英雄は少女を、助けたいそうです。
ギルドの前についた…。もう夜か…。
ここまでのことを、振り返ろう。
ここまで来るときの、人の目は痛かった。
だって、死人とメイドが街の大通りを、歩くんだもん、そうもなる。
途中で、何人もの人に話しかけられた。
「おま、死んだんじゃねぇーの!?」
とか、いろいろ言われて、もう返し方に慣れてしまった。
(フッ、可哀想に。)
(何故ちょっと、煽る?)
(いや、この後のことを考えてたら面白くてさ…)
(ひで〜)
そして、近いはずのギルド。つく頃には、もう夜に。
ガチャ
「おう、きたか。」
ガロウだっけ?このおっさん。
「お前、本当にレイか?」
「そうだが?」
「以前よりもずっと強い。」
へぇ、分かるんだ。まぁ、そりゃそうか。仮にも、ギルド長だもんな〜。
(どうする?お前のことも喋る?)
(ん?あぁ、後にしてくれ。)
(なんか、あったか?)
(いやなぁ〜今、あのギルド長がスキルでお前のステータス見ようとしてるから、レジストしてる最中なんだ。)
(え?マジで?)
小声で、俺について来るな。とシェルに命令したあとに数歩ガロウに近ずくと…
「ガロウギルド長。スキルで覗くのやめてもらっても?」
周りがギョッとした目でこっちを見てくる。
「ハッハッハ。お前、分かるのか。前までは、感知もできなかったやつが。レジストまでしてくるとは、あのダンジョンには何があるんだよ?」
話そうと思ったら…
ガロウが、後ろに背負っていた、大きな大剣をこちらに向かって、振り落とす。
俺は、スキル身体強化で片腕でうけ止める。
と同時にもう片方の腕で顎を拳で殴るふりをする。
「なんのつもりで?」
驚いた顔で、こちらを見る
「本当に何があった?」
「いや、何も?ただ、化け物がいただけですよ。」
「フフッ、面白いなぁ〜。お前は今、ギルド長に手を出した。その罪どれだけのものか分からないとは、言う前な?」
「分からないなぁ〜?その罪なら俺の片腕が払ってると思うんだか?」
大剣が、刺さってる腕からは、血がたれ流れている。でも、大して痛みは、感じない。
「まぁ、お前がレイとは、信じがたいが信じてやる。」
「ほう?そらまた、突然なんの心変わりですかねぇ〜。」
「強さに偽りがないなら、あのダンジョンから帰ってくると言うのも、有り得る話だなぁ〜と思ってな。試す真似して悪かったな。」
大剣を退けて、医者を呼んだ。
「話がないとは、口が裂けても言えないが、
まずは、療養でもするんだな。」
ガロウは、ギルドの奥に消えた。
ほっ。と息をつくのもつかの間…
「おおおおおおーーー!!!」
スゲー!、どうやった?、大丈夫か?、よく帰ってきたな?、よく休めよ、休んだら俺と戦ってくれとか、たくさん声をかけられて、動けない時間が続いた。
「落ち着け。俺を休ませろよ。」
そ、そうだな。周りがいなくなるが、シェルだけは、隣を離れない。
「そいつ、何だよ?」
「ん〜俺の物かな…」
「はい、わたしは、ご主人様だけのものです。」
「フーーー!!!」
良かったな!とか、色々言われたがまずは、依頼達成として、報酬もらわないと…もらわないと今日、寝るところもない。
てか、この前まで住んでいた、宿に俺の荷物あるかな?
(いや、無いだろ。)
(え?)
(忘れてると思うけどお前死んでいることになってるんだぞ?)
(そ、そうだった…)
絶望して膝を折ってしまうところだった。
(思い出したけど、大したもの持ってなかったよな…。強いて言えば、大事にしていたメイン武器と、選別でもらったお金くらいだよな?他に何か合ったか?)
(知らんけど?)
(まぁ、いいや。)
ギルドの依頼達成のために、カウンターに行くと…
「あの〜凄く申し上げにくいのですが…依頼なら他の方が受け継いだので依頼は、失敗扱いになります。」
フッと笑ったあとに気絶した。
起きるとそこは、保健室だった。
「ここは、ギルドの保健室だったか?」
「はい、そうです。ご主人様」
「ひえ、居たのか。シェル。」
「はい、ずっといました。」
「何か、変な寝言言ってなかったか?」
「いえ、ぐっすり眠っていらした。」
「やばい、それどころでは無い。今日寝るところもないし食べるものもない。どうするか?」
「提案します。今すぐに今日だけでも生き残れるだけのお金が入手できる、依頼を受けることを推奨します。」
「そ、そうだな。そうと決まったら、今すぐに行くぞ。」
と思ったけど、今…
(あぁ、朝だが?)
(朝!?半日寝てた?)
(そんなもんだが?)
