第40話 「大変です!魔族が可愛すぎます!」のじゃロリ魔族と領主の父③
「ゴホン……ここは我らがずっと狙っていた場所なのじゃ! 豊富な資産、沢山の国と貿易をしている街都エリアスを我らが魔王領として征圧できれば、もっと我ら魔族の活動がしやすくなるのじゃ! 普段、このエリアスは特殊な結界が貼られており、普通魔族達は立ち入ることすらできないのじゃ。しかし、暗密部隊の活躍により鐘8回の時だけ一時的に結界の効果が弱まることを発見したのじゃ。」
(……なるほど、サレスの森のドラゴン碑石の封印が弱まったからか)
「この事がわかったので、事前に暗密部隊の一部を衛兵ととして、街に潜伏させておいたのじゃ! これで鐘8回の時に、完璧により素早く征圧できたのじゃ! 今エリアスの街へ5番隊から3番隊がエリアスの街の商人と資源を抑えたのじゃ。これからここは我らの領域じゃ!すごいじゃろ!」
おいおい……可愛い顔をしてやってる事は領地侵攻だぞ。
「屋敷の衛兵さんたちは今どこに?」ミーアがネオに声をかけた。
「今は第一部隊の魔族たちが拘束して地下牢獄に閉じ込めといているのじゃ。あいつらわちゃわちゃうるさかったからのぉ」
「だから衛兵がいなかったのか……」
「そうなのじゃ、あいつら剣や斧など物騒なものを持っていたから、しばらく反省なのじゃ!」
ネオはここまで言うと再びケーキを食べ始めた。
「もぐもぐ……もぐもぐ……」
(なんかこっちが真剣に聞いているのに、ネオは幸せそうにケーキを食べている。本当に侵攻しにきたのかわからない。あと可愛い)
ミーアがキョロキョロとあたりをみわたす。
「と言うことはお父様も地下の牢獄に収容されているのかしら……」
「お、お帰り……サン殿、ミーア。早い帰りだな」
「!」
僕たちの立っている後ろから太い声が聞こえる。
その声は!
やはりバルトさんだ。バルトさんは傷一つなさそうだ。サンはほっと一息ついた。
「お父様! 無事でよかったです! 」
「バルトさん! 無事でよかったです!」
「ああ……それは良いんだが……」
ゴホン。
ネオが僕たちの方を向きながら口を開く。
「エリアスの領主を拘束すれば目的は達成なのじゃが、別に我は誰かを傷つけたりするつもりはないのじゃ。血を流す戦いはもうこりごりなのじゃ。平和的に侵攻するのじゃ!」
ネオが笑顔を見せながらケーキをほおばる
平和的に……侵攻……色々矛盾しているようなイメージだ。たしかにネオの言う通りエリアスで何か壊れた大きな音はしていない。
それにバルトさんも捕まっているわけではなく元気そうだ。
「ミーア、あの子はイエデイ……と同じ魔族だ。急に攻撃してくるかもしれない」
「えぇ」
僕とミーアは慎重ネオの様子を見る。
「イエデイ? 知っているのか? あの第二隊のイエデイというアホは、交戦的な性格だからドラゴン碑石の封印を強化しようとするサレスの森を守らせているのじゃ。エリアスの侵攻作戦に参加されて街を破壊したら復興に時間がかかるからの」
(なるほど……そう言う事だったのか)
その後バルトさんが口を開く
「領主の俺もびっくりした。魔族侵攻といえば街を焼き払っていた所もあると聞いたが今回は違うらしい。俺も拘束されるかと思ったのだがそれもなく最初に発見して攻撃をした衛兵だけを捕まえて牢で反省させているようだ……。誰も死人は出ていない。俺もなんとかしようと思ったが、目の前にいるネオがその……なんか可愛くてな……ハハハ」
「領主バルトよ。次は我を背中にのせるのじゃ」
「いや……流石にそれは……」
「えー! なぜじゃ! さっきはあんなに我と楽しく遊んでくれたのに! お願い『パパ』!」
「!!?ぱ……パだと?」




