20話「お花が好きな女の子は嫌いじゃないけど苦手です」⑦
【初見の方へ】
閲覧ありがとうございます!
日本語のこんにちはという言葉はもしかしたら違う国では違う意味だったら、なんか面白いなと思いまして執筆した次第であります!!!
面白いと思ったらコメント等頂けるとすごーく喜びます!
注意:[ ]で囲まれたセリフはボソボソ声です。主人公には一切聞こえません。
ーエリアス ヴエイストハルト卿 屋敷 客人用寝室にてー
……ここは?
【MPがゼロになりました】
女性の機械的な声が聞こえた後、
僕は急に体の力が抜け動けなくなった。
その為屋敷の護衛とメイドさんに寝室まで運んでもらい休ませてもらうことになった。
そして今は一人で寝室のベットに横になっている。
でもなんとも不思議な気持ちだ…。
身体は疲れはしているが意識がはっきりしている。
こんな状態なんだから眠ろうにも眠れない。
ゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン
部屋の外から街の鐘が7回なったのが聞こえた。
『鐘8回以降は外出禁止です。』
アリアスにあったホテルバレンティアのティーナさんの言葉を思い出した。
この鐘が8回以上なるとそれ以降は外出するのは禁止されているらしい。
「あと一回か…。」
もし鐘8回以降の時間、外で衛兵に見つかると捕まってしまうとかいってたな……
ホテルバレンティアでは内鍵をかけていたな。という事は必然的にこの街では夜間外出を歩している人衛兵以外きなくなる。
きっと何か理由があるんだろうな…。
そう思いながらベットの上の天井を眺めていた…
…………。
意識がはっきりしている分眠れないので、眠れもしない。
退屈だから天井の上のシミの数でも数えるか…。
1…2…3…
コンコン
扉を叩く音がした。
(ん?だれだろ?)
ギィー
音がして入ってきたのはミーアだった。
「失礼します。サン…。大丈夫ですか?」
ミーアは心配そうな顔で僕に質問をした。
そんな不安そうな顔もちょっと可愛い。
「あ、うん……大丈夫だよ。少し疲れてしまっただけだよ。」
「意識、ハッキリしているんですか? 残念」
「あれ? なんか言った? 今は身体に力が入らないんだけで意識ははっきりしているよ」
「い…いえ…。なんにも。」
ミーアはなんだか残念そう?
スタスタ
ミーアは僕のベットの横の椅子に座った。
「それにしても、ごめんね。急に倒れてしまって…。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それに今日はもう鐘が7回なったので、アリアスまで帰るのは不可能です。なので泊まって行ってくださいな。」
ミーアがニコッとこちらを見つめてはにかんだ。
「え、いいの!?ありがとう!ミーア、優しいね!」
「い…いえいえ!私はサンのお役に立てて嬉しいです!」
ミーアの顔が赤くなり、本当に嬉しそそうだ。
「私……頼りにされてる……嬉しい!」
ニギニギ
「サンの手……あったかい……」
「えっ……」
ミーアは僕の手をニギニギし始めた。
現状僕は疲労感で体の感覚はほぼ無いのでないので僕は触られてる感じはしないけどね。
「サン…奇跡の呪文…コルデイントフルハ…でしたっけ?奇跡の呪文を唱えられるなんて…さすがです。」
(こんにちは……ね。)
そう……まさかこの言葉が奇跡の呪文だったとは。
ニギニギ
(これくらいの大きさで…,…)
ニギニギ
(サラサラしてる……)
ミーアはなんかボソボソ言いながら、ずっとニギニギしている,
全然聞き取れないが害は無さそうなので、僕は再び天井の方を向いた。
【こんにちは】
実はこれがこの世界では奇跡の呪文だったようだ。
結局あの時ティーナさんやバルトさんの言った通り、アリアスのリンゴはただのリンゴだったわけだ。
『おい!にいちゃん!一個食ってくか?ここアリアス、この町でできた1番のリンゴだ!精がつくぞ!1つ100ラゼンだぜ!』
転生直後にあったアリアスの店主の言葉を過大評価しすぎたみたいだ…でもちょっと残念。
そういえばアリアスのリンゴをミーアに渡す前にこの奇跡の呪文を話した気がする…
ーーーーーー回想ーーーーー
『こんにちは、おじいさん。こんな所でどうしたんだい?もし良かったらこのリンゴを1つあげるよ。』
『こんにちは。貴族の方とお見受け致します。私サンという者です。奇跡の果実かどうかわかりませんが、これを食べれば娘さんを助ける事ができるかもしれません。是非こちらを食べてください。』
ーーーーーーーーーーーーーー
乞食の老人のアルデインの時も、ゴブリン病のミーアの時もこの言葉を何気なく使っていた。
共通点として体調の優れない方が急激に回復した。ということはこの奇跡の呪文の本質は回復魔法なのか?
転生前の【こんにちは】という僕らが当たり前のように使っている挨拶で、困っている人を助けられるなんて…少し面白いな…。
ーーーー妄想ーーーーー
これが前の世界だったら?
ーその1ー
学校の校門前にて
『先生こんにちはー!』
校長先生(60歳)
「フォッフォッ、元気があって良いのぉ。校長先生がな…若い頃はな…』
ピカ!
ムッキムキで若返る(アルデインのように)!
「こんな感じだったんじゃよ!ムッキムキポーズ!」
生徒「………。(真顔)」
ーその2ー
病院にて診察時
先生「こんにちは、今日は体調大丈夫ですか?」
ピカ!
「ゴホッゴホ。先生何おっしゃっているんです。わたしゃ余命3ヶ月なんですよ。」
「そんな良体調がいい時なんて…」
ピカ!
「ある!あるぞぉ!!!(ミーアのように)」
先生「………。」
ーーーーーーーーー
ちょっと面白いかもしれない。
もう少し時間がある時にまた考えてみよう。
……それともうひとつ気になった事がある。
『MPがゼロになりました。』
奇跡の呪文を一定数使うと僕の頭の中に謎の女性の声が直接聴こえてくる。
MP……つまりマジックポイントの事だろう。
僕は知らぬ間にこの奇跡の呪文を唱えてしまいMPを消費してしまったんだな。
おそらく僕のこの状態から今のMPはゼロだ。
今の僕のMPの上限ってどうやって確認するんだろう……
ニギニギ
それよりだ…。
ミーアがずっと僕の手をニギニギする事を止める気配がない。
(サンの手あたたかい)
ミーアがなんか言ってるけど、ボソボソ超えで何にも聞こえない。
金髪の可愛い女の子に手をニギニギされるのは悪くないです。
今は感覚が無いのが残念だけど。
コンコン
ドアのノックする音がした。
ガチャ
バルトさんが部屋に入って来た。
「あっ!」
ミーアは急いで触っていたスッ!と手を引っ込めた。
(お父様……タイミング悪すぎです……)
彼女はまた何かボソボソ言っていた。




