表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/49

1話 始まりの誤解。

「こんにちは」という言葉が奇跡の呪文で魔王を倒します。

異世界転生物語!そういう話があっても良いよね!!ご意見ください!


※主人公【サン】はこんにちはという言葉が奇跡の呪文だとは知りません!

勘違いをしているサンの視点と、第三者視点で読んで頂くと面白いですよー!



「「「「こんにちは」」」」


この言葉は日本で最も使われる挨拶だ。


だが国が違えば挨拶の言葉も異なる。

それが「ハロー」だったり「ニーハオ」だったり……


でもまさか!


異世界転生したこの世界で


「こんにちは」


この言葉が世界を救う奇跡の呪文だったとは……






ーーー異世界転生を始めますか?ーーー



YES←

NO


サン

Lv:1

HP100/100

MP100/100


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


挿絵(By みてみん)


「…………」


「こ、ここは」

僕は目を覚ました。どうやら眠っていたらしい。

目の前に見えているのはざっと見ても30m以上はある大きな木だ。


僕は体を起こし立ち上がると辺りを見渡す。

僕が立っているのは緑の芝の上で見えたのは白い彫刻がされた大きな噴水だ。


いつもの新橋駅の見慣れた市街地ではない。

石レンガで建物が作られている様子を見れば、どちらかと言うと中世のヨーロッパに近い。


鼻に抜けるにおいも何というか、土や草のにおいが混ざっているよう……

修学旅行で京都に行ったとき、もしくはおばあちゃんの家に行った時の匂いを思い出す。

本当は僕は山田健斗という名前だった。

しかしいろいろ訳があってサンという名前で異世界に転生してしまったみたいだ。

「転生前の自分より現状把握が先だよな……」


服装もいつも来ていたスーツではない。

服の生地は荒く紐でつぎはぎがされている。

正直めちゃくちゃボロい。どうしてこんなにもボロボロなのか……


「こんな服装この世界の人たちだって着ないって……とりあえず初期装備を確認っと。」



ゴソゴソ

僕は自分のカバンに何が入っているか確認する。




おっ。

カバンには小さなナイフとみたこともない硬貨が5枚入っていた。

ナイフは包丁くらいの30cmくらいの大きさで、持ち手は黒くよくわからない象形文字模様をしていた。ナイフの刃先は何かの動物の皮でしっかりと保護されている。

硬貨の大きさは500円玉くらいだが、素材は10円玉と同じ様に銅で出来ているみたいだ。しかし表には女性の顔が、裏には花の模様が描かれており特にお金を表す金額は書かれていない。


(初期装備これだけって手薄すぎないか? それに僕はこれからどこに向かえば良いんだろう……)


僕は初めて見る景色を見渡しながら、街の中を散策するために人の賑わいがある場所に向かい歩いた。

「何か現状把握する何かあれば……」


ー街都 アリアス 屋台通りー

挿絵(By みてみん)

街の中は小さな屋台でいっぱいだ、リンゴ、ブドウ、オレンジ等フルーツのいい匂いが鼻を抜ける。向こうでは何かの肉を焼いて売っている。(動物の肉だったらいいんだけど……)


「おい! にいちゃん! 1個食ってくか? ここアリアスの町でできた今季1番のリンゴだ! 食べたら精がつくぞ! 1つ100ラゼンだぜ! 」


異世界でも屋台は賑やかだなぁ

いきなりリンゴ屋の店主に声をかけられた。とりあえず口に何か入れておきたいしお金の価値も知っておきたい。


「あっ、すみません。これで足りますか? 」


日本語は通じるらしい。

僕はポッケにある500円玉サイズの銅の硬貨を1枚店の店主に見せた。


「あ? にいちゃん、3つ分って事かい? ありがとさん! 」

そう言って店主は僕に3つのリンゴを渡した。


なるほど……

前の世界でリンゴが1つ100円と換算すると100ラゼンは銅貨1枚で300円分位の価値があるんだ。この事が分かっただけでも大きな収穫だ。


シャリシャリ


異世界転生で初めて口にするものがよく知っているもので良かった。

変な魔物の肉なんていきなりハードすぎる……


シャリシャリ


僕は貰ったリンゴのうち2つを持っていたカバンの中に、1つを手に取り食べ始めた。


美味しい!!

みずみずしくて!!

甘酸っぱくて!!

このシャリシャリ感が堪らない!!!


僕はリンゴを1つ夢中になって食べた。

あー! おいしかった!!

