表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/53

40話 目先を変えよ。。

40話 目先を変えよ。。


2022年1月。新年を迎えた。まだコロナのオミクロン株の脅威はそこまで来てはいない。が、じわじわと増え始めている。

俺が株を始めたのは2020年5月だ。コロナが始まり家にいる時間が長く、パチンコ依存から何とか抜け出したいとの思いで始めた投資。1年目のテーマは失敗してもいいからまずは実践。始めないと分からないからだ。2年目の今年はその失敗を活かして利益にこだわる。だった。

が、CFDの大きな損失でその思惑は大きく外れようとしていた。

「まだ5月まで4ヶ月あるじゃないか!その4ヶ月でプラス200万円出せばいいだけの事や。」

と、若者がよく言う根拠のない自信を言ってみる。意気込みだけは怖いモノ知らずの若者の考え方でもいいではないか…。


その根拠のない自信。そう根拠。

ない事はない。株トレードは夢のある投資でもある。億トレーダーは何人もいる。

どうやって億まで稼いだのかは知らない。基本他人に興味はない。

ではなぜ根拠があるのか…。


行動するしないは置いておいて、その『ない事はない根拠』を書いてみよう。

いわゆる怖いモノ知らずのイカレタトレード。

CFDのソフトバンクGに全財産突っ込む。売り建てで。

売買取引の多いソフトバンクGは値が大きく価格の上下も激しい。

今は間違いなく下降だ。底まで来ている気はするが、まだ下がる可能性はある。

それならば短期決戦で全財産下がる方で買って、すぐ売り捌く。

例えば、証拠金をよけておいて100万円買ったとしよう。レバレッジ5倍の500万の買い付け。

1株5000円として1000株。

これが500円下がれば、50万の利益。

良品計画でもいい。単価1700円を500万買えば2900株。

これが200円下がれば58万の利益。

これで一気に負け分は回収だ。


ふう。。

それは投資とは言わないだろうな。

博打だ。

堅実にいくか一気にいくか。

「うーん…中々決めれないわ。」

失敗したらジ・エンド。

しかし、上がらない日本の小型株ばかり狙っても勝ったり負けたりで1年終わる気がする。

……。。

何か秋頃からずっと同じ事を考えている。

CFDで稼ぎたいのは本音だ。やはり大きく利益が出る。

現物トレードだけでは小遣い稼ぎにしかならん。常勝なんて無理だし。

大きく利益を出すなら信用取引をしないとダメなんだろうな。きっと。

そういえば小型株に集中投資はS君が本を読んで教えてくれた。

資金の少ない100万円以下は1銘柄に集中投資をしろと。

それは共感はできる。が賛成はしない。

その1銘柄が中々上がらなかったら塩漬け状態。何もできなくなる。

俺はそれをするなら3銘柄集中投資法だな。

セクターの違う3銘柄を選んで集中的に買い集める。

堅実にいくならこれだ。

ならば、CFDと現物の3銘柄集中投資法の二つをやればええやん。

だがそうなると、結局は分散投資。下手な横好きになってしまうか…。


時は新年。

「気分転換に近くの神社でも行くか。」

俺は着替えて外に出た。そして神社まで歩き出した。

外は寒くもなくあったかくもなく、どんよりと晴れている。

少し遠目に見える橋を、小さいお子さん連れの家族3人が歩いている姿が見える。

初詣に行くのだろう。

「こうやってのんびり年始の昼間に外を歩くのも中々ええな。」

コロナ前、投資をする前ならばもちろんパチンコホールに入り浸りだ。

大晦日でも元旦でも三が日でも。

「なぜか大晦日は大勝ちするんだよな。確か大晦日に限っていえば毎年10万円以上買ってたわ。夜9時まで打って慌てて実家に帰ってたな。」

と歩きながらふと思い出す。

「しかし正月はあかん。ほんと勝てない…。なんか使ってはいけないお金まで注ぎ込んで半泣き状態だった時もあったな。」

基本年末年始のパチンコは出ない。出さなくてもお客が来るからだ。

「しかし、ほんとパチンコホールには行かなくなったな。まあ地獄の住人から片足は出た所かな。」

そう。抜け出してはいない。地獄から。

投資で成功して初めて地獄から生還したといえるのだ。

投資で成功…。

とりあえず、毎月勝ちを意識しながら負け分を早く取り返す。そして、200万が300万、300万が600万、600万が1000万。そこまでいって成功といえるか…。


とか考えている内に神社に着いた。

さほど大きくはない地元を守っている古き歴史ある神社だ。

人はそこまで多くはない。まばらというのが当てはまる。

少し長い階段を登る。

先程の3人家族がゆっくりと階段を登っている。お子さんはまだ5歳ぐらいだろうか…。

一生懸命登っている小さい子供に笑顔を向けて横を登る。

無邪気に俺の顔を見ていた。俺は階段の少し上から小さく手を振った。

『俺のようになるなよ…。か』

俺は小さく呟いた。それは子供の頃に聞いた親父の言葉だった。


階段を登り御賽銭を入れて礼と拍を打つ。

何をお祈りしようか何も考えていなかった俺は、『無事に御守り下さい』とだけ心の中で呟いた。

お参りが終わりふと横を見るとおみくじがあった。

早速試してみた。

200円を入れて箱の中に手を入れ一つ取る。そして開いてみる。

『小吉』。

……。まあよしとしよう。吉と小吉と末吉の3つはどれが一番いいのかよく分からないが、吉は吉だ。

そして色々書いてある。

仕事運、健康運、恋愛運、等々。

さすが小吉。無難な言葉が並ぶ。

金運も然り。

だが最後に珍しい言葉が書いてあった。

『相場』。

仕事運や金運に並んで一番最後に書いてある。

『相場』…。

おみくじに書いてある程相場はメジャーなのか。

と、どうでもいい事を思いながら読んでみる。

!!

そうか。今まで無難な言葉が書いてあったのにここにきてそれか。

そうか…。

俺は妙に納得した。

そこに書いてあった言葉。それは、

『目先を変えよ』

だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