3話 いきなりホームレス??異世界転生でハレーム期待したけどまずお金がないよね? ②
こんにちは!という言葉が異世界では世界を救う奇跡の呪文だった。主人公はそのことをまだ知りません。
ーアリアス 宿屋バレンティアー
「ん? どうされましたか? 」
ティーナさんは不思議そうな顔で僕を見つめる。
(こうなりゃ同情を買う作戦だ! これで値引きしてくれるかな?)
「えっと……ティーナさん。素敵な条件でぜひ泊まらせて欲しいのですが、実は先程具合の悪そうな老人に看病のためお金を使ってしまい残りこれだけしかないんです」
僕は銅貨を4枚見せた。
「あら、それは凄く良い事だと思いますよ」
ティーナさんはにっこりしてくれた。
「でもこちらも商売です。ちゃんとお金を用意してから来てくださいね。そうしないとこのホテルの支配人に怒られてしまうもの。受付は時計塔の鐘が5回なるまでに来てもらえれば大丈夫よ。今が鐘2回だから後3回なるまでに来てね。」
やっぱりダメだったか……
「えっと……後払いは?」
「後払い? そんなものありませんよ! うちはもっぱら現金主義です。」
「は、はい」
「ちなみに銅貨なんて小銭はここでは使えないから、銀貨5枚もしくは閃貨1枚で持ってきてね。」
そう言われてらともうどうしようもない。僕は宿屋バレンティアから外にでた。
ーアリアス 中央 バレンティア外ー
「銀貨5枚かぁ………」
ティーナさんに言われたものの、
実際お金を用意なんてすぐできないしどうしたものか。
しかも銀貨5枚・・・4500円相当のお金を3時間以内にだ。
このままでは本当に野宿をする羽目になってしまう。
僕はまたアリアスの街をを散策し始める。
「アイアイ〜やるさ〜掘るさー! あんちゃん! 僕とくじ引き勝負をせんかねぇ! 確率は30分の1! この紐の中で当たり紐を引いたら!なんと銀貨1枚をプレゼントだ! 費用は1回銅貨1枚だ! イカサマ無しの真剣勝負! 運試しよろし !」
しばらく歩くと屋台近くの影にいた1人の男に声をかけられた。