現状と現実科学の説明
マイページの活動報告に主要な登場人物を紹介しています。あと人物紹介などをしております。
広忠公のところを去った後、数正殿に再びあうために事前に聞いていた合流場所に向かう、三人で向かっている間中ずっと後ろを別の三人が後をつけて来ていた。圧倒的存在感がある三人で気配を隠していないクセして、こちらが振り向こうとすると隠れるので良く分からん三人である。
「数正殿いるかー」
「はいはい、いますよ、どうぞ入ってください」
「では入るぞー」
三人で数正殿が待っていた部屋に入ると襖を閉めて仙千代を襖側にして真ん中は俺で三人で仲良く数正殿の前に正座で座った。
「なんで正座なんですか? 」
「いや、癖でついな……」
「若君なんだし、崩しても大丈夫ですよ? 」
「おお、大丈夫なら安心して崩せるな」
「……」
こうして四人仲良く現状の松平家の状況について聞くことにした。
ふ~む、いろいろあるのだな! これは本格的に勉強せねばなるまい!! 都合の良い事に頭は若いゆえに冴えておるので勉強には困らないだろう。
「まず、科学について説明しなければなりません。 」
「かがく? 化学か?! 南蛮の力だな……」
「そうとも言います……ただ世界的にセルロースナノファイバー技術に関しては我が日本が世界最高だと言って構わないと思います。防御シールド技術は南蛮には負けますが…それでも小型化に成功しているので個人兵士も装備可能です。それが現代の足軽の復活に貢献しました。」
「ほう、足軽とな! 」
「はい、足軽は最低限の装備をした兵士で非常にコストが安いため、現在の戦争の主力となっています。」
「防御シールドの使い方は?」
「使うのは簡単ですが…上級者ほど使い方が上手く、戦術の幅も増えて攻撃にすら使えるレベルになっています。」
数正殿の話は興味深いが自分で試したり、勉強する必要がありそうだ、だが勉強する前に俺にはやるべきことがある。
あと聞いた話によると銃器では防御シールドと魔装甲冑を貫通しないために弓や槍が戦場の主力になっているとのことを聞いた。
「財政は厳しいのか? 」
「まず、松平家が厳しいというよりは三河全体が厳しくなっております。」
「ほうほう」
「東西共に戦乱による被害と難民に加えて武器の購入による財政難による税金の引き上げが三河の経済に衰退を与えています、松平家は最近までは豊田市、知立市など比較的に豊かな地域を支配していましたが現在は織田家に奪われて財政が悪化しております。」
「豊田に何があるのか? 」
「あそこには大型の戦車工場など精密機器産業が存在しています、比較的に戦乱に晒されにくい立地ということもあり、今現在も重要な産業が集中しています、あそこで作られる機械や部品は輸出することができるため財政に直接的にプラスになるのが大きいです。」
「なるほど、物を作って輸出するのか…金や銀、紙とかではいけないのか? 」
「金や銀は輸出するレベルで産出している地域が限られています、紙は製紙工場で生産されますが原材料が高騰したために利益率は低く、お金を生み出すのは無理があります。」
「木が豊富にあるのに他に使い道がある、つまり、薪の需要が多いのか? 」
「確かに薪の需要はあります、ですが、一番影響を与えているのはセルロースナノファイバーという炭素繊維です。これが大きな利益を生み出しており、山間部地域の戦略的重要性が高まりました、今やこの山間部は利益を生む地域となり…三河の北側は最近は武田家が進出してきております。」
「なんと!? 武田が既に進出してきているのか……」
数正殿の話だと武田春信が甲斐を平定して信濃に進出して激しい争いをしているという、そして争いの資金を得るためと今川家への嫌がらせを含めて遠江、三河の山間部に勢力を伸ばしているという話である。
セルロースナノファイバーとは炭素繊維の一種で木などの植物から原材料を採取可能なモノである、鉄の五倍以上の強度があり、魔装甲冑の原材料となっている。
水源も重要性を増しており、山間ではダムなどのお陰で水源と電力を生産して輸出して金銭を稼げるそうである。戦乱で大都市圏が飢餓に襲われた際に多くの人々が山間に逃げたために山間部の人口が増大している。
「地方が有利な時代が長らく続いていました。」
「うん?、今は変わってきているのか? 」
「はい、地方勢力が争っている間に都心部も整備が進み、治安が回復したことで次第に食料面では地方に輸入しなくて済むようになりました、また、外国からの輸出入も回復したことに加えて塩の生産や漁業など沿岸地域特有の価値も増してきました。これが都心部に再び活力を与えています。しかも、元々の人口の多さが都心部に相対的な有利を与えつつあります。」
「ほー」
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