11話「ざまぁ!異世界転生してハーレム生活したかったのに助けたのはゴブリンでした。」③
ーーー前回のあらすじーーー
「こんにちは。サンという者です。是非こちらを食べてください。」
[MPがゼロになりました]
ん?何の声だ?頭の中に謎の女性の声が響く。
「おお、ありがたい。奇跡の果実グルームを持っているのか!!ヴエイストハルトの家名をかけてお礼をさせて頂く!!」
僕はポケットの中から1つのリンゴを貴族の男に差し出した。
「……良い加減にしろ!!」
すると貴族の顔が真っ赤になり激昂した声で怒鳴りつける。
「そんなリンゴがグルームなわけないだろう。過度な期待させやがって!!!」
「えっ?」
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……なんでだ?
怒っているぞ。
これはアリアスのリンゴなのに。
乞食のお爺さんはこれを食べてムキムキになったんだよ。
男は怒声を続ける。
「お前には失望した! ミーアがもし死んだ後、末代まで罪を償わせてやるぅ!」
……もしかして知らないのかな???
教えてあげなければ。
「大丈夫です。一口食べさせてみてください。」僕は落ち着いた声で貴族の男に声かける。
「はあ?何言っている。リンゴはリンゴだ。ふざけている時間はないんだぞ!奇跡の果実グルームではない!ミーアは今死にそうなんだぞ。ほれ見てみぃ!」
ミーアと言うゴブリン病の娘は4m近くに膨らみかけて破裂しそうだ。
匂いもかなりキツくなっている。
「ヴェ……ヴェとう……様」
大きなゴブリンから低く太い声がした。
「おぉ〜ミーア!喋れるのか!?」
貴族の男が泣きながら駆け寄る。
「ゴレ。。。ザチゴ……ダベだぃ。」
そのゴブリン病の患者は最後の力を振り絞り声をかける。
「ミーア?こ、これが食べたいのか?」
そのゴブリン…生物は僕の方に首を向け口を開いた。
「おい!お前!幸か不幸か…娘のミーアは最後にそのリンゴを食べたいらしい。巨大化に耐えられなくなり心臓が潰れてしまう前に食べさせてあげてくれ。」
「わ、わかりました。」
僕はゴブリン病の娘の大きな口に放り込む。
ガジガジ
「オ……おイジ。い」
「うぅ。救えなくてすまん。最後にこのリンゴを食べて逝ってくれ………ん??」
ピカ!!!
何とゴブリン病の娘の身体が青白く光出した!
「な、なにが起こっているんだ?」
男は驚いているようだ。
「なんなんだこれは。。。」
「このリンゴは特別なリンゴです。健常者が食べると特に何も起こりませんが、弱っている人がいると精がつくみたいです。先程弱っている乞食の老人に食べさせたところ筋肉ムキムキのお兄さんになりました。だから娘さんにも食べてもらいました。ほらみてください!
シュウ〜
膨らんだるも絶えないほどグロテスクな緑色の液体がボロボロと流れながらしぼみ始める。
「お…おう…これは…。」
そしてその液体が地面へ染み込み始めた頃、中から1人の女の子がでてきた。
「ん………私………」
女の子は先程の低い声から、
綺麗な女性の声に変わった。
「おお…ミーア!ミーア!奇病ゴブリン病から回復したぞ!!」
次回投稿は27日8時を予定しております!!!
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