13話 銘柄選びの最初のステップ。。
13話 銘柄選びの最初のステップ。。
「株で利益を出している人って2割しかいないんだって」
2020年7月。まだ梅雨も明けず蒸し暑い日が続く。
俺は例の仲のいい店長と話していた。
緊急事態宣言も解除され、会社にも出社していた。
営業活動再開となった為に、お店周りをしていた。
俺はこの自称『テレワーク』期間中に株を始めた事を店長に話した。
すると、株の経験はないらしいが大学の時に株の授業があって一応は知っているとの事だ。
何しろ『空売り』の事も知っていた。
その店長の言葉が先の言葉だ。
『株は2割の人しか利益を出していない。』
だが、こうも言っていた。
「俺の周りは株で儲けている人ばかりだけどね。」
無意識の運命の選択で選んだイオンモール。
1600円台からここ最近1200円台に落ちていた。
容易に想像できる。
非常事態宣言だったからだ。
案の定、利益の落ち込みが酷いと情報が出ていた。
『巣篭もりといえるか分からないが、必ず復活するだろう。コロナでずっと家にいて少し買い物でも行きたい…となった時にどこに行くか。イオンモールに行くやろ。みんな。」
俺は、全財産注ぎ込んでも買うべきではないのかと思った。
100株で勝負なんていってられない。何しろ10円上がっても1000 円しか利益が出ないではないか。
やっぱり株は沢山持っていないとお話にならない。
ここは400株だ!
俺は一気に400株買った。
もう一つのスクロール。
ここは通販の会社だ。生協の通販会社といってもいいだろう。
この会社は60億円かけて物流センターを作ったとニュースに出ていた。
「当然勝算があっての60億投資だろう。しかも巣篭もりど真ん中の銘柄だ。」
今の株価は600円台。
一気に…といきたい所だが資金がない。
俺は200株だけ購入した。
これでJBR 100株、スクロール200株、イオンモール400株を持つ事になった。
株を始めて、3ヶ月経っていた。
『なんか、10銘柄平均やら仕手株やら低位株やら色々失敗してきたけど、やっとまともな感じになってきたな。』
この時何をもってまともと思ったのかは分かってはいないが…。
俺はそれ以外の銘柄を見てみる事にした。
当然、株価が下がっているかどうかだ。
チャートを見るよりは、過去の価格を見てみる。
その方が金額が出ているので分かりやすい。
何しろ前日の価格、一昨日の価格、1週間前の価格、1ヶ月前の価格、と毎日の価格が出ている。
「あんまり前の価格を見ても状況が変わっているから参考にするのは危険か…。直近2週間前ぐらいの価格から落ちているのを見ればいいのではないか…。」
俺はそこを中心に探してみた。
価格が上がっているのはパス。
とにかく価格が落ちている銘柄だ。
すると意外とある。
俺はどんどんピックアップしていった。
しかし、探しているうちに気になる銘柄を見つけた。
チャートが右肩上がりの銘柄だ。
価格が上がっているのはパスとはいえやはり気になる。
「こうゆうのもええかもな。伸びてるなら買っておいてもありか…」
俺は無意識に『順張り』も意識するようになる。
その順張りで見つけた銘柄は、『ラクーンHD』と『ヤーマン』だった。
その2銘柄ともいわゆる『巣篭もり銘柄』。きっとその影響で業績を伸ばしているのだろう。
その2銘柄もピックアップリストに入れておく。
ただし、テラの例もある。高値つかみからの急下降は二度ととごめんだ。
この右肩上がりの銘柄はしばらく見続ける事にした。
一方、買った3銘柄は狙い通りジワジワと上がっていく。
チャートを見てみた。
その時に75日線と25日線というのがあった。
俺は今まであまりチャートを気にしていなかったが、やはり勉強する意識は以前より上がっている。
75日線は75日の平均価格を線で引いたモノ。25日線は25日の平均を線で引いたモノ。
なるほど…。
という事は俺が直近2週間の価格と今の価格を比べるのは満更でもないのか…。
要は25日線のチャートの線よりも今の価格の線が下にいってたらチャンスという事になる。俺的にはだが…。
俺は自分の方向性が間違っていない事に少しの自信が芽生えた気がした。
後に、勝手に呼ぶ事になる『高西式』と言う銘柄選びの最初のステップになる事を覚えたのだった。