血と肉が湧きあがる戦い。
戦いが始まって5分がたった。
(ヤバい。こいつ、強くね?)
(あぁ、そりゃそうだ。)
(え?どういう…)
(あいつに聞いてみるんだな。)
「おい、お前やってることの割に強いな」
「当たり前だろ〜。俺は、Aランク冒険者ですよ〜。」
「そうか…お前に勝てば、俺の実力はAランクにも勝るほどなんだな。」
「本気の俺を倒せたらな!付いて来いよ!」
全てが、強くなった気がした。いや、実際強くなってる。あいつの剣を振るスピードが、常人から見たら、残像になっているくらいだ。
「そういえば、お前名前は?」
「俺か?俺は、ジークだ〜…。この喋り方面倒だからやめて良い?」
「どうぞお好きに。ジーク。」
「あっそ…」
呆れたように言った。
「その、槍なんだ?どう考えても長くて使いにくいだろうだろ。」
「この槍か?これは…」
槍を両手で、回して横に槍を振って薙ぎ払う。それと同時に壁を吹き飛ばす。
「おいおい、俺の家壊すなよ。」
「すまんな。当たった。」
「弁償しやがれ!」
剣を、槍の柄に当てて俺に隙を作らせる。
その隙を見逃すほど甘くないと言わんばかりに剣で俺の腹めがけて突きを放つ。俺は、槍の石突を相手の剣に当てて隙を相殺する。
「その、槍も使いようによってはそんな事もできるのか。」
「あぁ、そんな感じだ。」
槍の穂を使って地面を削って振り上げてジークの腕を狙う。当然だけど避けてカウンターを狙ってくる。槍の石突を地面に刺し、槍を支点に身体を浮かせ回りながら、相手のカウンターを相殺する。
(圧倒できないな)
(そうだな。)
(さすがAランクだな。)
でも、人間。こんだけ戦えば隙を見せる。ほら来た。槍で剣を弾いて石突で腹を狙う。
(待て!変だ!)
(何が?こいつ、笑ってやがる。)
顔を見ればニヤリと笑っている。
ゾク…
攻撃を止めて後ろに飛ぶ。
「あぁ…後もう少しだったのになぁ…」
「何をしようとした?」
「教えるとでも?」
「いや、別に良い。もともとダメ元だからな。」
(何か、観測できたか?)
(いや、何も。ありえないぐらい何もしてなかった。)
(やばいな。分からない攻撃以上に厄介なものもない。)
(あぁ、そうだな。)
槍を縦に振り落とす。剣を両手で持って真正面から受け止める。
そのまま、走ってこっちに向かってくる。
(マズイ!槍をさっさと引け!)
(いや、別に良い。そんなことしなくても。)
「(は?)」
ジークとルシファーの声が重なる。
槍を弾いて剣を振り落としたときに片腕で受け止める。槍が喰い込む。いて〜。
そのまま、逆の手で腹に一発重いのをぶち込む。
カハッ
血反吐を吐く。スキルで強化した拳は、さぞ
痛かろう。それを、見落としはしない。顔面にスキルで強化した蹴りをお見舞いする。
1メートル程吹っ飛んで、気絶した。
「おれの勝ちだ!」
(痛くねぇーの。)
(え?ルシファー…お前気遣いなんてどこで覚えた?)
(ぶち殺すぞ!)
(冗談だよ。痛いよ普通に。でも、これくらいやらないと決定打には、ならないなぁ〜と思ってさ。)
(あっそ。まぁ、お前が納得したなら良いけど。)
ジークに近づいて縄で縛る。そして、ビンタしながら起こす。
「さっさと、起きろ。」
寝ぼけたように起きる。
「あ?チッ。負けたのか。」
「舌打ちするなよ…」
「で、あそこの宿の借金の紙だな。」
「どこにある?あと契約を破棄しろ。」
「そこの、お前が切った棚の1番下だよ。」
探してみると。あった。って…
「これって…紙か?」
「そうだよ。紙だよ。」
嘘だろ…紙がいくらすると思ってやがる。金貨3枚するんだぞ?てっきり動物の皮かと思ってた…
(そんなに価値が高いのか?)
(当たり前だろ。貴重だぞ!)
(そんなものを、ダンジョンの最下層に置いてきたと…バカだろ…)
(あっ…まぁ、後で取りに行こう。)
「これを、燃やせばいいのか?」
「燃やすな!1番下にある朱印だけを、燃やせ。これくらい常識だろ…」
言われた通り朱印だけを燃やす。
(へぇ〜)
(どうしたんだ?さては、お前も知らなかったんだな。)
(いや、生前と変わったなと思ってさ。)
(どゆこと?いや、俺等のときは全部燃やしてたからさ。)
シュボ!
全て燃やした。チッ!
舌打ちの音が聞こえた。
「やっぱりな!全部燃やすんだな!」
「バレたか!」
「この期に及んで、まだそんな事ができるのか…今の自分の状況分かってる?」
口笛を吹いて…誤魔化してるつもりなのか?
「もう、あの宿に手を出すなよ!」
「はいはい、って言っても…出せないのほうが正しいかな。」
(何言ってるんだこいつ?)
(気づいてないの?下で凄い音が聞こえ続けてたこと。)
(え〜っと、もしかして…)
(その、もしかしてだ。)
終わった。シェル殺して無いだろうな〜
少し遅れました。次回は、今週中に出します。
また、合う日まで!