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44話 夜中にふと目覚める理由。。

44話 夜中にふと目覚める理由。。


『ギリギリ間に合ったのか…。』

俺は夜中になると一度はふと目が覚めるようになっていた…。

それは悪夢を見て目覚めるのか。

まだその答えは見いだせない…。


……。

2022年2月の終わり。S君からメールが来た。購入していたカラダノート オリコン CAICAが軒並み大幅アップしたとの事だ。

3銘柄とも利確を勧めた。

30万円程の利益になるそうだ。

利確の失敗は俺も嫌と言うほど思い知っていた。


『あの時利確をしていれば…。』


だがもうこの言葉はあまり意味がない。

株をしている以上全てがうまくいくわけないのだから。

だが、S君はオリコンだけを利確をした。

後の2銘柄は持っておくと。

俺の経験はS君には伝わらなかった。

だが、現物でもしっかり利益を出しているS君。俺もやはり現物で…と一瞬そんな考えがよぎったがすぐに消した。

「現物はもっと利益が出てからで良い。何なら長期で見るアメリカ株の配当狙いも今はいい。今はレバレッジをかけて勝負にいく」

と強気につぶやいた。


俺は必殺技の『先物』の少額トレードで順調に利確していた。

デイトレの類いだろう。

毎日買っては売っての繰り返しで月に約3万円の利益だ。

ショボいかもだが大きく買ってはいないから仕方がなかった。

やはり先物は怖い。

慣れるまでは少額トレードで充分だ。

そしてCFDではずっと600円台で踏ん張っていた日産が下がった。売り建てで買ってた俺は利益になる。

10万円の利益が出た。

「何とか利益は出たな。これで3月は勝負に行ける!」

俺は利益獲得のイメージができた。

なぜならば、3月は配当権利が多い月だ。

俺はCFDで狙いを定めていたトヨタを大きく買い足していこうと思っていた。

CFDは配当権利を得るとすぐに分配される。ので3月はトヨタだけ買っておけば何もトレードしなくても利益は確定だ。

プラス先物で利益が出たら利確してまた買っては利確をして…を繰り返せば少額だが利益にはなる。

そうなるともうアレはいらないか。

そう現物のアレ。

日鍛バルブだ。

一向に上がらない。

俺は資金確保の為に損切りをした。

マイナス10万円。

本当はもう損切りなんてしたくはなかった。

だが最後だ。大きな損切りはこれで最後。

とにかく資金を集めて、3月は利益を出す。

トヨタの買い一点集中でも構わなかった。


だが…。

だがそうはいかない。

歴史上刻まれる事になる大事件が起きる。

俺はこのタイミングをどう捉えるか迷っていた。一体神様は俺を金持ちにさせたくないのか。はたまたその逆か…。

判断に迷う所だが、これだけは言える。

要は結果。利益を出せれたかどうか。だ。

経験だとか、教訓だとかはもういい。

焦っている訳ではない。利益を出す仕組みを構築したのだ。

後は結果を出すだけだった。


2022年3月。ロシアがウクライナに攻撃をした。

ロシアのウクライナ侵攻だ。

エネルギーも高騰。

株価は一気に下がっていく。

日経平均は27000円台から一気に24000円台へ。

恐怖指数は35を超える。


大暴落。

2020年3月のコロナショック以来となる世界的な事件だ。


俺は日経平均先物を売り建てで買うのが基本スタイルだ。

だがあくまで基本。たまには買い建てで買うこともあるが、

売り建てで買っておけばこの大暴落は大きく利益を出せれた筈だ。

日本株は弱いので、上がった時に売りで買っておけば早々負けはない。

だが…。

日経平均が26500円の所では流石に判断ができない。

少し前までは29000円。それが落ちて27000円台。

これだけでも判断は難しい。

それが26500円を切ってしまえば、確実に下がる!とは判断が出来なかった。

結局俺は買わずに日経平均の先物は様子を見ていた。

するとそれが25000円さえも切る大暴落。

ギャンブルではないが…そう。ギャンブルではないがやはり買っておけば良かったと後悔する。


S&Pの方は買い建てで買っていた。

これはロシアが攻めるかどうかまだ分からない時に買っておいたのを利確出来ずに持っていたら、侵攻が始まり価格は下がりどうにもならなくなっていたからだ。俺はナンピンしながら様子見をしていた。

S&Pは夜中動く。

俺はこの先物を買うようになってから夜中に目覚める様になっていた。

夜中の3時から4時の間。

そして損益を確認する。

ある日、大きくマイナスになっていた。その額何とマイナス18万!

