第39話 「大変です!魔族が可愛すぎます!」のじゃロリ魔族と領主の父②
「んまんま! おいしいのじゃ!」
(……え、誰?)
ミーアがそうつぶやいたとき。
ガタン
こっそり覗いていた自分の体の重心がずれどさっと食堂の中に倒れこむ。
「いたたた……」
「だ! 誰なのじゃ!我の食事にの邪魔をしにきたのか!」
うわ……最悪だ……全員見つかってしまった。
「あなた……だれ? ここは私達の屋敷なんだけど」
「ん? まだ屋敷に隠れているものがいたのか? 我は……かぶがぶ……魔王領第一隊長、武具のスキルを使う……ネオじゃ! ガブガブ…… そんなことより、このメイドさんが作るケーキは美味しいのじゃ! ありがとうなのじゃ!」
「お褒めいただき光栄です。ネオ様の食べてる姿が可愛くて……ぽっ」
なんと一人の魔族が食堂の椅子に腰をかけてご飯を食べていた。しかもメイドさんは美味しそうにケーキを食べている魔族の姿にメロメロだ。
たしかに無邪気で可愛らしい笑顔。これが……魔族なのか?
「 さすが資源が集まる街都エリアスじゃ! 美味しい食べ物が揃っているのじゃ。あ、そこのメイドさんおかわりなのじゃ!」
は、はい!」メイドさんは嬉しそうにケーキを運んでくる。
「ちょっと! メイ! あなた誰が主人か忘れたの? 無事でよかったけれども……」
さすがに呆れたのかミーアがメイドさんに口をだした。
「お嬢様、お帰りが早くて嬉しいです。実は私たち、緊急事態なのです。実は目の前にいる魔族のネオ様が可愛すぎます。このままじゃこの屋敷は占領されてしまいます」
ネオは満面の笑みで再びケーキを食べ始める。それにしてもなんてかわいらしい笑顔なんだ。
「もぐもぐ……貴様らもどうじゃ?」
なんとなく敵意はなさそうだけど、一応念のため、慎重に聞いてみよう。
「えっ……と? ネオ……ちゃんはどうしてエリアスへ?」
「こら! 我は68歳児じゃ! お主らより遥かに生きている時間が長いのじゃ。もっと敬意を持って話すのじゃ!」
「えと……ネオ……さん?」
「堅苦しいからネオ構わないのじゃ!」
ネオと名乗る魔族は可愛い天使の様な甘い声で僕たちに話しかける……確かに可愛くて蕩けそうだけ……
「俺と同い年だ……」
アルデインさんはぼそっと呟いた。
「こら! 我はお前と違って可愛いのじゃ! お前みたいな筋肉ムキムキのおっさんがどこにいるのじゃ! この筋肉変態!」
「え、筋肉変態……なんか凄く……良い!」
ずきゅううううん!
アルデインさんがネオの可愛さに堕ちてしまったのか、筋肉変態と言われたのが嬉しかったのかは謎だが、完全に敵意を忘れてポカーンと立ち尽くしている。
「アルディンさん! 筋肉変態は褒め言葉じゃないですよ……もう、ネオ! さっきの続きは? どうしてここに!?」
「あーすまんすまん」
ネオは食べていたケーキをごっくんと飲み込んだ後、テーブルの上にある水をコップ一杯全部飲み口を開いた。




