第四話:祭りは準備をしている時が一番楽しい2
1
ジャンカルロが見せた映像は、どこかは分からないが会議をしている様子で、映っている人々の中に見知った顔であるところのクリスティーナが映っていた。
「ジャンカルロお得意の盗撮映像かよ」
「諜報活動だ、シュンシュウ君!まあ見続けたまえよ」
どうやら会議を行っているお題目は、今度行なわれる「総合火力演習大会」通称「総火演」の各科の出場競技についてのことだった。
この「総火演」実行部における中間管理の立場の男が咳払いをした。
「えー、知っての通りこの「総火演」は毎年行われるものです。第一勢力外に向けた、一年間の成果発表する場として各学科に沿った、研究・開発・戦力を内外に知ってもらうための模擬戦などの競技を一週間にわたって行われる競技大会です。その初日には我らが「光の王」であるところのアレクシス・ダンリービー・エゲルト様による観閲式。そして最終日には―」
司会者が喋っている途中で、しびれを切らしたのか一人の男が手を上げた。
「なんでしょう、デンジル・バロン・ロンズデール殿?」
すると高貴な雰囲気を纏った男が立った。
「あー!これこの前シュンシュウとケンカしていた人だ!」
「なるほどね、ジャンカルロがこれを見せてきた理由がわかったよ」
「さすが、毎日ネチネチと上層部にいびられていることだけはあるな、キンヤ君?」
「いいから再開しろよ、キャンディー人間」
ジャンカルロ・デ・マストロヤンニは学術部兵造科の天才でありながら、常に頭部を謎の素材で作られた、化繊の真ん丸とした袋を被っているという変人である。そんな容貌は、はたから見れば棒付きの飴菓子のようである。
一時停止していた映像が再生される。
「いちいちフルネームで呼ぶことはないじゃないか、デンジルでいこうよ」
「ではデンジル殿、改めて何の用でしょう?」
「聞くところによると、今回は例年来てくださるお客人達とは違い、あの、「風の王」ことオリヴァー・ル・ウィリアムソン様が来るということを小耳に挟みましてね」
第四勢力の新しき首長であるオリヴァーがくるという奇異な事態に会議室全体がざわめく。
「確かにそう、仰せつかっております。」
さらにざわめいた人々の声をデンジルは両手を上げて止める。
「で、あればできる限り、無様な姿を見せるわけにはいきませんよね?」
「確かにその通りですが・・・」
「どれどれ、このリストを見てみると、不適切に出場となっているところがございますよね?」
デンジルは目線を、リストを映しているモニターからクリスティーナに向けた。
するとデンジルの取り巻きたる者達もデンジルに合わせて、クリスティーナに注視した。
「どうやら第72期普通科の出場する競技は・・・、三日目の水上競技。これはまあ、いいでしょう。しかし六日目のクラス対抗戦、これはいけないでしょう?」
するとクリスティーナは立ち上がって「何故でしょう?」と聞き返した。
「クラス対抗戦はこの「総火演」の中でも最も注目される競技。その重要な場に、失敗作の問題児だらけの貴殿のクラスが出るのはふさわしくないかと」
「あまりにも不適切ではないですか、デンジル・バロン・ロンズデール殿?」
「そうだね、少し不適切だ。バーディ殿やロング殿、ルチア殿、彼らは逸材だ。なんで普通科なんぞにいるのか、理解に苦しむよ」
恐らくはデンジルの取り巻きの一人と思われる男性が立ち上がった。
「クリスティーナ殿はなぜ彼らを「適化」させないのです?それはやはり、あの噂通りということですかな?」
「噂?」
「はい、デンジル様。彼女、クリスティーナ・デル・チェルヴィはかつて人類解放戦線という組織に所属していたという噂がありまして」
「なるほど、あの新時代を否定したテロリスト集団にね・・・。なるほど、「適化」させない理由がはっきりしたね?」
