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57-異界の歩き方


「君達、ひどいなぁ。ミナイ君やフクタニ君も、これがマジックアイテムだって知らなかったはずだが。ほら、マジックアイテムだよ。これを手にするのにどれだけ失敗したことか」



 あれは、不安定な設計図からつくったものなのか。やはり、他のゲームみたいに現物がポンっと出現したりはしないようだ。


 それにしても無限に紙が追加されるとかヤバイな。もし、AKのマガジンで無限に弾が出てくるものとかあったら… バレルが焼け付く。


 じゃなくて、そのマガジンをめぐって人間同士、特にアナザー同士が争いそうで怖い。敵は都市の外にいるというのにだ。


 レアなアイテムが都市に持ち込まれるたびに爆弾が大きくなって、そしてアナザーが引き金を引きアース人が巻き込まれ都市の防衛が勝手に自滅していくという恐ろしいシナリオが…


 チップを手に入れても楽観できないどころか禁断の果実である可能性すらある。現在でもアナザーというか人間はできた生物ではないので我慢をするのは難しい。当然、俺は我慢できない。せめて、人の装備を盗むことができない仕様だったら良かったのに。



(フフフ、アハハハハハ!僕の壮大な計画にこうも早く気づく人間がいるとは―)


(何を言っているんですか。そんなこと微塵も考えていなかったくせに)


(え、なんで、ちゃんと、考えたもん。ダンジョンだって夜も寝ないで昼寝して)


(寝る必要なんてないでしょうに。ダンジョンもエデンの人間がつくったものをマネしているだけですよね?)


(イ、インスパイアです)


(はい、はい)



「キタサト、防衛隊の連中はあの部屋で退散したということかな。適当に病院という名をつけて」


「そ、そうかもしれないね。誰かみたいにいきなり踏み抜いたりしなかったかもしれないから、ゴブリンスケルトンとも戦闘になったかもしれない。僕達みたいに盾君がいるわけじゃないから、大変だったかもしれない。防衛隊が探索に命を懸けると本末転倒になりかねないからね」


「だから、俺は何もしてません。さっきのだって地図さんのおかげでしょ。俺は異界を探索するにあたって心構えというか一般的なことを言っただけです」


「盾君がそれでいいなら。しかし、異界探索は防衛隊の人間だけで行うよりアナザーを入れた方が良さそうだね。上に報告しておくよ」


「そうしてください。毎回俺を呼ばれても困りますから」


「君、防衛隊と仲良くしておくと色々融通してもらえるかもだよ。銃とか弾とか」


「ち、地図さん。絶賛貧乏な傭兵がここにいますので、いつでも異界案内しますよ。ああ、対物ライフルの弾が欲しいなぁ。それも、たくさん。前線キャンプにはないんだよなぁ、この弾」


