関東決戦!~激戦編~
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上杉軍の兵士達も最初は今川の別動隊だと考えていたが…当然、戦ううちに相手が武田だと気付くことになる。武田との戦いは上杉勢とって今川家と戦うよりも明確な敵対意識を持つ相手だけに戦意は下がるどころか逆に上がる結果となった。
「うらああああああああ!!」
勢い良く武田軍へ上杉軍は殺到するように突撃して攻め込んだ、この勢いに上杉景虎は危機感を覚えた。
「退却するのが目的だ!敵を殲滅することばかりに気を取られるな!!」
「景虎様」
「直江よ、お前は御旗を守って退却路を確保しろ!私は前線の兵士達を退却させるために陣頭指揮を執る。」
「分かりました。」
御旗とは言うまでも無く、総大将の本陣を示す旗のことである。この旗を敵に取られることは戦いに敗北する以上に恥ずかしいことだ言われるほど重要な物である。
「御旗を持って移動するぞ!」
「「ハッ!」」
景虎が陣頭指揮のために直江の元を去ると直江は部下に命じて御旗と共に軍勢の退却路を確保するべく移動を開始した。
「ばんざああああああい!」
移動しようとした直江たちの軍勢に突然横合いからチハ戦車を中心とした武田勢が突入して来た。率いていたのは山本勘助である。
「なっ!?武田勢か!迎撃しろ!!」
横合いから奇襲されたとはいえ、兵力では直江勢の方が圧倒的に多かった。また、戦車の数では劣っても質では圧倒的な上杉勢は直ぐに反撃を始めた。
※言うまでも無いが直江家は越後の有力国人であり、上杉家の重臣家系である、対する勘助は武田家の重臣だが自前の兵力は少ない、ただし、勘助に同調した兵士と戦車一個大隊が勘助の隊に合流していた。
ダダダッ!ドーン!ダダダッ!
「敵を押し返せ!」
ヒューン!ドカーン!(近くに着弾する砲弾の音)
「わあああああああ」
「ぎゃあああああ」
「クソッ!」
直江景綱の傍にも武田勢の攻撃が当たり始めることになる。
「ばんざいいいいい!」」
「敵を寄せ付けるな!御旗を守れ!」
「「うらああああ!」」
直江の傍まで敵は攻めてきて乱戦となり、景綱も武田の兵士と戦う羽目になった。
「直江景綱殿とお見受けする!」
「おまえは…」
直江景綱は名前を呼びかけられ、相手に「誰だ!」と叫ぼうとしたが、相手の顔を見て叫ぶのを止めざるおえなかった。何故ならば相手の顔と風貌を景綱も知っていたからである。そう相手は山本勘助であった。
「これは僥倖!敵の最側近を討つ機会を天は与えてくれたらしい!!」
「それは、こちらも同じことだ!!」
「いざ、尋常に勝負!」
山本勘助が直江景綱に斬りかかった。
武田勢の方は上杉軍の突撃で乱戦となって激しい白兵戦が展開されていた。この状態に武田晴信は指揮車両用の赤いオープントップのジープに乗りながら苛立ちを強めざるおえなかった。
「喜兵衛よ、刀を持って来い、それと御旗を前線に掲げさせろ!!」
喜兵衛とは真田家の三男坊で武藤家に養子に出された晴信の小姓の名前である。現在、晴信の一番のお気に入りとして知られている。喜兵衛は晴信に言われて戸惑いを隠せないのか立ち止まる。
「どうした、喜兵衛!指示通りにしろ!!」
「お館様、御旗を前線に出すのは危険ではありませんか?」
「乱戦になっているのだぞ!」
「だからこそ、御旗を守らねば…」
「お前も分からぬ奴だ!乱戦だからこそ、前線の将兵どもに一歩も引くな!死守せよ!!という意思表示のために掲げよ!と命令しているのだ、分かったら早くしろ!!」
「…分かりました」
喜兵衛は晴信に言われた通り、周囲にいた部下達に命じて御旗を前線に移動させ、自らは晴信に言われた通りに刀を持って晴信の元に向かった。
ヒヒーン!という馬の音がした、晴信と喜兵衛は鳴き声のした方角を見ると一騎の武者が馬に跨りながら晴信の元へと突撃してくる。それを見た喜兵衛は直ぐに近くにあった槍を持って晴信の元に駆け寄る。