「デンジル殿、話がそれてきております。このまま続けるのであれば―」
「すまないね、手早く済ませよう。長年、第一勢力の最前線で戦っていながら「適化」もせずに婚活などと人並みに生きようとし、悪いうわさが絶えない者の担当するクラス。ましてや、あの「赤鬼」の傾奇者であるカシマ・シュンシュウ、彼は「武官」階級になって、たったの一日で格下げになった愚か者までいる始末」
すると、取り巻きを含めた大勢の人間がデンジルに合わせて嘲笑し始める。しかし、クリスティーナはその雰囲気に押されることもなく堂々と喋りだした。
「人に失敗作などない。その程度もわからない者たちにどう思われてもどうでも良い。ましてや、笑う者などがいれば、お里が知れるというものだ」
「あまり威勢がいいことを言わぬことだ。君みたいな「適化」していない者がこのような会議にいることが如何に異質か、わからないわけではないだろう」
「・・・・!」
クリスティーナ含め、この会議に出席していた者たちは息を飲んだ。それと同時にあまりにも堂々たるその物言いに対して、驚きが勝る者もいた。
「この第一が第三との統一「天光の再来」から数年。これから拡大していく我が勢力。それを考えれば統一する中枢は同じ志でなければならない」
「・・・つまり何が言いたいのです?」
「コントロール、だ。」
「コントロール?」
「そうだ!今や国という組織は消え去り、誰もが気軽に他勢力に行きかうこの時代。そんな時代における同胞とは何か。いつ消え去るともわからん「未適化者」をのさばらす訳にいかないのだよ」
すると、会議の大多数が感嘆の声を上げる。
「だから「赤鬼」の傾奇者には「魔術」の一つである「神武術」に最も最適な得物の所持を禁じた!その他の者は、無駄な発言力を持たぬように昇格をもみ消し、志をコントロールしている。フッ、これも「不死」のなせる偉業だな」
(死ななければ、処理していたというわけか)
「さて、進行。話を戻そうか」とデンジルは着席した。
気圧されていた進行役の男が本題へと切り出したのである。誰が活躍してどういう風に勝つのか、一体どの科を見せるのか。畢竟、この会議は「総火演」という舞台の台本会議である。
「コントロールといえば、戦闘第四科の・・・何と言ったかな、彼」
「デンジル様、ロゴジンのことでしょうか」
「そうだ、ロゴジン。バーメイン・ジェラード・ロゴジン。君達、戦闘第四科ご自慢の彼だよ。彼を「赤鬼」にぶつけてみるのもいいかもなあ?」
「そうなれば、我々の圧勝でございますよ」
「言うではないか。ならば賭けだ。六日目のトーナメントにおいて、準決勝で我々。決勝で君達、戦闘第四科で、どちらが勝つかだ!」
「遊び半分で我が生徒を道具にしてもらったら困る!」
「言葉使いには気を付けたまえ!あまり不遜な態度続けるならば、君が束ねる普通科の志を変えてしまうことになる」
また、取り巻きを含めた大勢の人間がデンジルに合わせて、先ほどよりも大きく嘲笑し始める。しかし、クリスティーナは反論することもできずに、沈黙を続けていた。
2
この一週間は第一勢力:第一学園において最も活気に溢れる「総合火力演習大会」。本来は約一年の研究成果を、実戦形式で第一勢力における上級階級の者たちへ向けたもの。それを親交のある他勢力を招いて、互いに研究をより進展させようとしたのが始まり。やがてそれは、内外にこれだけの力があるという脅しの如く戦う者たちに人々は熱狂した。
午前10時30分。戦闘科第一科科長による選手宣誓がこの宴の開幕を告げる。