「盾君、現金だね。わかりやすくていいんだが。でも、盾君は―」


「私の盾だから、まず私を通すことだね」



 お、ちょうどいいところに。床の不自然な石をライトで照らす。



「みなさん、ほら、これを見てください。この床の真ん中に不自然に一つだけ浮き上がっている石を―」


「不自然かどうかは別として石が敷き詰められている通路で、これだけ浮いているといえば… そうだね。で、これが」


「こういうのを発見したら、近くの壁、いや遠くの場合もあります。壁に穴が開いていると当たりです。天井の場合は残念です。この場合は、ほら、そこの壁に穴がたくさん」


「あなたの言っていることは意味がわかりません。結局は押せ、ということですね」


「え?誰もそんなことは―」



 あ、踏んだ。壁の複数の穴から槍が飛び出しフクヤさんを串刺しにする。えええええ。すぐに薬屋さんの方へ振り返る。



「薬屋さん、フクヤさんが― って、あれ?」


「何を言っているんですか。あんなのが当たるわけありません」



 残像だった。フクヤさんは薬屋さんの隣に平然と立っていた。普通に残像を残せる人がいるなんて。これはゲーム、これはゲーム。



「盾君は、こういうのに注意しろと言いたいんだね。実演してもらえるとわかりやすいが、普通の人間だと死んでるね」


「い、今のは槍だったから避けれたんです。ひどいのになると通路をぎりぎり通れるくらいの大きな石が転がってきたりします。そんな石、この対物ライフルでも壊せません」


「私には当たりませんけど」


「え?行き止まりで、通路ギリギリの石の球体が転がってきたらどうするんですか?」


「この通路の大きさでギリギリの球体だったら、そこの角に寝そべれば当たりませんよ。なので、石の球体を使うなら通路ギリギリより少し遊びをつくった方が避けにくいです」



 そこに気づくとは、ダンジョンつくった人が聞いたら泣くよ。



(シクシク)


「ぐぬぬぬ。そんな避け方、胸がナギだからできるんです。     あっ」


「どうやら、一度死なないと理解できないようですね。口が災いのもとであることに」


「君、一言多いって。フクヤちゃん、今は抑えてあとで続きをして」


「は、はい、しょ、承知し、まし、た」



 いかん、いかん。つい口が滑ってしまった。しかし、細目のまま怒りを堪えて返事をするフクヤさんがかわいく見える。



「君、罠は見つけたら作動させた方がいいのかい?それとも無視した方がいいのかい?」


「それは、場合によりますね。この異界はわかりませんが、さっきの部屋の仕組みやその罠も一定の時間が経過すると復活するのが一般的です。時には罠に見えて正規ルートの仕組みの場合もあります。異界探索の最初の方の人は見返りも大きいですが危険も大きいです」


「そうかい、そうかい。勉強になるねぇ」


「あなたは、あとで痛い目に遭ってもらいますから。今だけ饒舌を許しましょう」



 マユミさんは、明日明後日とアースには来ないはずだ。今頃千葉デスティニーランドでアオイちゃんと楽しく遊んでいることだろう。だとすると、フクヤさんが直々に直々に罰を… 楽しみ。いや、死ぬかもしれない。気を引き締めておこう。



「さて、16時半ですけど、これからどうします?」


「長く探索しようと思ったけど、ちょっと考えないといけないことができたから」



 よし、引き返してくれるのか?



「あそこを探索して最後にしようか」



 薬屋さんは、部屋の入口のようなところをライトで照らしていた。


 フクヤさん以外は通路の床や壁を調べながら部屋へ向かった。フクヤさんは、自分には当たらないという絶大な自信がそうさせているのか?それとも、あれはあれできちんと調べているのか?あの細目からは何も窺えなかった。


 薬屋さんが楽しそうに部屋に入り、それに対物ライフルを担いで続く。


 部屋はさっきと同じで大きく無数の石棺が並んでいた。しかし、この部屋は、さっきの部屋より明るかった。天井から幾筋もの光が差し込んでいる。いるのだが。生徒達の反応は。



