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3-待ち時間


 ゲームを終了してVRギアを外す。


 待ち時間は1時間。さて、何をするか。


 時間は11時過ぎか、飯でも食べよう。今日もコンビニ弁当でいいだろう。




 はい、エイトイレブンで買ってきましたよ。麻婆豆腐丼と納豆にお茶、あとは晩飯用にカップラーメンとおにぎり。ついでに週刊VRMMO通信だ。スキはない。


 納豆を付属の卵醤油タレにからめて麻婆豆腐丼にかける。これが最近の俺の流行りだ。


「いただきます」



 うーん、うまい。やっぱ、納豆だわ。


 ガツガツ口に放り込む。至福の時である。


 お茶を飲んで一休み。



「ごちそうさま」




 週刊VRMMO通信を読んでみる。『Another Earth Online』の情報を探したが見つからなかった。買って損した気分になった。


 宣伝してないのかな?開発会社のペンタ・ユニクスさんよぉ、随分自信があるじゃないか。それとも開発費の問題か。


 あのゲーム仕様だと人が寄り付かないと思うんだけど…


 相対的にPKが減ると思えば、人気がないのは逆にいいことなのかもしれない。でも、何か腑に落ちない。




 さて、時間は11時半くらい。あと30分かぁ。


 ひょっとしたら、ひょっとするのでゲームを始めてみよう。







 ダメでした。残り時間20分だと。


 VRMMORPGの初日の恒例だとわかっていても辛い。早くプレイしたい。


 攻略wikiでも探してみるか。




 ありませんでした。予定地が一つあっただけでまともなのはなかった。


 こうなれば残るは掲示板のみだな。


 どれどれ……







 掲示板の方は少し情報があった。


 ひょっとすると運営は意図的にログイン人数を絞っているかもしれないとのことだ。


 幸運にもログインできた人が書き込みをしていた。


 そのままゲームをすればいいのにと思ったが、どうやらログインそうそう強制イベントが周辺のプレイヤーを巻き込んで始まったらしい。


 しかも、そのイベントが現地のNPCと”お話”することらしかった。退屈そうなイベントのようで抜けてきたみたいだ。


 そして場所が軍隊の重要施設内部らしくイベントを無視して先に進めそうでもなかったというのがここまでの内容だ。



 最近のVRMMORPGはどれもこれもNPCの作りこみが半端ない。もう、それ立派なAIだよね、と思えるものが多数ある。


 それにしても強制イベントかぁ。プレイヤーひとりひとりにイベントをするわけにもいかないのでパブリックな形にしたのか。面倒なことこの上ない。


 掲示板の続きを読んでみるか……






 かなりの量の雑談と妄想のあとに、NPCとの”お話”の内容が追加されていた。


 幸運にもログインできて”お話”イベントを耐えた人達の書き込みだった。


 ”お話”自体は、NPCとプレイヤーの認識の祖語を減らすものであった。


 要約すると―


・プレイヤーの目的はNPCとほぼ同じなので節度を守って自由に行動して良い。


・モンスターを倒したりお金を稼ぐなら傭兵事務所で傭兵登録をすると便利である。


・NPCは自身を地球に住む地球人だと認識しておりプレイヤー達をある理由からアナザーに関わる人間だと思っている。


・プレイヤーが所持していた謎のスマホは情報端末と呼ばれており、さらにアナザー人だと疑われた。


・”プレイヤー”と”NPC”という言葉はNPCには理解できないようだ。


 ―のようなことだったらしい。


 ますます、このゲームがわからなくなってきた。


 どこを目指しているのか。ある意味で革新的ではあるが…



 もう掲示板を読むのも飽きた。最初の目標は傭兵事務所に辿り着くことだ。


 よし、時間は… えっ、12時過ぎてるじゃん。早く言ってよ!掲示板に夢中になりすぎた。



 ここはサクッと切り替えて、VRギアを装着。ゲームを起動。




『ようこそ、Another Earth Onlineへ』



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