紅の話
喉を潤そうとつけたコップも
空腹を満たそうと運んだ食べ物も
気紛れに咥えた煙草も
口に付ける何もかもが
私の紅を奪う
化粧っ気のない私の顔の
唯一の華
時間と苦労と自尊心をかけた
女の証
誰がそうと決めたかもわからぬ
あからさまな 紅色
欠かせない筈のものに対して
ふと思った
そんなものでしか愛されないなら
いっそ捨てよう
紅が無くとも
愛される“ひと”になりたい
そうやって
私は紅を差すことを
やめた
私は
ありもしない“ひと”になりたい
喉を潤そうとつけたコップも
空腹を満たそうと運んだ食べ物も
気紛れに咥えた煙草も
口に付ける何もかもが
私の紅を奪う
化粧っ気のない私の顔の
唯一の華
時間と苦労と自尊心をかけた
女の証
誰がそうと決めたかもわからぬ
あからさまな 紅色
欠かせない筈のものに対して
ふと思った
そんなものでしか愛されないなら
いっそ捨てよう
紅が無くとも
愛される“ひと”になりたい
そうやって
私は紅を差すことを
やめた
私は
ありもしない“ひと”になりたい
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