「この部屋は明るくて助かります。他の部屋もこうあって欲しいものです」



 それは、俺も思うんだよな。暗いダンジョンはライトだと戦闘しにくいから何か考えなくては。



「いやぁ、この部屋は絵になるねぇ。光の差し込み具合が素晴らしい。光を伝って天使達が天に昇っていくようだ」



 絵、描くといいよ。それ、ただの埃だけど。絵を描くときに使っているその鉛筆みたいなのもマジックアイテムとか言わないよね。



「君、この光、特定の石棺にきっちり当たっているのが気になるんだけど。どう思う?ひょっとして光を遮るとワーとかウーとかになるんじゃないのかい?」



 鋭い。優等生の素質あるなぁ。眼鏡をかけているだけはある。伊達なんだろうけど。



「偉い!それですよ。そういうものの見方ができないと見返りを得るどころか面倒なことになったりします。ここがそうだと言えませんが」


「褒めてくれるのは嬉しいんだが、君みたいな疑り深い人間にはなりたくないかな。モテないからね」



 それと、これとは別です。別だと思いたい。



「それで、あなたはこの光が何だと言うんですか。何かあるんですか?」



 むくれてる。むくれてる。細目がむくれてる。



「そうですね。これだと… 光を同時に遮らないとワーとかウーで、同時に遮ることができると新たな道があの辺りに開けるとかじゃないですか」


「想像力豊かだねぇ。しかし、光の数は私達の人数より多い。無理じゃないかな」


「だから、見返りがあるんですよ。謎なんですから解く方法は用意されているはずです。はずなんですが…」


(これ、解く方法、あるんですか?宝箱の部屋はあるようですが)


(え?解けないといけないの?)


(あなたは、解けない知恵の輪を見てどう思います?)


(そんな無駄なものをつくって、つくった奴は相当暇なんだろうね)


(あなたのことですよ)


(……)



 辺りを見回してもそれらしいギミックもアイテムもなさそうだ。じゃ、俺の考えは外れかな?まぁ、そうそう予想通りになることなんてないからな。



「それでは、あの穴を塞げばいいんですね?」



 フクヤさんが天井の光が差し込んでいる小さな穴を見つめながら喋った。



「そ、そうだと思っただけで。ここは違うかも―」



 フクヤさんが床を照らすようにライトを置いて適当な大きさの石を集め出した。



「おお、フクヤちゃん。やる気だね。好きだよ、そういうところ」


「ありがとうございます」


「フクタニ君、僕も好きだよ。今度お茶でも」


「なら、一応、俺も好きです。もうチームハウスには来ないでください」


「男二人はいりません。死んでください」


「「ひどい」」



 そして、光の数だけ石を集めたようだ。ポンチョを底の浅い袋のようにして石を入れていた。ポンチョの下が気になってしょうがない。もう少しで。


 すると、フクヤさんが一瞬ブレた。


 部屋の中が一瞬だけかなり暗くなる。そして、天井から一斉に石が落ちてきた。都合よく塞げないだろうと思ったら光の通り道に置いただけのようだ。空中だけど。


 どこかから、微かに重たい石が動く音がする。引きずるような音だ。まさかと思い予想した場所にライトを向けると壁が動いていた。えええええ。



(そんな、ズルじゃん。解けるはずがないのに)


(無駄にならなくて良かったですね。まぁ、あの人達以外では無駄のままですが。あの設定だと7人以上が部屋に入ると問答無用でゴブリンゾンビですからね)


(あとで、直す。もう昼寝する)



