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8話 初めての利益。。

8話 初めての利益。。


俺はテレビのニュースを見ていた。

世間が営業自粛要請の中、開店しているパチンコ屋。

そこに殺到する客。

俺はテレビを見ながら、

『俺もあそこにいたのかもしれない』

と思っていた。

『まさしく地獄の住人だ…』

パチンコ屋に行かなくなって、4ヶ月が経とうとしていた。


株デビュー。

俺は投資信託を諦めた訳ではない。

というか、投資のジャンルにこだわりはない。

『株でトレードするのが楽しい。』

『銘柄を見つけるのが楽しい。』

なんて思いは何もない。

トレードなんてめんどくさいし、銘柄を探すのも面倒だ。

めんどくさがり屋。

恐らく、一通り株を始めてめんどくさくなって超楽な投資信託でもやっている事だろう。

それでも一応資産運用をしている事になるから、何か投資をしなきゃ…と焦る事はないだろうし。…


『億り人』。

聞き慣れないワードを目にした。

億り人?億…。

薄々は分かった。

株で億まで増やした人の事を『億り人』というらしい。

『そこまでイメージできなかった…億か…』

しかし所詮元手は100万円。

いや…95万円だ。

そこからの億を稼ぐなんて意気込むのは、ガキの考えだろう。


10%だ。

先ずは95000円…いや10万円を目指す。

これができなきゃ話しにならない。

と、漠然と『億り人』のワードを見て感じた。


さて、1万円で買った投資信託だがやはりこちらもやめるつもりはなかった。5つの商品を2万ずつ。計10万円。

これを2ヶ月経ったらどうなっているか実践してみる事にした。

その際、『日本株関係のは買わない』事に決めた。

『日本株は本物で、世界株は投資信託。これなら俺を馬鹿にした連中も頭がいい。と思うだろう。』

本当はトヨタグループだけのファンド商品が買いたかった。が、例の後輩にその事を話したら鼻で笑われた。

「そんな大手なんて株の邪道ですよ。僕は新興狙いっすから。」

またまたカチンときた。

ここで俺の中に『大手』がインプットされる。

『いつか大手の株で稼いでやろうやないか!今は無理でも大手で稼いで新興が暴落した時に鼻で笑ってやるわ!』

と訳の分からないリベンジセリフを思い浮かんだ。

この、『株と投資信託』。『日本と世界』。これはある意味とても重要な事をこの時から考えている事になる。

いわゆる、『分散投資』だ。

一つのジャンルだけに投資すると、下落した時に一緒に共倒れになる。そうゆう事にならない為に株と他の投資モノに投資するのが基本らしい。

しかし当然ながらこの時は『分散投資』なんて言葉を知る由もない。


ソフトバンクグループの株は20000円だけ買ってみた。

単価が4600円なので数量としては微々たるものだ。

しかしそれでもいい。

先ずは買ってみる事が大事だ。


買う時に『特定口座』という文字を押した。

どうやらここでニーサ口座と区別するらしい。

「あー、そうゆう事か。特定口座で買ったのは税金が取られて、ニーサ口座で買ったのは税金免除って事ね。その買付け限度額が120万って事か。」

俺はやっとニーサ口座を理解した。


それからいくつも銘柄をピックアップしてみる。

『ワークマン』、『Zホールディング』、『良品計画』

みな名の通った会社だ。

特に驚いたのが『ワークマン』だ。

「1株8000円もするのか、、こんなに高いと数が買えないな…」

そこで一つの銘柄に目が止まる。

『JBR』。

1株600円台。コロナで400円台に落ちたが一時期は1400円を超えていた銘柄だ。

「これもコロナで落ちて戻る途中か…」

俺は『JBR』を90000円購入する事に決めた。

大きな決め手になったのが、価格はもちろんだが本社の所在地が同じ地元だったからだ。

何か情報が入りやすいかもしれない。

そして試しに『ワークマン』を20000円。

『良品計画』を10000円。

一気に3銘柄増やした。

これで持株は4銘柄だ。

いよいよ俺も投資家か。


この頃、もしもっと経験があれば大きくドンと買っていただろう。

コロナ大暴落の3月から明らかに上昇だ。

しかし、この素人の人間にはそんな事も分からない。

とにかく試しに、試しに…で株を買っているだけだ。


だが、まだ運がいい。

少しでもこの時期に買えたのだから。

そして、この4銘柄全て利益を出す事となった。

しかも2週間で。


この経験が後に大きな大事故を起こす事をこの頃はまだ知らない。

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