶好調でしたが、その要因もやはり、上川選手の存在が大きかったのでしょうか?」


海斗は小さく頷き、言葉を探すように間を置いた。


「……そうですね。本当なら、彼もこの舞台に立っていたはずなんです。

でも……すみません……言葉が……出ないです……」


堪えていたものが溢れ出し、海斗の目から涙が零れ落ちた。

言葉にならない想いが、沈黙のなかにこだました。


「本日は、本当におめでとうございました」


司会の声に、海斗は涙を拭いながら、かすかに笑みを浮かべた。


「……ありがとうございます」


表彰式後:ジョンソン&アンデルセンとの英語でのやりとり

式が終わると、二人のライバル――ジョンソンとアンデルセンが、まっすぐに海斗のもとへ歩み寄ってきた。


"Hey Kaito, congratulations, man! That jump was absolutely insane. You totally deserved the gold."

(ようカイト、おめでとう! あのジャンプはマジでやばかった。金メダル、あんたにぴったりだよ)


ジョンソンが笑顔で手を差し出す。


海斗は力強くその手を握り返した。

"Thanks, Johnson. That means a lot. You pushed me to jump my best."

(ありがとう、ジョンソン。すごく励みになる。君たちがいたから、ベストを尽くせた)


"We all pushed each other,"

(お互いに高め合ったよな)

アンデルセンが肩を軽く叩いて加わる。


"But that second jump of yours... Damn, I couldn't match that. It was flawless."

(でも、お前の2本目のジャンプ……くそ、あれにはかなわなかった。完璧だったよ)


海斗は少し照れくさそうに笑った。

"Thanks, Andersen. You were amazing out there too. Seriously."

(ありがとう、アンデルセン。君もすごかったよ、本当に)


アンデルセンは少し笑ってから、真剣な目を向ける。

"Next time, I’m taking the gold back, though. Be ready."

(でも次は、俺が金を取り返す。覚悟しとけよ)


海斗も応えるようにうなずき、拳を軽く突き合わせた。

"You got it. Let’s keep flying higher, all of us."

(いいね。その時まで、もっと高く跳ぼう、みんなで)