(まぁ、今すぐ依頼を、受けたほうがいいのは、そうだな。)
「シェル行くぞ!」
ギルドカウンターについて…
「今すぐ受けられる、金が稼げれる以来は、ないか?出切れば、数時間くらいで終わる依頼がいいんだが…」
「え〜っと、昨日帰ってきてすぐ受けるんですか?」
「あぁ、今日生きられないくらい金が無い。」
ホントの事だし、実際もう腹が減っている。
最近は、シェルに解析してもらって食べられる、葉っぱしか食べてない。そろそろ、まともなものが食べたい。
「え〜っと、討伐依頼ですぐ近くの草原にいるゴブリンがりなら…報酬は、銀貨1枚なんですが…」
「それでいい。行ってくる。」
5分後、ギルド内
「え〜っと、もう終わったのですか?」
「あぁ…10体は、いたぞ。ほら、ゴブリンの耳だ。切り取ってきた。」
「ひっ!し、失礼しました。どうぞ報酬です。」
「ありがとう。」
(早いな、まさか武器なしで、ゴブリンを殴打で倒したなんて言ったらこの、ギルド職員どんな顔するんだろうな?)
(ドン引きすると思う。)
「ご主人様、この金で何を、するので?」
「とりあえず、飯を食う。話はそれからだ。」
近くの店に入って…入って…は、入って……
どこも、開いてない。今、何時だ?
時計台を、見てびっくりまだ、7時?
やだー。どこも、開いてない。
また、山菜を食べに行くか…
足取り重く、街の外に出て行く前に一応荷物がないか、聞きに行く。
「すみません。」
「はーい。えーーー!?!?」
「あの、ここに置いといたものどこにありますか?」
え?と言う、キョトン顔をしている少女を見ていると…
「は、はい。これですね?」
「あの…槍しかありません。すみません。死んでいるとのことだったので、全部売っちゃって…お金は、使っちゃいました。」
「え?マジ?」
「大マジです。」
(ど、どうする?1つもあったんだけど…)
(俺も、動揺が隠せない。1つもないと思ってた。良い誤算だと思えばなんとか?)
「じゃ、槍はあるんですね?」
「は、はい。槍は、売れなくて…どうぞ。」
(マジであったんだが…メイン武器。)
(やったな!)
(お前そんな、キャラだっけ?)
(良いだろ!別に!)
心の中は、喜んでいる。
「あ〜あの、お金は、頑張って返します。
だから、ちょっと待ってください。」
「いや、いいよ。その代わりここに、あったお金分、ただで住ましてよ。」
「え?いいんですか?そんなことで?」
「っていうか、ここって宿じゃなかった?」
「えっと、宿のオーナーが、ここで亡くなって、私が新しいオーナーに成りました。」
「あー、そっか。ごめんね。悲しいこと思い出させちゃって。」
「いえ、1週間も前のことなので、大丈夫です。」
やらかしたなぁ〜。変な空気になっちゃったなぁ〜。
(どうすればいい?)
(とりま、シェル呼んだら?)
そうだ、全部売っちゃってた時に、オーナー殺しそうだからおいてきたんだった。ギルドに。
ギルドに行って、シェルを連れてきたら宿の前で、人が群がってる。何か起きてるのか?
「ウェーイ。オーナーちゃん。ここ、売り払う気になった?」
第三者の声がする。
「ひえっ、」
「ひどいなぁ〜。さっさと売らないとぇ〜。それとも、借金返してくれるのかい?」
「え〜っと、もうちょっと待ってください。」
「甘ったれたこと言ってるんじゃねぇーぞ!何月返してないと思ってんだ!それとも、身体で払う?」
「そ、それだけわ…」
オーナーの片腕を、触ろうとしているところを、俺がその腕を掴む。
「あ?何だお前?部外者が入ってくるな!」
「部外者?ハッ違うね!ここの宿使ってるんでね!」
「ハッハッハ。嘘だって分かるぞ。お前、ここがどうゆう場所か分かってるのか?」
「どういう意味だ?」
「なんだ〜知らないの〜。オーナーちゃん。ちゃんと言わないとだめだよ〜。」
どういう意味だ?ここは、普通の宿のはず、
「やめて!」
「やめないー。ここは、通称 死の宿 ここらでは、有名だよ〜。ここに住む人全員死んでいくんだよ〜。」
そして、衝撃の一言をいう。
「そして、この前ラスト1人が死んだんだよ。当然だけどオーナーじゃないよ。ある、冒険者だよ〜。そいつが死んだからオーナーも命を、たったんだけどね〜。酷いオーナーだよね〜。莫大な借金を、孫になすりつけて死んだんだぜ〜。自分は、一足先に天に召されやがってよ〜。死人には、口はないけど、
孫に全て相続させるって言ったんだぜ〜。
その、全てに借金も含まれてるって話だけどなぁ〜」