「流石私の飛び道具だよ。持つべきものはフクヤちゃんと決まっているんだね」



 薬屋さんがフクヤさんを抱きしめていた。フクヤさんの細目が喜んでいるように見える。


 フクヤさんは俺を殺そうとしなければ、非常に頼もしいアース人なのだが。俺はどこで選択を間違えたのだろうか。



「いえいえ、お役に立てて光栄です。それでは、新たに開けたところへ行きましょう」



 フクヤさんにしか解けないギミックに意味があるのだろうか?いや、大人数でやればいいのか。人数さえいれば簡単だった。フクヤさんの凄さに事の本質を見失うところだった。


 ただ、フクヤさんの存在って開発的にはバグなんじゃ?いいの、こんなアース人がいても。羨ましいなぁ、もう。


 切り替え、切り替え。



 さて、新たに開けた場所というか壁に向かった。


 壁の先は、新たな部屋?もしくは通路で大きい石が転がって―



「君、宝箱だよ。私は宝箱を見るのは初めてなんだ。これが、あの。こんなにあっさり宝箱に出会えるなんて。誰の運を使ったのやら」



 開いた壁の先は小部屋になっていて中央に宝箱が一つ置かれていた。補強されている金属は― ライトを当てて確認してみる。うーん、銅かな。前の宝箱と同じに見えた。


 薬屋さんが柄にもなくはしゃいでいるように見えた。か、かわいいじゃないか。



「じゃ、僕が開けるよ。さーて、今度は何が出るかなぁ」



 そして、地図さんは薬屋さんに首根っこを掴まれて後ろに放り投げられた。アース人はそこそこ飛ぶようだ。



「バカに開けさせるわけないだろ。しかも、罠があるかもしれないのに。ホントにバカだろ。学習しろよ、バカ。このバカ。宝箱が消えたらキタサト、おまえもこのアースから消えるからな」



 薬屋さんが怒りだした。いきなりの変わりようだ。怖い。レアアイテムの魔力に既に魅せられているのか。


 アースには宝箱は早すぎたのかもしれない。



「薬屋さん、落ち着いてください。らしくありませんよ」


「あまりの迂闊な行動につい。ふぅ。はぁ。ふぅ。よし落ち着いてきた」


「ミナイ君、ひどいじゃないか。少しは―」


「喋るな」


「はい」



 背の高い地図さんが小さく見える。近接戦闘種族の女性は怖いなぁ。俺も一言多いからな、注意しよう。



「それで、君、この宝箱はどうなのかな?モンスターだったりするのかな」


「ちょっと待ってください。今、調べますから」



 手に持っていたライトを肩に吊り下げて、ハンドガンをホルスターから抜き宝箱をザックリとねら―


 薬屋さんが、そのハンドガンの前に立ち塞がる。今まで見たことのない真剣な表情だった。



「何をしているんだい。まさか、首が胴に別れを告げたいわけじゃないよね」



 そんな、マジックもあったなぁ。この状況だと二度とくっつきそうにないけど。



「違いますって。これは、その、まじないというか儀式。そう儀式です。これで判別できるんです。俺が宝箱を許可なしに壊すわけないでしょ」


「そうかい、そうだろうね。私とフクヤちゃんの前でそんなことをしてアナザーといえど生きて逃げられるとは思わないだろうからね」



 そう言って、薬屋さんが俺の前から横に移動した。変なことをしたらすぐに首がさよならしそうだった。


 ホント、怖い。でも、最初だけだ。次からはわかってくれるだろう。先に断っておけばよかった。


 再びハンドガンを宝箱に向けてザックリと狙いをつける。


 どうやら、前回の宝箱と同じで核みたいなものが弱点だと判明した。というのも新たな知識は何も浮かばなかったからだ。が、信じてくれるのか?結局壊すんだけど…



「えーと、大変申し上げにくいんですが。これは俺が前回見つけたのと同じモンスター型のようです。前回は対物ライフルで倒しましたが、どうします?」


「え?盾君。宝箱の形をしたモンスターなんているのかな。初耳なんだが」


「黙れ」


「はい」



 さて、アース人の薬屋さんはどうするのか?この状態だと【気配察知】にも反応がないのでフクヤさんもモンスターだと判定できないかもしれない。フクヤさんのスキルの方が性能は良さそうだから、ひょっとしたらとひょっとするかもしれないが。



「フクヤちゃん、この宝箱はどう?モンスターみたいだけど」


「モンスターの気配はありません。私には普通の宝箱にしか見えません」



 ですよねー。フクヤさんでもダメだったか。


 【心眼】先生ってレアなスキルなのか?