三人は笑い合い、健闘を讃えあった。

金メダルは、ただの勝利ではなく、友情と敬意の証だった。



層一と雪の再会 ― 北海道弁での会話

病室のテレビを見つめていた層一と雪。

画面の中で輝く金メダルの海斗の姿に、二人は言葉を失っていた。だが、その瞳はすべてを語っていた。


「そうちゃん……海斗くん、金メダル取ったね……。そうちゃんと、私の想い……つなげてくれたんだね。ほんとに、ありがと……」


雪の目から、ぽろりと涙がこぼれる。


層一は、少し微笑んでうなずいた。


「……バッケンレコード、更新か……。決勝の舞台で、あれだけのパフォーマンス……たいしたもんだわ……。あいつ、やっぱ……飛んでっちゃったなぁ……遠くまで……」


その声はかすれ、けれど、どこまでも誇らしげだった。

二人の目には、また新たな涙が光っていた。


メダル授与式と「君が代」

しばらくして、メダル授与式が始まった。


静寂に包まれる中、ついに海斗の名前が呼ばれる。

ゆっくりと表彰台のいちばん高い場所へと上がり、金メダルが首にかけられた。


ジョンソン、アンデルセンと並び、互いの健闘をたたえ合いながら記念撮影が行われる。


そして、君が代が厳かに流れ始めた。


その旋律に包まれながら、海斗は空を見上げる。

そこにあるのは、金色に輝く未来と、あの日の雪と風――


病室での別れの時間

テレビの音が静かにフェードアウトし、病室にはしんとした空気が戻った。


時計を見ると、面会時間はすでに終わりが近い。


「そうちゃん、もうこんな時間だわ……面会時間、終わっちゃうから、そろそろ帰るね」


「……気ぃつけてな」


そう言いながら、層一はか細くなった腕を伸ばして、雪の肩をそっと引き寄せた。


その抱擁は、まるで風が頬を撫でるように優しかった。


「雪……愛してる。……このぬくもり……ずっと感じていたいんだわ」


雪は微笑みながら、層一を見つめ返す。


「……そうちゃん……」


そっと身を寄せ、層一の唇に優しく口づけをした。


それは、言葉以上の想いがこもったひとしずくの祈りだった。


「……また、来るからね」


そう言い残して、雪は静かに病室を後にした。


層一はその背中を、ずっと、ずっと見つめていた――


エピローグ

病室の窓から見える夜空に、ひときわ明るい星が輝いていた。


それは、空を駆けた金メダリストと、彼を支えた人々の絆を象徴するように、静かに瞬いていた。



病室のテレビをじっと見つめていた層一と雪。

画面の中では、金メダルを胸に輝く海斗の姿が映し出されていた。

ふたりとも、言葉が出なかった。けれど、その瞳には、溢れるほどの想いが宿っていた。


雪(そっと呟くように)

「そうちゃん……海斗くん、金メダル取ったんだねぇ……。そうちゃんと、うちの想い……ちゃんと、つないでくれたんだわ……ほんと、ありがとね……」


雪の目から、ぽろりと涙がこぼれ落ちた。


層一は、かすかに微笑みながら、こくりとうなずいた。


層一

「……バッケンレコード、更新だと……? 決勝の舞台で、あんだけのジャンプ……たいしたもんだわ。

あいつ、やっぱ……飛んでいっちまったなぁ……遠くまで、ほんとに……」


その声は、かすれていて、か細かった。

けれど、そこには限りない誇りと安堵がにじんでいた。

ふたりの目には、また新しい涙が滲んでいた。



雪・ナレーション


あの時、そうちゃんと見たテレビの光景は、ただのスポーツ中継なんかじゃなかった。

あれは、私たちが生きてきた時間の、証だった――。



メダル授与式と「君が代」


やがて、画面の中でメダル授与式が始まった。


静寂の中で、海斗の名前が呼ばれる。

ゆっくりと、表彰台のいちばん高い場所へと歩いていく海斗。

その首に、金色のメダルが静かにかけられる。


ジョンソン、アンデルセンと肩を並べて、互いの健闘を讃え合い、笑顔を交わす。

シャッター音が鳴り響く中、式は粛々と進んでいく。


やがて、「君が代」が静かに流れ始めた。


その旋律に包まれながら、海斗はふと空を見上げた。

そこには、金色に輝く未来と、あの日の雪と風が――確かに、あった。



病室での別れの時間


テレビの音が静かにフェードアウトし、病室にはまた、しんとした空気が戻ってきた。


時計を見ると、面会時間はもう終わりが近い。


「……そうちゃん、もうこんな時間だわ。面会時間、終わっちゃうから……そろそろ帰るね」


層一

「……気ぃつけてな」


そう言いながら、層一はやせ細った腕をそっと伸ばして、雪の肩を引き寄せた。

その抱擁は、風が頬を撫でるように、優しくてあたたかかった。


層一(小さく、でもしっかりと)

「雪……愛してる。……このぬくもり……ずっと、感じていたいんだわ」


雪は微笑みながら、層一の目をじっと見つめた。


「……そうちゃん……」


そっと身を寄せて、層一の唇に優しくキスをした。

それは、言葉以上の想いが込められた、ひとしずくの祈りだった。


雪(声を震わせながら)

「……また、来るからね」


その一言を残し、雪は静かに病室を後にした。


層一はその背中を、ずっと……ずっと見送っていた――。



エピローグ


病室の窓から見える夜空には、ひときわ明るい星が瞬いていた。


それは、空を駆けた金メダリストと、彼を支えたすべての人々の絆を、静かに、そして確かに照らしていた。



雪・ナレーション(最後に)


あの夜見上げた星は、ただの星じゃなかった。

あれは、私たちの願いと涙と、希望の全部が詰まった灯りだった。

そうちゃん……ありがとう。うち、ずっと忘れないよ――あなたの温もりも、海斗の空も。






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