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20話 全てを把握した上で。。

20話 全て把握した上で。。


『ワンタップバイ』の証券アプリで、アメリカ株のファイザーで利益を出していた俺は、他のアメリカ株のメインストリート、AT &T、ARCC 、アルトリアグループを買い付けていた。

金額は5万ずつ合計20万円。

比較的1株の金額が安いのと配当が高いのを選んだ。

そして、その配当がもう振り込まれていた。

1銘柄300円から500円程。

俺は大きく感動した。

実際はあっても1%程度。だが、株価の事を気にせずただ持っているだけでお金が入る。

仮に1000万円買い付けしていたら、10万は入る計算だ。

俺はこのアメリカ株が理想だ!と思った。

ただここで大きな問題がある。

資金が少ない事だ。

「確かにアメリカ株はほっとけば儲かる。だが、割りのいい定期預金みたいなもので劇的に利益が出るわけではないな…。」


最初は少なくてもコツコツ配当をもらって、配当されたらまた買って、配当されたらまた買って…を繰り返せば確かに増える。

福利の力というやつだ。

しかし、俺の年齢は50歳。モタモタ稼いでる時間はない。


「正直、いつでもいいよな。資産を増やしてからでも…。定年後の生活資金が毎月入ってくる感覚で。いわゆる年金だな。」

そう。年金。

俺はそうやって考えれば考える程喜びが湧いてきた。

何しろ、年金など何歳になったら貰えるのか、、

この国は定年を迎えた後でも働かなくてはいけない。

しかし、アメリカ株さえ買っておけば毎月収入がある。

俺はゴールが見えた気がした。


「よし!俺の最終目標はアメリカ株の配当生活だ!それには資金がいる。資金を増やしてアメリカ株をドン!と買ってやる!」


俺はこの事を誰にも話さないでおこうと思った。


そして後日。同じタイミングで、あるYoutubeを見ていた。

珍しく成功者が出ている番組だった。

何と1年半で200万を億まで利益を出した人にインタビューする企画だった。

「そんな短期間で?」

にわかに信じがたいが見てみた。

その人は、堂々としていてあまり見せたがらない今の保有銘柄を公開していた。

俺は驚いた。

億まで稼いでる人間は、保有銘柄はたくさんあるだろうと思っていたからだ。

当然お金があるから、色々買える。

だがその人は基本集中投資をしていた。

保有銘柄は何とたったの3つ!

万単位で株を保有していた。

1銘柄千万円単位だ!

今まで成功者の話など全く聞いていなかったし、本など読むのも面倒だった。が、これには流石に驚いた。


後は信用取引もしているそうだ。


『信用取引』

株を始めた人間は必ずこの信用取引の事を調べるだろう。

そして大体2つに分かれる。

怖くてやらない人間が大半。

興味はあるが手を出せない人間が少数。

俺は後者だった。


後輩に聞く。

『身の破滅ですよ。』

当然、信用取引はしていない。

S君に聞く。

『なくなってもいいお金がないと…』

当然、信用取引はしていない。


〜信用取引とは、一定の保証金(委託保証金)を証券会社に担保として預け、保証金の約3.3倍の取引ができる制度のことです。「売り」からの取引もできるので、下落局面でも利益を得ることが可能であり、投資機会が増えるということが大きな特徴です。〜


俺は株、いや投資にだいぶん慣れてきていたので信用取引の事は理解していた。

昔、先物が流行った時は、もし損失が出たら余分に払わないとゼロになる…とか聞いた事があった。

つまりはこうゆう事だった。


○担保がわりに保証金を預けておいて、取引ができる。

○担保があるからレバレッジ3.3倍の取引ができる。


出た。レバレッジ。

悪魔の言葉だ。

普通は30万を持っていたら、30万円分しか購入できない。

当たり前だ。これを現物取引という。

しかし、保証金を預けておけば、約100万の取引ができる。

まさしく資金が少ない人に取ってはうってつけだ。


そのかわり、、、

損失が出て保証金でまかなう事が出来なければ、、

ゼロ??

いや、どうやら強制決済らしい。

負債を背負う事になる。

つまり…ゼロよりキツイ借金だ。


これか…。

株の取引をしていて、思ってはいた。

購入の金額にもよるが…。

大暴落を知らない事もあるが…。

俺はずっと不思議だった。


『株で借金を背負う事ってあるのか?』


恐らく株のベテランからしたら、失笑される事だろう。

株は危険だとゆうことは、長年の経験者程身を持って理解している筈。


しかし、ここで俺が言っている事は、

『損失は出るが、ゼロ、もしくはマイナスになるのか?」

だ。


株でゼロになる時を考えた。

上場廃止以外ない。

でもそれは猶予期間があるから、その時には廃止前に撤退すれば良い。

TOB?買収されるなら情報は入る。

なぜ株でゼロになる?

10万で買ったのが3万になる事はある。

でも、ゼロにはならない。

何なら、下がっても利益が出るETF でも危険回避で買っておけば良い。

先に述べた『VIX恐怖指数』でも良いし、日経平均モノでもETFはある。


しかし…。

この信用取引ならゼロになる。いや、借金を背負う事もある。

例えば、50万の保証金で3倍の150万円を購入。

半分にまで下落したとする。

マイナス75万。

このマイナス分は保証金からまかなう。

保証金は50万円しかないから、25万円の借金。

と言う事になる。


しかし、俺は何でも経験だ。と思っていたのでチャレンジしてみようかと思っていた。

何しろ、『地獄の住人』だ。

この『ゼロになるリスク』なんて慣れっこだ。

と、いうか人と同じ事をしていたら利益は出ない。

俺は50歳だ。

後10年後には定年を迎える。

10年後にはアメリカ株を買って、毎月配当生活をするのが目標だ。

「俺は当然いくべき!」

と思っていた。


俺は早速申し込みをしようとした。

が…。

どうやら証券会社の審査があるらしい。

「審査??面倒やわー」

と一気にトーンダウンしてしまう。


そして、レバレッジの魅力を感じながら時はクリスマスを迎えていた。

「あれから1年か…。あの宝クジを買ってから。思えばあれで投資をするきっかけになったんだよなぁ。」

俺は思いたって、収支計算をしてみた。

5月から株をやり始めて約半年。

俺は、その収支を見て愕然となった。


『プラスマイナスゼロ。』

???

「は?」

ここまで苦労して、ここまで株を理解してゼロ?


俺はもう日本株をやめようかと思った。

これなら、アメリカ株を買ってほかっといたほうがマシだ。

配当が出てまた買い足せば福利の力で10年後には大きく増えている筈だ。


俺は年末休みに、『ワンタップバイ』のアプリを見ながらアメリカ株やらETF やら物色していた。


すると、他のサービスのコンテンツに興味深いのを見つけた。

『5倍』の文字が見える。


俺は早速説明を読んでみた。


それが、爆発的に利益を出すきっかけとなる事をこの時は知らない。

ただ、またしても『タイミング』と『出会い』がこの男を味方する。

ここでいうタイミングと出会いとは、

『全ての取引を把握した上で…』

だ。


その取引とは…

全ての取引を把握した上で出会った

『CFD取引』

だった。

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