49話 ホッとした自分と巨大な怪物。。
49話 ホッとした自分と巨大な怪物。。
『持ち株買い』。
皆さんは自分の会社の株を買っているだろうか。
もちろん、上場していなければ買う事はできないから買えない人もいるだろう。こればかりはどうしようもない。高卒で転職組の俺はそんな上場会社に就職なんてムシがよろしい話だ。
だが…。
本当にたまたまだが、俺の勤務している会社は親会社が上場していた。
もちろんそれは知っていて入社してから15年経つのだが、この上場企業のグループ会社に勤務というのは全くの偶然。棚からぼた餅であった。
それは、『自社の株を買える』事ができるのに他ならない。
俺は給料天引きが嫌だった。そんなお金があるならパチンコに行きたかったからだ。
だが、今はパチンコには行ってはいない。
投資に目覚めたからだが、それでも持ち株買いはしていなかった。
それは何故か?
金、ゴールドの実物を買っているからだ。
購入をし始めて約2年経とうとしているが、毎月購入とボーナス払いでちょこちょこ買っている。金は30万円程買って現在4万円の含み益だ。
これは300万円買っておけば40万円の利益になっていた事になる。
ちなみに、銀、シルバーと白金、プラチナは購入は辞めて金ゴールドの一点集中にした。
銀はマイナス。プラチナは何千円の利益。
2年経った結果、金が一番良かった。
ので、ここからが本番。金の一点集中に変える。
つまり…俺は金を買っているから持ち株買いはしていなかった。
だが…。
よくよく聞くと持ち株はかなり旨みがある。会社が15%奨励金として余分に買い付けてくれるらしい。
6000円天引き購入で6900円の買い付け。
!?
マジ??
じゃあボーナス払いも含めて年間50万円購入したら、75000円くれるというのか?
いや、くれるわけではないが…、余分に買い付けてくれるのなら同じことだ。
これを10年やれば、500万円で75万円。親会社の株価がもし倍になっていたら…。1000万円以上に150万円。
つまり…、、
500万円を自分の会社の株を買っておけば、650万円増える可能性がある!
俺は親会社を調べてみた。
会社の名前を載せる訳にはいかないが…、、
なるほど…。
超優良企業には間違いない。
将来性でも文句はない。頭打ちの業界ではないからだ。
これは本当に倍になる可能性はある。
年間50万円も買うかは置いておいて、俺は早速総務に電話をして申し込んだ。
となると、今のトレードだ。
なんかやればやるほど減っていく…。
いや、当然俺が下手だからだが…。
反撃開始だ!と言ったものの7月はパッとしない。
プラス5万円の利益で終えた。
総評的には中々良いトレードだったが、やはり先物は一つ間違えると大火傷になる。
日経平均の先物で2回やらかした。この2回の負けが大きく、20万円以上利益が出てもいい所たったの5万円だ。
本当にしつこいアメリカの景気懸念。
だが7月末になると潮目が変わって、日経平均はあがろうとしている。
ジワジワと。
やっと上がり始めた時に限って、俺は売りで買っている。
今は大きな含み損だ。
CFDでも日経平均先物でも、言える事はただ一つ。
バーゲンハンターに尽きる。
だが今更だが、先物は売りで入るのは辞めた方が良さそうだ。
言い換えると、爆上がりしても下がったら利益の売り方で買う事はダメだ。
それは何故か?
どうやら日経平均モノやCFDの大型株は上がろうとする。
確かにアメリカ次第で下がる。だが止まるのだ。で、上がろうとする。
少しいい材料が出たら上がろうとする。
つまり、日本株は割安なのだ。
海外機関に売り仕かけでやられる事もあるだろう。
だが、それこそ買い時。
結局は安い時に買うしかないのだ。
一歩間違えると大損。
やはり先物メインはキツイ事がわかった。
となるとアメリカ株だが、配当はスズメの涙。
資産がないのに買っても仕方がない。
長期で通帳に貯金するより断然いいのは間違いない。
だが、俺は大きく利益を出したいのだ。
短期向きには不向き。
となると…。
やはり現物だ。
先月はQDレーザーとアウンコンサルティングで少額だが利益を出した。
今月はパチンコ版権メーカーのフィールズとメディアリンクで利益を出した。
もちろん先物がメインだったので少額だが…。
今年は損益通算で先物メインにしようかと思って半年。
結果は一進一退だ。
これは経験を重ねれば改善するとかの問題ではない。
勝率は7割は超える。だが、負けが大きい。
きっと先物はずっとこんな調子なのだろう。これではどうにもならない。
『現物に戻るか…』。
この先物の経験は無駄ではないはずだ。
いや先物はバーゲンハンターで暴落した時だけ買えばいい。
『現物か…』。
俺はシュミレーションをしてみた。
日経平均の先物をやっていたお陰で夜中のアメリカの動向は、普通に気になるようになっていた。
そうなると次の日の朝から大体の動きは自然と予測できるようになっていた。
そこに…。
現物をもし買うとしたら…のシュミレーション。
先ずはチャートだ。下降トレンドか上昇トレンドか。
はたまた横ばいか。
一番ダメなのは高値掴み。ジャンピングキャッチ。今までの経験上、順張りは俺にはいい事はない。
だが下がっているのを買っても仕方がない。上がらないから塩漬け。
今ならBASEとかオリコンとか。
とりあえず25日平均から少し下ぐらいを見つけ、そのチャートがやや右に上がっているのを狙う。
要は上昇トレンドの入り口を探す。
だが、そこから下がる事もあるだろう。
そこで決算を見てみる。前期決算の売上が見込みよりも上方ならばとりあえずOK。利益も出ているならまあOK。赤字は基本買わない。だが赤字でも次に上方見込みが出ているのはいいだろう。
次に業務内容。これは人それぞれだがこの先伸びそうな業界ならばOK。
少し前ならEV関連やメタバース。その前なら半導体関連やDX関連。
自分に興味のある業界でもいいだろう。
そして、ここが肝心だが信用倍率だ。
買い残が多いのはダメ。どこかで売り爆弾が降ってくる。
時価総額は300億とか狙うといいとかよく聞くがそこはあまり気にしない。テンバガーを狙う訳ではないからだ。
あまり低いと全然動かない事もある。長期で将来的に見込めそうならいいだろうが、俺は短期、中期で利益を出していきたい。
なので、時価総額の低いのは意識はするがあまり気にしない。
まとめると…。
①朝イチにアメリカの動向をチェック。
②25日線を少し下でチャートがやや上向きを狙う。
③上昇トレンドの順張りや高値掴み、ジャンピングキャッチはしない。
④決算で赤字なのは買わない。
⑤業務内容で見込みがあるか、興味があるか。
⑥買い残が多いのはダメ。
先月から現物は少し買ってはみたが、これを意識していた。
そうしたら4銘柄とも利益だった。
先物は魅力だから完全には辞めないが、失敗した時のリスクがある。
上手く利用するだけでいい。
……。
ちなみに俺が買っていたフィールズは8月にストップ高までいき、2年前に初の投資の失敗をくらったテラは破産して上場廃止になる。
現物に戻ろうと思った時の俺の心境は、どこかでホッとしている自分がいる反面、株を操作している巨大な怪物にのみこまれる恐怖を感じていた。
地獄の住人が巨大な怪物に挑む。
『バカバカしい。漫画じゃあるまいし…』。
俺は心の中でそう呟いた。