はぁ、沢山一気に喋ると疲れるぜ〜と言っているが、それどころではない。それってつまり、俺のせいじゃね。
「じゃ、なおさら引き下がれねぇー。」
「は?今なんて〜」
「俺が、そのラストの死人だからよ。」
「え?まさか、お前がレイって冒険者か!」
「そう言うことだ。」
周りのザワザワ度は、あがる。
「ハッハッハ、そりゃないぜ〜」
まぁ、客がいるなら別だと言って、消えていった。やけに抵抗せずに行ったな。
「あ、ありがとうございます。」
「いや、俺がもっと早く帰ってたら、こうはならなかった。スマン。」
「い、いえ。あなたのものを、売って金にしたのは、事実ですし。」
ど、どうぞ中にと言って入れてくれる。
以外にも、中は清潔感があるきれいないい部屋。でも、急いで片付けたと見える、書類の山が見える。きっと、財政難について考えてるんだろ。俺のもともと、住んでいた部屋、
2階の一番奥の部屋。中を、見るときれいとは、口が滑っても言えないが、最低限度住めるだろうってくらいだ。ベッドに腰を掛ける。
「これからどうするか?」
「と、言いますと?」
あぁ、シェル居たんだった。てっきり、1人かと、思ってたわ。
「どうしたら良いと思う?」
「とりあえず、依頼を受ければいいかと…」
「依頼?」
また、何でだ…さっき、金取って来たばっかだろ。
「ご主人様は、オーナーさんを助けようとしているのですか?それなら、尚更受けたほうが良いかと、失礼なことは承知の上であえて言わせてもらいます。ご主人様は、戦うこと以外脳がありません。ですので、助けようと思うなら、金が必要です。集めるのが一番簡単かと。思います。」
助ける?そうか、俺は、無意識の間にオーナーを、助けようとしていたのか。俺のせいでもあるからには、助けよう。
「シェル、ありがとう。今のやることが決まった。」
「いえ、私はご主人様の命令に完璧に返答しただけでございます。」
(助ける。にしてもどうするんだ?)
(どうする?どういう意味だ?)
助け方は、さっき依頼を受けるで解決したじゃないか。
(だってただオーナーに金渡して、これで借金返して。って言うきか?正気じゃないだろ。金渡して借金にあてて?こちらにメリットがない。そんなことされても迷惑なだだ。後で返さないといけない。)
(いや、困ってたら……)
(困ってたらお互い様?ばかじゃねぇ〜の。
そんなことされても、はっきり言うわ〜、自己満足以外のなんでもないよね?)
(それじゃ、オーナーを見捨てろと?)
(そうは、言ってない。やるにしても、向こうに貸しを作れ。それだったらその貸しを返したことになる。そうしたら、それは善意から貸し借りに変わるだけだ。ただし、その場合、誰からの感謝もない。選べ!お前がしたいのは、善意の押し付けか?それとも、偽善者になるか?どちらでも、オーナーを救える。)
色々考える。
(俺は……偽善者になる。)
(それでいい。決してお前には、全員救えるわけじゃない。なら取捨選択しなくちゃだめだ。そのためなら偽善者になれ。)
吹っ切れたかた顔をする。
(いい顔になったな。それこそ、お前だ。)
(お前が言うことも酷い言葉ばっかじゃねぇ〜のな。そんな喋って噛まないの?)
多少悩んでから口を開く。
(俺は、お前の心のなかにいる。つまるところ、俺は概念として存在している。心のなかに直接喋りかけるからな、ありえないんだよ。喋ってるときに噛むことは、できない。)
(御高説ありがとうございます。)
適当な事を口走ればいい。何言ってるかまじ分からん。
(まぁ、あっちで待ってるシェルのところに行くんだな。俺は、寝てるから…)
(あぁ、って思ったけど寝る必要なくね!)
(ん?ないぞ。寝る必要は、なくても寝たいから寝るまでだ。お前たちだってよく、必要ないことしてるじゃないか。)
(まぁ、いいや。おやすみ。ルシファー。)
(おやすみ〜。)
「あ、あの〜ご主人様?」
「ん?何だ?」
パッと顔が明るくなる。
「良かった〜。全然返答がないものだからまた気絶したのかと思いました。」
「そんなに、頻繁に気絶してられるか。」
「これからのことだか……この作戦で行く。」
「はい、了解しました。」
(おう、分かったぜ。)
オーナーを、助けるために実行する。この作戦。失敗したら、俺の金はなくなる。けど成功すれば、大量の金が手に入る。メイン武器を持って高らかに言う。
「(さぁ、行くぞ……賭博場に!)」
最後の言い回し編だと思いますか?賭博場にメイン武器を持ってくの?まぁ、次回のお楽しみです。学校が始まるまでは、1日1本を、目標にしてます。今回からは、適当な量にします。