織田信行VS織田信長
マイページの活動報告に主要な登場人物を紹介しています。
美濃の斎藤道三が死んだ時に兄信広が裏切った時に信行は信長を支持した。さらに信長が最も信頼し、大切に思っていた平手政秀が信長の行動を理解できずに自害しても信行は信長を信頼していて信長の理想を理解している素振りさえ見せたために織田信長は信行のことを信用し始めていた。
さらに、水野家への支援のために信行に軍勢を任せても信行は信長の期待以上に働き、信長が名古屋城を信行に任せて蟹江城建設のために出陣している時も信行は不審な行動はせずに役目をはたしていたことが益々信行への信頼を強固なものにしていた。
これら信行の功績と忠義ある行動が信長の信行への不信感を弱め、道三の死と平手の死という信長の心理に大きな打撃を与えた事件のこともあって信長は信行に対して必要以上に精神的に依存していくことになった。
「この状況は危険だ!」
赤鶴は信行を邪魔だと思い始めていた。彼女は美濃の土岐氏の分家筋にあたる明智家の出であった。その彼女の実家は斎藤道三に協力していたという理由で一族の大半が殺されてしまった。彼女の父親も行方知れずとなっているなどしていた。そのこともあり、道三の娘の婿である織田信長には是非とも斎藤義龍を討って欲しいという願いが赤鶴の心に芽生えていた。
「そのためにも信行は邪魔だ!」
赤鶴は信行の本性を見抜いていた。だからこそ、赤鶴は必要以上に信行を貶めようと画策し始めていた。しかし、信行の奴は上手いこと信長の目を掻い潜って疑いの目から逃げるどころか…むしろ活躍して前以上に信長の信頼を得て来ていた。
赤鶴の心配は的中していた。富士ハイキングから帰還した斯波義銀は蟹江城主の服部友貞と結託して信長を排除しようと画策する。この画策に信行は密かに参加していた。余りに自然かつ大胆な信行の策は赤鶴の実実力をしても見破れないものであった。
「これより、我らは名古屋城へ向けて進軍を開始する!」
信長が美濃へと向けて出陣して名古屋城を空けている間に信行軍約三万で名古屋城を奪い取ろうという作戦である。突然の信行の挙兵宣言は赤鶴にとって、まさに寝耳に水な出来事となった。
「まずい!まず過ぎる!!」
赤鶴はふだんの冷静さを失って慌てた。そして彼女は自分が間者だとバレるかも知れない危険を冒してしまった。
名古屋城には佐久間盛重が三千五百人余りの兵力で駐屯していた。ここに赤鶴からの報せが入り、盛重は直ちに籠城準備に入った。そのために何とか信行による名古屋城の奪取は回避された。
「なぜ、バレたのだ?内部に間者がいるに違いない!」
そう考えた信行は直ぐに網を張ったところ…怪しい人物を捕えることに成功した。その人物は赤鶴が放った間者であった。彼は名古屋城に報せを届けた後に赤鶴の元に戻ろうとして捕らえられたのである。
「捕らえた男を連れてこい!」
信行は名古屋城を包囲すると本陣を近くの建物にした。その建物に捕らえた男を連れてこさせるのである。その間、赤鶴の内心は焦りで一杯であった。下手なことをしたと自分を責めるが…時すでに遅しであった。変に間者を庇えば自分が不利になるだけである。かといって無視すれば間者が真実を口にする可能性があり、まさに赤鶴にとって最悪な状況になったといえる。
「お前が間者なのか!」
信行が間者に向かって言葉を投げかけると投げかけられた男が言葉を口にする。
「そうだ!」
「お前は何故、私を裏切った?」
「裏切ってなどいない!裏切ったのは信行!お前だ!!」
「なんだと!この野郎、痛い目にあわないと分からぬようだな!」
「ふん、偉そうに、お前など…じきに信長様に倒される程度の男になる。」
「…」
信行は男に言われて悩む、確かに当初の予定よりも厳しい状況になった。しかし、自分の方が有利だと知っていた信行は男の言葉に心を痛めることなど無かった。
「間者よ!お前を遣わした者は誰だ!」
「織田信行様です。」
「馬鹿にしているのか!」
間者の男は信行の質問に真面目に答えようとしなかった。それに痺れを切らしたのは近くにいた女中の青彩と黄猿だった。
