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次はどんなシチュで告ってみようかなぁ。 やっぱり何かピンチな時に助ける的なのが強いと思うけど早々そんなこと起きるはずもないし、起こそうとするのは流石に俺の流儀じゃないし。



そして俺は自分が考えうるいろんなシチュエーションで告っていった、だが俺の告白はことごとく失敗続き。



1人の女にここまでしつこく食い下がったのは初めてだった、俺が初めて告白したのも本庄だし告白を断られる度なんだか新鮮な気分になり逆に俺は本庄にのめり込んでいった。



それが俺に周りからフラれ続けられる男としてマイナスな評価になると思ったがそうでもなかった。



「なんかさぁ、皆モン最近めちゃモテてね?」

「そうか? まぁそうかも」

「うわッ、肯定しちゃうのが皆モンっぽいけど。 本庄にアタックし続けてる姿が女子からしてみれば逆に気になるのかなぁ?」

「そういうお前は?」

「あはッ、とりあえずまたカラオケ行かない?」

「いいけど」

「ヤイサホーッ!」



祐希を誘おうとしたが今日は都合が悪いらしく俺と翼と萌とで行くことになった。



「あ……」

「どしたん皆モン?」



校舎を出ようとすると目の前に渚を見掛けた。



そうだった、テスト近いからってあいつにまた勉強見てもらおうって言ってたんだっけ。



「おー、ナギじゃん」



翼が渚に近付いて肩を組んだ。 



こいつらってそんなに仲良かったっけ?



「えッ!? あの……」

「あはは〜ッ! 初めましてじゃないしクラスも一緒だけど話したことなかったよね」



やっぱりか。



「あーごめん渚、忘れてた」

「ん? 皆モンこれからナギと何か用事あるん?」

「そいつに勉強教えてもらっててさ、今日も頼んでたんだわ」

「ほー。 んじゃついでにナギもカラオケ行くかッ!」

「わ、私はいいよ」



あまりノリが良くない渚をそれでも強引に翼は誘いついていくことになった。



「誰それ?」

「あ〜萌、この子うちのクラスのナギだよー!」

「それがなんで? なんかあんま行きたくなさそうじゃん??」

「クラスメイトなんだし親睦深めるみたいな?」

「あははッ、それに付き合わされる方迷惑って顔してんじゃん」

「め、迷惑とは……」



ズバズバという2人に対し渚はタジタジだ。



「あ、そういえば皆モンまた本庄に告ったでしょー?」



萌が俺の腕に自分の腕を絡ませて言ってきた。 



「ねぇー、懲りないよねぇ皆モンって」



今度は反対側から翼が腕を組んできた、こいつら気軽にタッチはしてくるけど普段はこんな風に接しない。



「ねえねえ、早く行こうよ皆モン」

「萌くっつき過ぎじゃね?」



翼につっこまれるがお前もだ。



「だって今日は野郎が皆モン限定だしユッキー居る前だとあの子拗ねちゃうでしょ?」

「まぁねぇ〜、うちら何気に気を遣ってんだよぉ皆モン」

「私お邪魔みたいなので今日は……」



渚がペコっとお辞儀をして帰ろうとすると翼に引き留められた。



「ダメだよ〜!」



翼に鞄を掴まれて阻止される。



「ナギって地味に可愛いから気に入ったから遊ぼうよ。 皆モンと友達だったんならうちらとも友達でしょ?」



うーん、流石こいつら、強引だ。 それから逃げられないまま渚もカラオケに連れて行かれた。



「ナギ〜歌って歌って!」

「わ、私はいい」



早速部屋に入ると渚が歌えコールをされているが本人はもう翼と萌のテンションにまったくついていけてない。



「じゃあ私が一緒に歌ったげる、ええと」



翼が選曲し渚にマイクを持たせた。



「ナギとデュエット〜!」

「あははッ、なんでアニソンなわけぇ?」

「ナギ博識そうだから〜」



それはオタクっぽいと言ってるようなもんだぞ。 というより誰でも知ってるような女児向けアニメの歌だが。



とは言っても渚が人前で歌ってるのが珍しいからボーッと見ていると萌が俺の肩に当たってきた。



「またフラれてたね!」

「うるせぇな」

「どんだけアタックする気なん? あんなんどうせ脈なしだって。 それより皆モンうちのクラスでもなかなか人気あるみたいだし手頃なのと付き合おうとか思わない?」

「それでもいいんだけどさ」

「あはッ、いいんかい!」



はぁ〜、俺も強引に本庄を誘ってデートしてみるのもありかもしれない。 そうだ、今度は告白とか関係なしに遊んでみるか。



そんなことを考えているといつの間にか渚と翼の歌が終わっていて俺が歌う番になっていた。



「ナギったら見惚れ過ぎッ!」

「もしかして皆モンにホの字かぁ〜ッ!?」

「ああッ、いや、ううんッ! そ、そうじゃなくて」



まったく、こいつらくらい本庄も食い付いてくれれば楽なんだけどな。



カラオケが終わると渚は今度はどこに行かされて無茶振りされるんだろうという不安からなのだろうか? 帰って行ってしまった。



「ナギ逃げちゃった」

「お前らが強引だからな、あの手のタイプはそういうの苦手だってわかってんだろ?」

「まぁねぇ〜。 だって皆モンさっきちょっと迷惑そうな顔してたからさ」

「マジ? そんな顔してた??」



いや、してたかも。 好意を向けられるのは別にいいんだけど渚とは付き合おうなんてまったく思わないしなぁ。 けど俺のことが好きってのが最近どんどん伝わってきてそれはまぁ良いとして本庄のことも「やめておいた方がいいよ」とかなんとかうるさいから。 それでなのかもしれない。



「別にさ、ナギのこと嫌いじゃないし可愛いからおちょくり甲斐もあるし寧ろ好きかも」

「あ、私も翼に同意」

「けど渚にとって嫌なことはやめとけよ?」



迷惑に感じてるけどしっかり渚のことを気遣ってるアピールする俺。



「あははッ、しないしない」



こうして少し経った日、俺は本庄の前に居た。



「ちょっと…… あんたにストーカーされてる気分なんだけど?」



休み時間や暇な時間は本庄は俺から身を隠すようになっていた。



「そんなに意識してくれて嬉しいよ。 あ、今の流れだとマジでストーカーっぽく聞こえるわ」

「マジも何ももう凄い迷惑してるんだけど」

「今日は告白しに来たんじゃないんだ」

「は?」

「今までのお詫びを兼ねて今日の放課後本庄とどっか行きたいなって思っててさ」

「今までが今までだからその誘いなんかに乗って2人きりになったらと思うとゾッとするからやめとく」

「はははッ、言われると思った。 でも変なことは絶対しないからそこをなんとか! その間告白紛いのこともないからさ」



そう言うと本庄は物凄く大きな溜め息を吐いた。



「ふん、まぁいいわ。 あんたなんて別に隣に居たってなんの意味もないってことわからせてあげる良い機会かもしれないし放課後ね? 私を待たせたら帰ってるから」



おお! ついに本庄の深層心理に俺が食い込んだかもしれない。






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