「お館様!!」
しかし、晴信は前に出ようとする喜兵衛を手で静止して止める。そして突撃してくる武者を見て語気を強めた。
「ながおかげとらあああああ!!!」
突撃してきたのは武者を見て晴信が叫んだ!相手を晴信は知っていたし、見間違えるはずのない相手であった。そう、上杉景虎だったのである。
「武田晴信!」
上杉景虎は突撃する時に近づいて来た武田の兵士を槍で突き刺した、時に正面の赤いオープントップのジープに乗り武田晴信を見つけた、邪魔が入らない内に討ち取ろうと槍を抜かずに晴信に向かって刀を抜きながら突撃した。
「しねえええええ!武田晴信!!」
向かいうつ晴信も持っていた軍配で向かい打った。ちなみに軍配はセルロースナノファイバーで出来ていて鉄が仕込まれているなど見た目と違い頑丈で鈍器となるように作られていた。大きさも通常のより大きく作られているなど晴信独自の改良が施されていた。
カキーン!(お互いの武器が重なって弾かれる音)
お互いの武器が重なる瞬間お互いに目があった。景虎は瞬時に武器が弾かれることが分かり悔しそうにするが…晴信はニヤリと笑った。それを見た景虎は直感で直ぐに刀が弾かれると同時に刀を引き戻した。そして晴信の傍に控えていた小姓の槍を刀を使って弾いて回避すると馬を前進させて逃げた。
「クソッ!!」
「晴信様、申し訳ありません」
「構わん、お前は悪くない」
そう言いつつも晴信の顔には悔しさが滲み出ており、喜兵衛としては申し訳ないと思わざるおえなかった。しかし、直ぐに喜兵衛は晴信の前に出ると景虎に続けとばかりに突撃して来た上杉兵を討ち取って晴信を助けた。
これに晴信の他の小姓たちも続いて敵を討ち取り、晴信のいた周りの上杉兵は、ことごとく討ち取られて消えていった。
戦いは結局のところ、上杉勢の退却という形で終わりを告げた。逃げ切れなかった上杉兵は殺されるか投降した。
「信繁を呼んで参れ!」
「父上、それが…」
晴信の元に駆け寄って来ていた武田義信が突然、晴信に重苦しそうに告げる。
「なんだ?」
「信繁様が…」
「まさか…」
「父上!!」
嫌な予感がした晴信は義信の言葉を聞かずに走り出した。そして多くの人だかりがいるところに行くと兵士共をかき分けて人だかりの中央に行く、すると担架に乗せられた一人の人物を見つけると泣き叫びながら近づいて横たわる人に抱きついた。
「我が弟よおおおおおおお!!」
人目もはばからずに晴信が泣くので周囲も、もらい泣きして泣き始める。
「どうしたのですか、姉上!」
「信繁が死んでしまった!!」
「いや、私、生きてますよ!殺さないでください!!」
「へっ!?」
晴信が横たわる信繁を見れば生きているではないないか!!その途端、晴信は無き止むと悔し気に言葉を吐く。
「なんだ、死んでおらぬのか…」
「ちょ!姉上酷く無いですか!!」
「酷いのはお主じゃ、死んだと勘違いさせよって!!」
周囲の将兵がドッと笑いだし始める。そんな中で真田幸隆を伴って後ろから来た高坂が青ざめながら晴信に声をかける。
「晴信様!申し上げにくいのですが…」
「なんだ、言ってみろ!」
少し間をおいて高坂が言う。
「勘助様が行方不明になっております!」
「…」
「晴信様?」
「姉上、どちらに!行くのですか!!」
突然晴信は立ち上がると再び戦場へと向かって走り出した。そして周囲にいる兵士と死体を手当たり次第に確認し始める。
「勘助は!勘助はどこにいる!!」
ここか?ここか?と手当たりしだいに探すが見つけられず…途方に暮れてヘタり込んでしまう…
「勘助よ!いったいどこにおるのじゃ!!」
泣くことも出来ずに晴信の悲痛な叫びが戦場に響き渡る。
ネタバレすると(笑)勘助も生きています。本当は殺そうと思ったのですが…ぶっちゃけ、その方が後で面白くなることに気付いて路線変更しました。
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