四選目 ー闇の住人のススメー
今宵もお越し頂きまして、誠にありがとうございます。
さて当館は深夜開館でございますが。
『夜』と言われて、何を思い浮かべますか?
メルヘンに星や月でしょうか?
お子様はお休みになるオトナの時間ですか?
どれもワクワクするものでございますね。
ふふ、それもいいですけれど。
全ては『闇』があってこそのものです。
今宵はその、『闇』の住人についてお話を。
・朝里樹『日本現代怪異事典副読本』(笠間書院 , 2019.6)
【おすすめの人は?】
以下の方は、間違いなく好まれることと存じます。
・怖い話を書きたい方
・怪異や超常現象が好きな方
・お化け屋敷が好きな方
・日本らしさを好まれる方
・怪談やホラーが好きな方
・雑学が好きな方
・夏を感じたい方
・懐かしさを感じたい方
・5ちゃんねるや掲示板が好きな方
今夜は寝たくない! という方は、ここに当てはまらずともーー夜に読んだら、楽しいと思いますよ?
そう、寝られないくらいに。
【どんな本なの?】
・日本の怪異や都市伝説なんかを集めた本!
その話の内容はもちろん、歴史的な変容なども詳しく載ってる!
あなたの知っている怪異が必ずある!
・ネットとかだといつどうして出てきたとか、わかりにくいと思うんですよね?(てかデマが多すぎるし)
そういうのはちゃんと本なので、正しい情報が得られちゃう!
・挿絵なんかもところどころにあって、とても楽しい本です!(怖いとも言う)
事典なので、読みたいところだけ読む事ができるのも魅力的!
なぜ流行るのかとかいう、普通考えないような視点もあって客観性も高い。
【とある書き手S氏の勝手にレビュー!】
みんなー!夏といえばなんだ⁉︎
少なくとも夏のなろうと言えば!
『夏のホラー』でしょ!!!!
というわけで。それにも使えそうな怪談やら話の種になりそうなネタがたっくさん! 超たくさんあるんだよー‼︎
花子さんなんていう七不思議の王道や、元2ちゃんから始まったくねくねとか! もうね、ほぼ知ってるのは網羅してるんじゃないかな⁉︎
こういうの!
読んでるだけでも楽しいよねー!
都市伝説とかもみんな好きでしょ?(偏見)
でもこの本のいいところは、場所別でどういうのがいるかとかも教えてくれるとこかな!
このお化け出したい! からだと、考えるの大変な場合もあるしね。話の途中でここに行くから、ここ関連のお化けいいのないかなーみたいな。そんな事もできちゃうんだわ。
どっか遊びに行った時に、そこに関連づけて友達に怖い話振るとかいう高度な嫌がらせもできるぞ!(え?)
あとなんか、すごい日本を感じる笑
日本がこうだったからこれが生まれたみたいな、そういうのも話してくれるんだ。やっぱ根底を知ってこそ、話の深みは出るよね。
とにかく多角的視点から怪異を語るので、いろんな読み方ができると思うな! これ読み終わったら、怪異博士になれちゃうかも‼︎
ホラーや都市伝説好きなら、絶対に読んで損なしですー! 私は大好き‼︎
【小説を書かれる方へ司書より一言】
また事典だ、と思った方もいるかもしれません。それは司書のオススメ、だからなのですけれど。たまには司書らしい質問をしましょう。
『辞典』と『事典』の違い。
これはご存知でいらっしゃいますか?
ご存知の方もいるかもしれませんが、わかりやすく説明させて頂きます。考えた事がない方も、いらっしゃるかもしれませんからね。
『辞典』ーーそれは、様々な言葉を集めたひとつの本です。
そのジャンルは多岐に渡り、分けずに語彙を決まった順、(あいうえお、ABCなど)に並べ、その読みや意味、使い方をまとめたものです。
わかりやすく言うと、言葉の定義を教えてくれるものです。
それに対して。
『事典』ーーこれは、大抵ジャンルが決まっているのですよ。
例えば、〇〇百科事典、歴史事典、などという形でございます。中に含まれるのは語彙なこともありますが、名称や事柄である事もございます。〇〇事件、みたいな感じですね。
並べ方もその本によります。その本の中で、さらに細分化したジャンルごとになる場合もありますからね。
ですからわかりやすく言うと、そのジャンルの中の種類を教えてくれるようなもの、でしょうか?
なるべく噛み砕いたつもりなのですが、おわかり頂けましたか? もしわからなければ、また改めて尋ねて頂きたいのですが……。
要するに私が申したいのは。
調べたい事柄が決まっているならば。事典は最短距離で必要なことのみ教えてくれる、ということです。
お手軽かつ、最適な情報を。
正確に求めるなら、事典は最適解なのです。
ちなみに似ているようですが、図鑑とも違います。図鑑は絵や図を解説しますが、事典はあくまで言葉の解説ですので。
それ故に司書として、情報収集には事典を推しがちになります。
とはいえ。最近の事典は、絵などもそれなりにあることが多いです。下手すると、ライトノベルよりも多いかもしれませんね。
それにより読み物としても、面白いものが多いのです。普通の方も楽しめるのですよ。
もとよりそのジャンルを調べにくる方は、そこに少なからず興味もおありかと。ですから、眺めているだけでも面白いと存じます。
そうでなくとも、書き手の皆様は日頃お忙しい方が多いですね。
となれば重要な情報を必要な分だけ、確実に入手できる事も利点かと考えますが、いかがでしょうか?
知識がなければ、物は書けません。
正しい知識を、必要なだけ選んで。
それを学べるのは、事典だからです。
何かに迷われたら。事典を探すのはひとつの手でございますので、今後もぜひお役立てください。
……え?
今日は荒ぶらないのか、ですって?
ふふふ、司書らしい仕事をしている時くらい、私も司書らしく致しますよ? 真面目な話ならば、私とてしおらしくなりましょう?
……はい?
いつもは司書らしくないのか、ですって?
……そういう意地悪をおっしゃる方は、私の権限で入館拒否ーーふふ、冗談でございます。
私は一介の司書。
それ以上でも、以下でもございませんよ。
できる事と言えば。
この館を開けて皆様をお待ちし、資料探しのお手伝いをするくらいでございます。どうぞこれに懲りず、またお越しくださいませ。
こちらは書き手が使える魔法、予約投稿を使用しております。今頃司書はワクチンで瀕死中でございます。
え? さっきの司書は誰かって?
ふふーー誰なんでしょうね?
 




