6話 謎の行商人カールズとくじ引き勝負!③
「あの………カールズさん。もしよかったらまだ挑戦できるかな?」
するとカールズは「よくぞ言ってくれました!勿論です!これで貴方と真剣勝負ができます!さあさあ、銅貨1枚で勝負サー!アイサー!ホイサー!アイサー!ホイサー!」
僕は半歩カールズの元に近寄り、銅貨を1枚彼に手渡した。
「あくまでも確率は30分の1だからもし次当たりが連続して出ても文句は言わないでよね。」
「えぇ!勿論ですとも!いざ!勝負!」
カールズは当たり紐を元の長さに戻し、紐をランダムに混ぜ合わせた。周りからみただけでは全く違いが分からない。
(でも僕はわかる…このザラザラで!!)
僕は焦らず紐を選び、ザラザラのものを探し出す。
そして……
(これだ!)
紐を引っ張るとまた木彫りの鳥が結ばれていた。
「アイヤー参ったなぁ。あんちゃん!2連続かぁ!凄いサー!このカールズあんちゃんの剛運には驚きを隠せないサー!」
カールズは僕に1枚の銀貨を渡してきた。
(これは凄い!もう銀貨2枚だ!宿屋まで後3枚!)
僕はカールズに紐のネタが分かっていると伝わらないように下手に喜び過ぎないように自分の心情を押さえつけた。
「いやったぁ!2勝だぁ!!」
ザワザワ
人が僕の周りに集まってきた。
なんか恥ずかしい。
人が一定数集まった所で
カールズが再び陽気な口を開く。
「いやぁ!あんちゃんお強い!!お強い!!ここにある30本の中から見事に当たりの紐を引きました!!!しかも2回連続サー!でもでも!次は負けないサー!だって30分の1の確率を、2回なんてそうそう起きる事じゃないサー!900分の1の確率サー!次当てるのは2700分の1サー!当たるはずが無いサー!」
『へー!凄いなこの兄さん!』『どこまで連続で当たるんだ?』
「じゃあもう一度やらせて貰おうかな?」
僕はもう一度銅貨を1枚カールズに渡す。
そしてもう一度同じ作業を行う。
結果はもちろん…。
ーカランカランー
「あんちゃん!すごいねぇ〜!5回連続で当たりだよ!!!こりゃあ驚いた!今まで色んな街に来たけどもこんなに運が良い人は初めてサー!!」