魔法という非科学的な存在
新たな概念を投入しました。
その理由を以下に挙げると
①オリジナル要素の付加
②肉弾戦を描くうえで現実の科学だけではリアリティに欠ける。
③宗教勢力との争いを描くうえで現実の利害関係ばかり書くと作品が無駄に社会批判に集中し過ぎ、本来描きたい物語からかけ離れてしまう。
④今後、戦略及び戦術を書く上で非常に都合が良いと判断したためです。特に戦車の燃料として考えた場合に石油よりも日本国内で手に入りやすく、山間部などの地方に有利な設定とすれば武田家などがパワーアップされる。電気や水素よりもエネルギーの発生力が高い設定にすれば戦いが派手になる。
⑤、②と重なるが武将同士の戦いや個性が出しやすくなると考えたからです。
以上の理由で導入します。
「魔法とやらは何なのか? 」
「霊的技術のことですね! 」
「霊?幽霊か?! 」
「そうです、その幽霊のことです、しかし、少し違う面があるのでご説明します。」
数正殿が魔法について教えてくれた。
「霊的な力について詳しく説明するのは困難なので端的に言わせてもらうと『超常的な力で理論上は何でも出来る力』と思ってください」
「理論的? 」
「はい、理論的と前書きが付くのには理由がありますが……簡単に言えば『科学技術で地球創造したり、光より速く走ったり出来るようになる』と主張するのと同じで理論的には可能でも現状の技術では出来ないものが多いために、そう前書きしております。」
「なるほど」
科学よりも『幽霊が存在する』と言われた方が秀康には理解しやすかった。今の現代人よりも秀康の時代の方が遥かに超常的なモノに関しては信じられていたからである。
「現在、霊的な力で行えるものは多いですが代表的なモノで言いますと『城の防御シールド』『戦車の燃料』などが挙げられます。」
「それは重要だな」
「物凄く重要です。しかし、手に入れる方法が限られています。」
「どうせ寺とかが独占してると言ったところか……」
「その通りです。寺や神社などが霊的な力を独占しています。それが武士だけではなく庶民の問題となっています。」
この点の話は現代人よりも秀康達の方が理解しやすい問題であった。何せ戦国時代は宗教勢力の力が強く、その力は余裕で武士よりも上位であった。宗教が強い理由は古今東西皆同じである。強さの理由は『宗教を信じる信者がいるから』とか『権力者が相談に来る』というような単純なものでは無く、『宗教勢力の寺院には人が集まり、人が集まる所を宗教勢力が牛耳るからである。』、現代でも分かりやすい例を挙げると長野の善光寺が代表例である。長野の善光寺は長野県の長野市にあるが……長野市に行けば分かるが『長野市は善光寺の門前町で善光寺のお陰で成り立つ都市』という側面が非常に強いのである。(または浅草の浅草寺でも例としては成り立つ)今でも、この程度には強い影響力を残す寺院や神社が全国に多数存在している。
「仏は強いからな……」
「霊的な力を集めるのに寺院や神社は余りに有利な土地を専有しているために我々も大変困っております。」
この時点で既に本願寺連如が来て以来ずっと三河本願寺門徒の棟梁的な地位(総代)を世襲する石川氏出身の石川数正だが……この時、既に後の未来を予見するほど彼女の宗教勢力への考え方が垣間見れる発言であった。
「彼らに頼らずに手に入れる手は無いのか? 」
「あります、一つは大名の直轄の領地、二つ目は民間、三つ目は外国勢力からの輸入です。」
どうやら外国からの輸入も出来るようである。
「また、霊的な力は集めるだけでは軍事利用出来るほどにはなりません。」
「ほう」
「三段階で説明すると第一段階を採取・一次加工(運搬用加工)とした場合、第二段階が純度を高めて力を強め各種燃料とする精製、第三段階を軍事利用するための加工、というように分かれます。」
「分けることによる意味は? 」
「戦略性の問題ですね、例えば第一段階を他者に依存していても第二段階を支配していれば差引の差額で利益が出ますし、上位を支配して影響力を強められます。また、分けることで具体的な自軍の強みと弱みが分かり、どこに、どの段階のモノがあるか分かりやすくなります。」
「なるほどなるほど」
まとめ
霊的な力とは超常的な力で理論上は何でも出来る力だが技術的に何でも出来るわけでは無い。霊的な力は宗教勢力が大部分を支配しているが……霊的な力を手に入れる方法は他にも多数存在している。霊的な力を利用するには三段階の工程を踏まなければいけない。この三段階を全て支配していなくても霊的な力を豊富に手に入れることは可能である。
難しく書かずに簡単に書きました。詳しく知りたい方は質問等を感想ページやツイッターでツイートをして会話をしてくれると助かります。
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