 薬屋さんが、俺をジッと見つめている。薬屋さんの中ではもの凄い葛藤が続いているのかもしれない。宝箱一つが人生最大の選択になってたりして。



「フクヤさんなら、宝箱がモンスターで開いたときに襲われても避けられるかもしれません」


「その場合、中の宝はどうなるんだい?」


「モンスターなんですから、最初から入ってなくてドロップということになるのでは?」


「ミナイ君、過去防衛隊―」


「キタサト、おまえ―」


「待ってくれ、ミナイ君。重大な話なんだ。過去防衛隊で宝箱を開けたときに宝箱自体が消えたことがあったと思うんだが。知っているかい?」



 それは、罠の方なのか?モンスターの能力なのか?ますます、薬屋さんが…



「フクヤちゃんが宝箱と一緒に消えるのもまずい。流石に未知のモンスターの攻撃を全部スピードだけで対処するのは無理があるだろう。こんなところで、こんなに悩むなんて。もう、誰か―」


「ここは後腐れなく俺に許可をください。対物ライフルで倒しますから。失敗しても俺を恨めば気が楽でしょ?それとも薬屋さんが箱を殴って壊すとか?ここもいつまでも開いているとは思えませんし」



 薬屋さんが沈黙する。





「ミナイ君」


「よし、わかった。全責任を君に取ってもらうことにするから。私は君を恨むということで。もしかしたら殺しちゃうかもしれないけど」


「そのときは私も」



 え?なんで、フクヤさんが出てくるの?何回も死にたくないんだけど。


 宝箱一つで殺されるのかぁ。しかも、味方に。なんてゲームだ。斬新すぎる。


 宝箱から離れて対物ライフルを床に置き伏射の準備をする。なぜか、他の三人は俺の後ろで高見の見物をしている。みんなのライトが忙しい。


 では、始めますか。対物ライフルには弾が入っているのでそのまま鍵穴を狙いサクッとトリガーを引いた。対物ライフルのマズルフラッシュが周りを一瞬明るくする。


 対物ライフルの弾を食らった宝箱は今回もモンスターらしいところを一度も見せずに霧散した。こうなるとモンスターの姿というのも見てみたい。手や足はあるのだろうか?



「ほら、霧散したでしょ。モンスターでしたね」


「そうですね。あなたの言うことはたまに真実が混ざっていてウザイです」



 どう転んでも文句は言われるようだ。それで、薬屋さんはっと。


 あ、ドロップを探してる。結局恨まれるのだろうか?


 俺とフクヤさん、そしてイケメン地図が薬屋さんのところに集まった。



「薬屋さん、どうです?満足しましたか?」



 薬屋さんは、大きな魔石とマテリアル4個を左手に抱えて右手にはライトと小さな円盤を持っていた。さっきまでの深刻な表情が嘘のように晴れていた。憑き物が落ちたようだ。



「いやぁ、君を恨まなくて済みそうだ。本当に殺しそうだったよ。さて、次は中身だね。さぁ、君が中身を調べてくれ」



 情報端末を取り出して外部記憶のアイコンをタップ。チップを近づけてと― これは。



「アサヒワシとありますけど」



 また、薬屋さんの表情が真剣なものに変わっていく。これ、お酒だよね。



「なん、だと。ちょっと、見せてくれるかな」



 薬屋さんによく見えるように情報端末の角度や位置を変える。


 薬屋さんがもっていた魔石とマテリアルを落として凝視したまま動かなくなった。


 この流れは、当たりかもしれないが面倒くさいことになりそうだ。早く家に帰りたい。



「薬屋さん、生きてますか。息しないと人は死ぬんですよ。声、聞こえてますか?」



 すると、突然薬屋さんが動き出した。かと思うと俺に抱き着く。デヘヘヘヘヘ。



「アーサーヒーワーシー」



 しかし、頭の中は止まったままのようだ。抱き着く腕の力が次第に強くなっていく。え?



「薬屋さん、力を。力を抜いてください。この、ままじゃ、フクヤ、さん、何とか」



 フクヤさんは、なぜかイケメン地図を手で制していた。フクヤさんの口角が次第に上がっていくのがわかる。え?フクヤさん、ここで、今しなくても。


 薬屋さんの腕は力が強くなっていくばかりだった。情報端末とチップが手から零れていく。これは、死ぬ。



「く、すり、や、さん。ち、か、ら」



 ガクッ。



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