4話 謎の行商人カールズとくじ引き対決!
ーアリアス 屋台通り外れにてー
……なんか、変な人に声をかけられたようだ。
彼は頭にターバンをつけている。
いかにもエジプトとかにいそうな服と身なりをした男だ。
怪しい……正直に言ってすごく怪しい。こういうのは早々に立ち去るのが吉だろう。
「いえ、結構で………」
「あっ! あんちゃん! ちょいと待ってよ! なんだい? 怪しんでいるのかい? うちはイカサマなんてしなちよ!! ほれ、よく見ているサー! 」
カールズが座っているテーブルの上には小銭袋と水筒と何本も紐が綺麗に並べられいた。そして木彫りで作られた小さな鳥の置物が1本の紐に結ばれていた
木彫りの鳥の方を引っ張ると、反対側の紐が引っ張られた。確かに当たりはあるみたいだ。
(イメージとしてはこんな感じのくじ引きゲームです。)
「ほらー! よく見てー! ちゃんと当たるサー。1回銅貨1枚だよ! さあやるさー!」
カールズは紐を再び下の位置に戻す。
……たしかにあたりはあるみたいだ。
でもそういう怪しいのは関わるなと親によく言われたものだ。
「いえ、興味ないので 」
僕は断りこの場から離れようとした。
そしたら男が驚くことを言ってきた。
「ちょっと……そうサー!じゃあ、無料でやらせてあげるサー! 」
「え? 無料? 」
僕は思わず振り返ってしまった。昔からクーポンとかポイントとか貯める性格だったからなぁ。身体が反応してしまった……しょうがないと言えばしょうがないか。
「あんちゃん1回だけ! 1回だけお試しでやってご覧よ!」
「じゃあ、一回だけだよ」
僕はカールズの正面に立ち30本もならべられた紐を見つめる。
「ありがとうサー! 」ニヤリ
(ん? なんか今ニヤって。。。)
「さあ! 引くさーー! 」
アイサー! ホイサー! アイサー! ホイサー!
カールズはリズムに乗って陽気に謎の歌を歌う。
僕は30本の紐の中から1本を手にする。
流石に無料だから外れても良いんだけどやるからにはちゃんと選びたいな………。
「引っ張らなければ自由に紐を選んでもイイサー! 」
(ん?これは?)
ザラザラ
30本の紐の1本だけがざらざらしてるぞ。
ま……まさか