「このような無礼者を許すわけにはいきません!即刻殺すべきです!!」
「そうです!殺しましょう!!」
赤鶴にとっては思わぬ援護射撃であった。
「赤鶴、お前はどう思う?」
赤鶴は信行に意見を求められた。赤鶴は簡単には言葉を発することが出来ずにいた。
「ふん、そんな髪の赤くて娼婦のような女に意見を求めるとは!織田信行は、とんだクソ野郎だな!!」
「なん…だと…」
赤鶴は八ッとして言葉を発した男の目を見る。男は赤鶴を憎い敵と思っているかのように睨みつけていた。赤鶴は男の決意を感じ取ると共に罪悪感を捨てて冷酷な言葉を発する。
「私を娼婦呼ばわりするとは!なんと無礼な男なのでしょう!即刻殺すべきです!!」
赤鶴の意見を聞いた信行は悩む素振りを見せるが…男が真実を話しそうに無いことを読み取ると赤鶴達の意見を受け入れた。
「そのものを打ち首にしろ!」
こうして男は殺された。
赤鶴にとっての直接的な危機は過ぎ去ったものの間者の死により、赤鶴は身動きが取れなくなってしまった。これ以降は信行に意見を述べて少しでも信行に間違った判断をさせる方向に舵を切らざるおえなくなった。
この時、赤鶴と同じように危機感を抱いていた人物が二人いた。その一人が青彩である。彼女は実は滝川一益の妹であり、本名は滝川益重という。そう、一益の命令で信行の元に潜入していたのである。
そんな彼女も赤鶴とは違うリスクを冒していたもののバレずに済んでいた。しかし、誰の間者だか分からないが間者が捕まって困ったのは彼女も同じであった。彼女は捕まった間者の上司が残りの女中の赤鶴か黄猿のどちらかだとは勘づいていた。もし、間者が女中の中にいると信行が知れば青彩も疑われる危険が生じることになって困ることになるために男を殺すように信行に進言したのである。
青彩の送った使者によって姉の滝川一益に報せを入れたのである。これで信行の挙兵は信長の知るところとなった。
※滝川益重は史実では一益の兄弟ではありませんが…話を分かりやすくするために妹とします。
さて、報せを聞いた信長の方の動きは動きだけを見れば迅速だった。しかし、信行の挙兵が信長の心に与えた衝撃は予想より大きかったらしく、この時の素早い決断は佐久間信盛に促される形で行うという信長らしくないものとなっていた。
信長軍は犬山城に池田恒興の軍勢を残すと一路清州城へと向かった。清州城には斯波義銀が服部友貞の資金と兵士を借り受ける形で挙兵して城を占拠していた。その数七千にもなっていた。
「一益に二万六千を与えて蟹江城に派兵しろ!」
信長の指示で二万六千の兵力が蟹江城に派遣された。蟹江城には服部友貞が籠城していた。友貞は兵の多くを義銀に与えていた。自身は四千前後の兵力で蟹江城に立てこもり、美濃の斎藤義龍が救援に来るのを待っていた。
「義銀を下すのは難しい、信行の奴が清州に攻めてきてくれると助かるのだが…」
義銀の方は富士での会合での屈辱が効いたのか一門と共に頑強に城に立てこもって信長の策略に応じることも無く、信長の包囲に良く耐えていた。戦いは長期戦になる可能性が生じていた。
この戦いは信長に不利な要素が多く、信長は追い詰められていた。特に名古屋城は信長の本拠地であり、御金蔵を有しており、信行に奪われる訳にはいかない拠点である。その拠点を信行が包囲しているのは大変不味い状態であった。
さらに悪いことに美濃の斎藤義龍は総兵力五万近い兵力を二手に分けて尾張に進撃してきていた。つまり、蟹江城と犬山城である。この状態では敵が城を明け渡すのを期待するのは難しかった。
信行陣営は既に信長軍が名古屋城を救援しようとして来るのを見越して柴田勝家などが信長軍を向かい打とうと陣地構築などして準備を整え始めており、無理に名古屋城に進軍すれば負ける可能性が高くなるという問題が生じていた。
「どんな手段を使ってでも信行を誘いだせ!!」
信長は謀略を用いて信行を誘い出すべく動き出すのである。
信行には頑張ってもらいたい!
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