かつて国という概念があった頃、国歌というものがあったという歴史から、伝統的な意味を込めて国歌を斉唱するのは恒例のことである。代表してマイクに立ち、歌うのは歌姫と勢力を問わずに名高い女性である。彼女の持つ、カリスマ性・統率力・人望・戦闘力は、現在の首長である「十三王」である「光の王」でなければ彼女だったという評価がなされている。もう一つ彼女を有名にした要因がある。それは彼女が奏でる独唱は「魔術」の一つとされていて、彼女の意志によって聞かせる者たちの性能や効能を変えることができる。医療面でも、戦闘面でもかなり重宝されている。
そして戦闘科による新型の「魔術変換機」を用いた空中パフォーマンスを披露し、「光の王」であるアレクシス・ダンリービー・エゲルトの開幕宣言で開幕式は終了する。
開幕式からすでに、この島の熱気は沸点を突き抜けていた。商業区の賑わいは例年以上。それに比例するように警備体制も近年では最も厳重になっており、キンヤも四方八方へ駆けずり回っていた。全勢力中でも屈指の巨大イベントでもある「総火演」。昨年は開戦との兼ね合いで中止となっており、人々の熱気の累積は今年の「総火演」に向けられて期待値も高い。そして第四勢力の首長であり「風の王」であるオリヴァー新王と親交が深くなったことで、来年は勢力間交流対抗戦の実施ということもあって第一勢力圏内だけで行われる「総火演」は今年で最後となる。人気ぶりはこれだけでとどまらず、「総火演」が行われると全勢力が物見遊山に来るために全戦停戦となるという始末。だからこそより警備は入念に行われる。戦闘科とは違い、より警察方面へ吐出した警備科は火の車である。
そんなことはつゆ知らず。普通科でありながら、数多の豪傑に一矢報いようと意気込む者が一人。
(いよいよ、憧れの「総火演」!!!みんな見てくれてるとうれしいけど、私頑張るよ!!!)
すると、イヤリング型の個人用端末に着信を知らせる信号を、骨伝導で感じ取る。
「誰だろ?開封」と言うとメッセージファイルが解凍されて録画が再生される。
その映像には家族からの応援メッセージ。胸を熱くし、これからの激戦に奮い立った。
とは言え、開会宣言が終わったものの未だに開会式は終わっていない。「総火演」における演習及びその内容とルール。7日間ある日程の説明と会場割り当て、観客人数のキャパシティなどの説明がなされている。しかし、平の選手はそこにいても用はない。
これらの説明や日程・会場割り当てなどは、第一勢力:「総合火力演習及び研究開示大会」委員会発行する「総合火力演習及び研究開示大会」概略に記載されており、通信環境さえあればいつでも閲覧することができる。
開会宣言を皮切りに観客の往来が増え、露店や別会場への案内、物販や中継機などが活発に目立つようになっていた。戦争時下での祭りのような催しは第三期以降活発化し、ここまで規模で行われるイベントはこの「総火演」をおいて他にない。初期はただ演習の様子を公開し、他勢力への牽制が目的とされていた。やがて「商業区」の経営連盟が、より経済効果のあるものへと変えていき、「光の王」が勢力を上げての行事に変えた。このことにより、今までは競技大会の側面が大きかった「総火演」が、後夜祭としての「音楽祭」の実施、第一勢力領内の演習場の全面公開、期間の延長、露店や舞台における経済活動や他勢力との積極的交流の奨励によって、全勢力随一のイベントへとなった。
第一勢力に所属する者もこの「総火演」で大きな成果や活躍を見せれば、他勢力からスカウトや次作戦での優先的前線配備が見込める。そして支援者や所謂ファンがつくこともある。他勢力での優位転入を狙うためにこの第一勢力に所属している程である。
プレッシャーという重りが、つむじに、肩にのしかかって、内臓を圧迫する。
私に果たしてできるのだろうかという思念が、ふと脳裏をよぎる。この会場の雰囲気、見ているのと見せるのでは、見える景色が違う。この大舞台が奈落に迫る断崖絶壁のような恐怖と孤独感を作る。熱く滾ったはずの心中の灯が、奈落から吹く風によって今にも消えゆきそうになる。
