表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そして賽は投げられた  作者: 月野白蝶
第一話
2/3

序章 -1-

『聖暦二〇六〇年。(すめら)国を中心とした第三次世界大戦勃発。

 世界を巻き込み約三年間続く。

 その後約三百年の間、世界は何度か戦争を繰り返していたが、聖暦二四五五年にアメルリア兵が誤って香橋(かきょう)の民間人を射殺。通称『血塗られたクリスマス』発生により、以前からいがみ合いが絶えなかった両国の事態がついに悪化。

 アメルリア・香橋戦争、のちに言われる『ナイトメア戦争』勃発。

 各国を巻き込み、それは全世界に広がった。

 聖暦二四五九年に、アメルリア側の勝利で終結したナイトメア戦争後は穏やかな時代が訪れる。

 ただし、戦中、最前線となった皇国は終戦間際に落とされた爆弾のせいで首都が壊滅。

 政府は首都を変えざるをえなかった』



 これは、オレが拾った本に書かれていた内容の一部だって、(そう)が読んでくれた。ホントかどうかを確かめる術は何も無いけど、爆弾が落とされたのはホントみてぇだった。

 周りはほとんどが瓦礫の山になってるし、道は穴だらけ。夜は暗いけど、焚き火をすれば料理はできる。水だったら井戸があるから不便は無い。服は時々〝調達屋〟って呼ばれる奴らが売りにくる。

 政府ってやつらはここを見捨てたが、代わりに壁を作った。

 入るのは自由だけど、出るのには世界大統領ってやつの許可が必要となるんだって話だ。誰だよって思うけど、草が言うにはこの世界で一番偉いやつなんだって。

 そんな物が手に入るやつがそもそもこんな所に入るわけも無く、入ってくるやつは大体、壁の向こうで生活できなくなったやつらばかりだ。だからなのか知らねぇけど、ここには〝法律〟とか言う外のルールは無い。外のやつらが干渉するのは出るときだけで、この中で起きている事には一切関わりをもたないから、なおさらだ。

 いつのころからか、中に住む連中はここのことを、皮肉を込めてこう呼ぶようになった。

〝東の果て、神隠れの古都。東境(とうきょう)〟と。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