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「いやー、やられたわ」

「お前も結構手強かったよ」

「俺まったく活躍出来なかったわ、お前もそうだと思ったのにいつの間にサッカーあんなに上手くなってんだよ?」



試合が終わった後中澤と祐希と話していた。 



「そういえば中澤って俺に何か用があるんじゃなかったっけ? 西条が割り込んだせいでうやむやになったけど」

「ああ、それ皆本ってサッカー上手いのかなって。 同じくサッカー出るなら一緒に練習しないかって誘おうとしたんだけどこっちも忙しくなっちゃってさ、悪かった」

「そういうことか」

「つーか西条っておっかねぇよな、翼と萌とは大違いだよな」

「悪かったな大違いで!」



どこからか話を聞いていた西条が祐希の頭をゴツンと殴って登場した。



「いってぇー! なんだよこの石頭は!!」

「こっちだっていてぇよ!」

「そういや球技大会とかくだらないって言ってた割には見てたよな西条も」

「げッ!!」



中澤がそう言うと西条は焦った。



けどその外見だしバレないようにとかって無理だろ。



「たまたまだっつの」

「ふーん、もしかして俺見てた?」



おいおい中澤、そりゃイケメンだからって自意識過剰発言じゃね?



「は? はあああッ!? 誰がてめぇなんて見るかよ、アタシが見てたのはこいつだっての!」



西条が指差したのは俺の方。 あ、これまんまと誘導されたな西条は。 本当にチョロい。



「あッ、あああああッ!!! ち、違くてそんな意味じゃねぇって! そ、そうだ、こいつに次どうやってリベンジかましてやるかって考えてて」



いやもう見苦しくてこっちが見ちゃいられなくなってきた。



「あはは、そっかそっかぁ。 西条は皆本が好みだったのか」

「嘘だろ新太!? お前どんだけ見境なしなんだよ!」

「俺に言うなっての!」

「てめぇら黙れ!!」

「またしても俺ッ」



西条の蹴りが祐希に炸裂した。



「いいか!? アタシはお前のことを別になんとも思ってない、思ってないからな!!」



いやいや、じゃあこの手はなんだ? 俺になんとも思ってないと凄んでも俺の手を何故か握ってるし。



「西条、お前言ってることとやってること噛み合ってないぞ? なんで皆本と手握ってんだ?」

「うわッ、うわわッ…… そ、それはこいつが、こいつが今握ったんだ!!」



ええ…… そりゃないだろお前。 



「て、てめぇ新太!」



真に受けたバカが居た。



「離せよコラッ!」

「いやもう離してますけど」



中澤に「はいはい、もう隠そうとしても全部バレてますよ」と言わんばかりの顔をされている西条は恥ずかしくなったのかその場から逃げた、何故か俺を連れて。





「お前どこまで行くんだよ? つーか女子ってそろそろバスケだろ、お前出ないの?」

「出るッ!」

「出るんだったら体育館あっちだぞ、逆方向だって」

「そ、そうだったぁ!」



いきなり立ち止まるのでぶつかりそうになった。



「あのさ、大丈夫かお前?」

「ああ!! 頭大丈夫かって!?」

「そこまで言ってない」



コントしてるみたいだこいつと居ると。



「わかってんだよ…… 自分でもおかしいって。 けどお前に助けられた時からなんかずっとお前のこと考えてて、何しててもお前が頭の中のどっかに居て今何してるんだろうとかこんなの好きかなとか恥ずかしいこと考えちゃうんだよッ!!」

「うわ、告白だ」

「え? あれって西条と皆本じゃん」

「西条って皆本のこと好きだったのか」



声がデカいから周りに居たギャラリーが俺と西条のやり取りを見てもう以下略……



「み、見せもんじゃねぇーぞクソども! 消えろッ!!」



西条は慌てて周りの人払いをするがもう遅い。



「はぁー、ったく。 西条、お前の気持ちはわかった」

「アタシの気持ち…… ってあれ? アタシ告った?! マジで? ウソ!!?」



「ああ……」といい西条はこの世の終わりかってくらいの顔でガクリと膝を落として頭を抱えていた。 



「そーだよ、好きだよ皆本。 お前のこと好きだ、悪いかよ!? アタシだってなぁ、お前を好きになるなんて信じらんねぇよ! でも好きなんだよぉ……」

「いやいきなりそんなこと言われても」

「わかってる、そりゃ困るよな。 だったら球技大会終わった後でもいいから返事くれよ、な?」



急に態度が潮らしくなった。 



いやそれはそれでこいつ結構可愛いな。 本庄が居なかったらこいつと付き合ってもいいと思える、けど俺はまた前と同じことを繰り返すわけにはいかない。



「西条、わ」

「待った!! 球技大会終わったらって言ったろ? だからアタシ今からバスケだしついでにアタシのバスケ見ろ!」

「お、おい!」



また引っ張られ体育館の方へ向かわれる。



「新太どこ行ってたんだよ?」

「ちょっとそこらに」

「あれ? 西条は?」

「あいつならさっき逆の扉の方に向かって走ってったよ」

「そっか、それでどうだった?」



中澤が訊くと祐希も興味津々そうにしていた。



「ぶっちゃけて言うと告られた」

「な、なんだとー!? この裏切り者めッ!」

「落ち着けって、けど俺は西条と付き合うつもりはない」

「なんだとーー!? それはモテない俺への当てつけか何かかぁーーッ!!」

「違うっての、俺は他に好きなやつが居るんだ、わかってるだろ?」

「好きなやつって本庄か? でも皆本、あいつは多分無理だぞ。 お前どんだけ告白したんだ?」

「多分もう数十回は軽くいってるな、けど最近は告白というより本庄と話すことに集中してるわ」

「そうだぞお前いきなり告白とかってなぁ向こうも迷惑してるんだから俺を見習ってまずは仲良くなることから」



途中で祐希が語り出してしまった。 



そうこうしてるうちに女子のバスケの試合が始まった。



あ、リレーもあるのに本庄も居るじゃん、大変だなあいつも…… って西条の奴本庄にメンチきってないか?



「なんかあの2人空気悪くない?」

「特に接点なかったけどあれじゃないか? お前本庄に告ってんの大抵の奴ら知ってるから西条もそれ知っててライバル視してんじゃないか?」



やっぱりそれか。 本庄との時間を西条にこれから潰されないか心配になってきたわ。









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