肩を叩かれた。右肩の端を平手でかすめられた。
「赤鬼」。身体的な特徴に赤を持ち、強大な戦闘力を持ち、その素行と共に恐れられる者達。間違いなくこの十年間で転入してきた中で最強といわれた部隊。その隊長カシマ・シュンシュウ。黒髪に一筋の刃傷のような赤が入っている。戦闘になるとだんだんと紅潮し、血よりも濃い赤髪へと変貌する。「魔法」の上位互換である「魔術」の一つ「神武術」の天才。約3Mもある大太刀と刀で戦う、歌舞伎のように派手で鬼のような男。
雑多な人ごみの中、彼に叩かれた。緊張を察したのか、ただ見知った顔を見つけたから挨拶しただけなのか、彼はそのまま往来の渦へと消え行った。
しかし、ずっと疑念に思っていることがある。そう自分が所属するクラスの問題児達「赤鬼」に言われたことが気がかりとなっていた。それは、一か月前になる。
3
シュンシュウが闇酒場ハーミットにてジャンカルロの盗撮映像を見た翌日。
「まさか「総火演」裏事情知ることになるなんて。しかも、戦闘科やあのロンズデール家と戦うなんてー」
授業・訓練そして「総火演」の準備を終えた午後五時。「商業区」にある本土ではメジャーな大手チェーン喫茶店にて愚痴がこぼれるイツキ。「商業区」内でも比較的往来の少ない第7通り。主に本土由来のチェーン店が店を連ねるこの通りの中ほどにある喫茶店である。
「イツキさん!あまり大きな声で言わない方が・・・」
「ルチアは心配性ねー。裏事情なんて、そういう都市伝説みたいな話してるぐらいにしか思われないっての」
「総火演」が迫ってきた忙しさに、テーブルにぐったりと顔をうつぶせる。
「お疲れか」
「シュンシュウみたいにサボってばかりの人がいるおかげで、私みたいな善良な一生徒がこき使われるのよ!」
「全くだ~~~~~~」
「毎年思うが、警備隊はもっと大変そうだな」
イツキと同じようにぐったりとテーブルに頬をつけ、宙に目線を泳がしていたキンヤがシュンシュウに目線を向ける。
「・・・わかるか」
(二人の視線がやたらと痛てぇな・・・)
「俺は俺で色々とやってんだよ」
喫茶店の入店を知らせるメロディーが流れ、ロングが入店してくる。
「フーン、色々とねぇー」
「なんだよ、ダンと飲み比べで負けた敗北者が」
「うるせぇな!お前もまともに勝ったことないだろうが!」
すると爆発音がこのあたり一帯で鳴り響く。この喫茶店の裏手に当たる壁から爆風と共に、さっきまで壁だった穴から白衣を着た一匹のキャンディー人間が現れる。
「この爆弾魔が!まともに喫茶店も来れないの!?」
疲労困憊のはずのイツキがジャンカルロの胸倉を掴み、今にも一撃かましそうな怒りの形相である。
「ハッハッハー。そのことを見越してこの喫茶店にしたのではないか?」
胸倉を掴まれたまま、足付かずのジャンカルロはその手で「魔法」によって、爆破された壁を修復する。
「すまないなー店主」
とジャンカルロが一瞥すると店主は、「はぁー」と息を漏らした。
「絶対さ、この辺の人通り減ったのもあんた原因でしょ」
「おかげで、こうやって集まることができるじゃないか」
「少しやりすぎな感はありますよね・・・」
ルチアの横に着席したロングが飲み物を注文して話を切り出す。
「やりすぎと言えば、昨日ジャンカルロが見せてきた映像。ここまで排他的な勢力だとは思わなかったな。地元(第二勢力)とは大違いだ」
「そりゃ72人も首長がいるところとは違うと思うけどよ。まあ、警備隊やってる身としては色々複雑だよ」
「キンヤをより忙しくしているわけか。シュンシュウよ、そのへんどうよ?」
「デンジルが腹立つのはいつものとして」
「シュンシュウは一体何したの?」