正直、5000円の利益でOKだったこの先物でマイナス18万円は想定外だ。

だが、追証がくるほどではなく俺は放置をする。

1週間後。その放置が功を奏して、夜中目覚めた時に確認したらほぼプラスマイナスゼロの時があった。寝ぼけナマコの俺はすぐさま手仕舞いをした。


そしてCFDだ。トヨタ以外は売りで買っていた。

Panasonic、良品計画。大きく値を下げる。

そんなに買ってはいなかったので少額だが利確。

トヨタはこの暴落に乗じて買いまくる。


俺はこの大事件でも大きく損はしていなかった。

そう。このトレードは有事の時でも強い事が証明された。

正直、現物やCFDの買い建てしかトレードしていなかったら大きく含み損が発生してお手上げ状態だったろう。


もう一つ誤算があった。嬉しい方だ。

どこかで手仕舞いするつもりのゴールド、プラチナ、シルバーだがこの危機に価格が高騰。株が下がればゴールドが上がる。この神話は本当だった。毎月購入で少額で買っているだけだが損益はプラス8万円になっていた。やはりここは持っておこうと思った。


俺はとりあえずこのウクライナ危機が収まるまでは大きく勝負にいくのはやめようと思った。

ほっといても今月は勝ちだ。

トヨタの配当権利金があるからだ。


『ギリギリ間に合ったのか…』

きっと神様はこの有事に備えるべく目先を変えさせたのだろう。


「あのおみくじか…」

俺はふと正月の初詣を思い出していた…。


ところでだ。俺にとってはまだ大事な事があった。

俺は昨年大きく損失を出した。憎っくき良品計画の100万円負けだ。

CFDで損を出した。と言う事は確定申告で損益通算をしなければならない。CFDは先物の雑収入にあたるらしく自分で税金の申告をしなければならないのが株の特定口座と違う所だ。

だが昨年はマイナス。収入の申告ではなく損の申告。つまりその損を今年に繰り越す事ができる。

100万円にかかる税金が免除。つまり利益に直結する。利益を得たのに税金がかからない魔法の申告だ。

今年は、先物だけで大きく利益を出したかったのでここは是非確定申告に行かなければならない。


休みの日。

俺はバスに乗り確定申告会場に向かった。

何しろサラリーマンなのであまりこうゆうのは慣れてはいない。

ネットで申告ができるそうだが、よく分からない。

「ぶらっとバスに乗って行くのも悪くないか…」

と思い勉強がてら会場に向かう。


会場に着くと朝イチだというのに人が並んでいた。どうやらコロナ対策で整理券を配っているらしい。

俺は事前に整理券を得ていたのでほとんど並ばずに会場入り。


そこで何の申告に来たか聞かれる。

俺は先物で損を出したので損益通算に来たと伝えると、5番の椅子に座らされホワイトボードに『5番株』と書かれた。

『ここで仕分けをしているのか…』

他にも番号と株と書かれた人が2人程いた。

チラッと見ると2人ともおっさんだった。

なぜか儲かっている様に見える。

俺もきっと莫大な利益を出して税金の相談に来たと思われているんだろうな…と思った。

5番が呼ばれた。俺だ。

30代ぐらいの係員に先物の損失を出した事を伝えた。

初年度かどうか聞かれ、パソコンの部屋に行くように促された。

またしばらく廊下で待たされ順番が来たのでパソコンの部屋に入っていく。

自分で操作するのだが、分からない事があれば手を上げれば担当が来て教えてくれる。

俺はある程度入力して係員を呼んだ。

先物の損失の入力はOK 。

後はサラリーマンの収入でもある源泉徴収票を渡して係員に入力してもらった。

最後に印刷されたモノをもらい終了。

その用紙にはしっかりとマイナスが入っていた。

「ふう…意外と簡単やったな。これで今年は思いっきりCFDで利益を出せる」

と帰りのバス停まで歩きながら呟いた。


臨機応変に指数先物でもCFD銘柄でも買っていく。売りでも買いでもタイミングを見計らって。いや基本は日本は売り建てだ。後は配当狙い銘柄がある月は集中的に買う。


サラリーマンには至極簡単なトレードで大きく利益を出す。

4月で丸2年。

3年目には大きく利益を出す準備は整った。


それでも、夜中になるとふと目が覚めるのが日常になっていた。

きっと安心感はないのだろう。

『悪夢の前兆にならなければ良いが…。』

と思う自分の考えを吹き消す。


『なぜなら、もう後戻りはできないのだから…。』


心の支えは、目先を変えると書かれたおみくじだ。

神頼み?

いや…今の時点で間違いなくいえる事は、このウクライナ危機でも大きな損失が出ていない事が救いだった。


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