8話 謎の行商人カールズとくじ引き勝負!⑤
【最終話】「こんにちは!」という言葉が実は奇跡の呪文な世界に転生しました汗。。。閲覧ありがとうございます!異世界転生をしたサンは金欠ためお金がない!ホテル代を稼ぐために、怪しい男カールズとくじ引きゲームを始めた。無事に銀貨5枚を手に入れる事ができるのか?
えっ?
ザラザラした紐が無い。
「あらぁ?どうしたんサー?選ぶのは良いけれど後ろの観客を飽きさせないで欲しいサー!」
「あっうん。」
あれ?あれ?
紐は手で触れるとすぐ分かるくらいザラザラしてたから気づかない筈は……」
『おいおい!早く引けよ!!』
『早くあんちゃんの剛運を見せてくれ!』
後ろの野次が飛んで耳が痛い。
(もしかして水で濡れてマークがなくなった?)
「どうしたサー。頑張るサー!」
「銀貨5枚の勝負だ。ちゃんと選ばせてくれ。」
(仕方ないこうやったらヤケだ! 自分の運を信じるんだ。)
「えいっ」
結局結果はハズレだ。
引っ張った紐の先には何も付いていない。
「あらら〜あんちゃんの豪運もここまでサー! 残念サー!」
うぅ、マークさえ見つけられれば……
カールズは他の人に聞こえないような声でニヤリとこちらを向き呟いた。
「あんちゃん……あたりが見つからなくて残念でしたねぇ。」
(え、あたりが見つからなくて?まるで僕が事前にザラザラの事を知っているような口調……も、もしかしてはめられた?この男に)
そしてカールズは観衆の方を向く。
「さあ!皆様!自分の運を確かめませんか? カールズと勝負!銅貨1枚から勝負出来ますよ!」
『じゃあ俺がやる』『私も!』『僕も!』
観衆が僕を押しのけてカールズのくじ引きゲームに参加を始めた。僕は後ろに追いやられた。
「くそう・・・」
(カールズにやられた。わざと最初にマークをつけておいて、僕が調子に乗ってレートを上げた時にそのマークを消したんだ。)
(水を濡らして消えるマーク・・・例えば塩とか砂糖とか。)
(もし気づければこの勝負やめていた。でも周りガヤのせいで冷静な判断を失っていた。ザラザラのマークは最初から僕の油断を作るため、観衆は僕の判断を鈍らせたんだ。そして水をわざとかけてマークを消す。僕に運任せの勝負を強要させたんだ。)
『うわぁ外れた!!!もう一回!!!』
「さすがに30分の1の確率はそうそう当たらないサー!」
10人くらい挑戦して
『あ、当たりだ!』
「おめでとうサー!さっきのあんちゃんみたいに連続で当てるサー!」
『ようし!じゃあ銀貨5枚掛けで勝負だ!』
(そしてマークが消えたから、完全なる確率になった。だからごく稀に当たりを引ける人が現れる。しかし僕の剛運を話に出して再度勝負に挑戦する。そして…。)
「うわぁ!だめだぁ」
(僕は良い客引きの道具に使われてしまったらしい。通常なら30分の1なんて当たるわけない。しかし先程の僕の連続当たりでみんながやる気になってしまったらしい。)
「アイサー!ホイサー!」
カールズは陽気な声で挑戦を受けるが、
その度に銅貨、銀貨が1枚づつ硬貨袋に収められていき溢れそうになっていた。
帰ろう…。
もうこの場所にはいたくない。僕は後ろを振り向きどこか分からない場所へ歩き出す。
後ろからはカールズの陽気な声と楽しそうなお客の声が耳に響いた。
ゴーン、ゴーン、ゴーン
アリアスの街の鐘が3回鳴った。
残り2回のうちにバレンティアに行かないとお金が足りず今日は野宿だ。
ーーー異世界転生を続けますか?ーーー
YES←
NO
サン
HP100/100
MP50/100
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次回からようやく異世界転生っぽくヒロインが登場します!
第1章は全て構成しているので気ままに投稿をお待ちください!!
コメントなど頂けるとやる気が出て投稿スピードが上がるかも!!