「えっと・・・、イツキが来る一か月前の―」
「シュンシュウ!」と前のめりにロングが静止する。
「・・・なんかあったんっすか」
「それはまた今度、ロングがいないときに教えてやるよ」
「いい加減にしろ!」
「会議の中で一つ分からなかったことがある。あの何っていったかな、あのージャガイモの銘柄みたいな名前。」
「バーメインか?」
「それだ!キンヤ」
「ジャガイモってシュンシュウ・・・」
「ってシュンシュウさんバーメイン・ジェラード・ロゴジンをしないんですか?」
「何、そんな有名なの?」
「そりゃー最近ものすごい戦果を挙げてるのよ、どっか酒狂い達に迫るんじゃないかって」
「おい、その酒狂いとやらにお前も入りつつあるからな」
「あたしは髪の毛赤くないもーん」
「そういえば、警備隊にそいつに関しての戦闘第四科に内偵任務が来ていたな」
「内偵?」
キンヤは少し周りを見渡して小声で話し始める。その声を拾おう全員がキンヤに近づいた。
「実は、戦闘科全体もしくは、「適化」左翼派がコソコソととある人体実験をしてるかもしれないって」
「人体実験!」
「声がでかいってイツキ」
「ごめん」と周り見渡して、人差し指と親指で丸を作り、大丈夫というサインをする。
「人体実験って言っても「適化」していたら問題ないのではないのですか?」
「それがなんと、事前調査で「適化」したっていう記録はないんだよ」
「なんかきな臭くなってきたな」
「そういう面倒ごとは「総火演」前に片づけたいと思うのがお偉方。だけど、内偵は中止。挙句に任務も白紙って」
キンヤが椅子に背もたれ、他のみんなが元の姿勢に戻る。
「おれがまだ第二にいた頃、そのバーメインがいる戦場にいたが、確かこっち側が「精霊術」で意識を飛ばしたっていう音声通信を聞いた気がする」
「どんな様子かわかるか?」
「自軍の交戦したやつが話して事なんだが、やたら前に出て味方を庇うように戦ってて、様々な意味で戦いづらかったから「精霊術」を使ったって。その「精霊術」が割と発動するのもリスクあるものだっただけによく覚えていた」
「ロングさんって、女の子以外にも興味があるんですね・・・」
「イツキちゃん、俺をなんだと思ってるの」
「下で生きる人」
「ひどいな!」
「とりあえず「魔術」を使うほどの人間なんだな」
「たぶんそこが問題じゃない、きっとその後だ」
「あと?」
「その任務にあたっていた警備隊員に聞いたところによると、バーメインが配備されるところは「魔術」の使い手が多かった。そして一緒に戦った生徒に聴取したところ、彼の戦い方は作戦最優先、敵も味方もお構いなし、暴力性が高く味方に損害が出ると判断し、撤退。その後、作戦成功と同時に帰還した彼の姿は、返り血ややけど・裂傷が激しい中、無表情。まるで殺人機のようだったと」
「なるほど、明らかに前の戦闘が何かされたか」
「ロング、その「精霊術」は人格や痛覚などの変異性はあるのか?」
「確かに強力な「精霊術」だが、精神と肉体を切り離すということ以外の効果はない」
「シュンシュウ、どう思う?」
「とりあえずそのバーメインとやらに会ってみるしかないな」
「バーメインがどうしたの?」
『!!!?』
当然の背後からの声に驚く一同。ルチアにはその声の主は見知った顔だった。
「エリナーさんどうしてここに?」
「いやあ、わがクラスの問題児どもが怪しい企てでもしてるのかってね。って冗談、たまたまね」
中肉中背の人間。金髪碧眼の肉体性別は男。彼女の髪は長く艶やかで、「魔法」を使わない天然髪でここまで美しさを保っているのは彼女の持つ美意識からだろう。
解離性同一性障害でありながら「魔術」による「女性化」を拒んだ、とある「魔術」の使い手。
「えっとー、エリナーさん。バーメインを知ってるのか?」
「うん、幼馴染!」