残りのリンゴも食べたいけどこの先何があるか分からないし一応取っとくか。





さて、この世界はどう言う世界なのか

これから解き明かしていこう。

もしかしたら異世界ハーレムかも知れないし、王様になるかも知れないし!

凄い能力を持っているのかも知れないぞ!


クンクン

 クンクン

おいしそうな匂いが鼻を抜ける……


それにしても色んなお店があるなぁ。

僕は匂いにつられてしまってお金を無駄遣いしない様に早足で屋台の並びを進んだ。



「ん? ここは?」

誘惑に負けず屋台の長い列を超えた先で

僕は薄暗い路地を見つけた。

(昼なのにこんなに暗いんだ……)


挿絵(By みてみん)

眼を凝らすとそこに1人高齢の乞食がうずくまっているのが見えた。

身体は酷く痩せており、骨は触っただけで粉々になってしまいそうだ。

整ってない白い髭は恐ろしく伸びており、不気味さを感じた。


「食べ物……」


「くれぃ……」


(ひえっ)

この世界に来ていきなりすごい光景をみてしまった。

おじいさんはもう何日も食べていないのか?

なんというかもう死にそうだぞ。

しかもこんな目立たない路地で乞食をしてたら誰にも気付いて貰えないじゃあないか。

僕はなんとも不思議な気持ちになった。


そう思いふとカバンを見てみると、2つのリンゴが入っている。

先程の屋台で買ったリンゴだ。

仕方ない。1つ分けてあげよう。


「こんにちは、おじいさん。こんな所でどうしたんだい? もし良かったらこのリンゴを1つあげるよ。」

そう言って僕はリンゴを1口くらいの大きさに切っておじいさんに食べさせてあげた。


「おお、これはアリアスのリンゴ。精がでるのぉ。美味しいのぉ。ありがとなぼうや。」

おじいさんはリンゴを美味しそうに食べてくれた。



その時!


ピカ!

おじいさんの体が青白く光りはじめた。

「な……なにが起こってるんだ!?」


シュワ〜


なんと

おじいさんの身体は異常な程にムキムキになり、先ほどまでボロボロの服も綺麗に仕立なおされている。

というかおじいさんじゃなくておじさん位まで若返っているんだけど!!!

そして先程の弱々しい声と比較して低く太い声がした。

恐ろしく伸びた髭は綺麗に整い、ダンディな感じになりました。


「ぼうやありがとう。この御恩は忘れねえ。この身体になれば職にだってありつける。力が湧いてくる感じだ。お前の名前を教えてくれ。」


いや……だれだよ?

全然違うじゃん。

おじいさんがリンゴを食べてこんなに強そうな人に変わるなんて聞いてないぞ。


その時1つの会話を思い出した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『おい!にいちゃん!一個食ってくか? ここアリアス、この町でできた今季1番のリンゴだ!食べたら精がつくぞ!1つ100ラゼンだぜ!』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


精がつく?

てことはこのリンゴにそんなパワーが???

このリンゴすげ〜〜〜!

僕が食べた時には何も効果は無いけども、

身体が弱っている人に対してはこんな凄い効果があるなんて!!

残り1つのアリアスのリンゴは大事に取っておこう。


「僕の名前はサンと言います」


「サンか、俺はアルデインだ。俺はいつも[カタロス]という酒屋にいる。今度飯でも奢ってやるよ! もし困っていたらいつでも声をかけてくれ。じゃあな!」

そういうと先程の乞食……いやおじさんは屋台の向こうのほうへ走って行った。


というか元気になりすぎてやばいなこのリンゴ。

なにか怪しい薬でも入っているのかな?


「疲れた…」

色々ありすぎて

何がどうなっているか分からない。

取り敢えず宿を探そう……


こうして僕は残り1つのアリアスのリンゴを大事にカバンの中に入れ街を再び散策しはじめた。




だがしかし、僕が大きな誤解に気付くのはまだまだずっと先のことだった。


ーーー異世界転生を続けますか?ーーー



YES←

NO


サン

lv:1

HP100/100

MP50/100


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー後書きー

閲覧頂きありがとうございます!

日本語のこんにちはという言葉はもしかしたら違う国では違う意味だったら、なんか面白いなと思いまして執筆した次第であります!!!


書き溜めたストックを小出しに出していきます!

今の所は頑張って毎日投稿できてます笑


コメントやブックマーク等頂けるとかなーり!嬉しいのでよろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 凄いリンゴですね!何だか普通のリンゴでいいので食べたくなってきました。写真付きでイメージも浮かびやすいし、いいですね!
2021/10/17 02:21 退会済み
管理
[一言] おもしろいです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