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吉良義安

 吉良家は三河守護にあたる家系である、最近まで吉良家は東西に分かれていたが両家を統合して力を付けたのが吉良義安である。

 義安は優れた武将だったが……東西統一後に弟に東条家を継がせることで吉良家の結束を固めようとした、これが裏目に出て吉良義昭が義安に戦いを仕掛ける事態に発展した。

 戦いは富永忠元の活躍で義昭側が勝利した、勢いに乗る義昭は敗走する義安を追う準備を始めている、西三河にある義安の領地を守る家臣達は既に怪しい動きをしており、帰る訳にはいかなかった。だからこそ義安は松平家に助けを求めようとしていた、この時、彼の頭には信定が念頭にあった。織田派に近く、義安も織田派に近いので助けて貰おうと考えたのである。


 だが、丁度、その頃に岡崎城を信定は離れてしまっていた、代わりに松平家で力を付け始める秀康という人物、義安は彼のことを知らないが…それでも自らの命を救うために秀康に謁見を望んだ。

 謁見は岡崎城で行われた。


「私は義安という者だが……助けてほしい」


 プライドの高い吉良家の人間だった義安は松平家の人間に頭を下げるのに抵抗があった。さらに秀康は自分よりも若く、イヤらしい目で見られている気がして気分が悪かった。

 だが、我慢するのだ、義安と心に言い聞かせて秀康に土下座して頼み込んだ。


 秀康陣営は既に助ける気満々だったが形式的には義安の要請による出陣という形を取ることを忘れてはいけないために茶番であるが一応は謁見という形をとった。もちろん義安陣営にとっては茶番のつもりなど一切無いので緊張と震えが止まらない会見となった。


「義安殿、お顔をお上げください」

「はい」


 義安は緑髪の中々の美人さんだった、秀康は内心嬉しかったのに違いない。しかし、今は重要な時なので厳かな雰囲気は崩さないように努めた。


「義安殿を助けたいと思うのですが……」


秀康が口を濁すようなことを言いそうになると義安が秀康の口を遮るように言葉を発する。


「助けてくれたら、何でも致しますので」


秀康としては拍子抜けである、プライドの高い吉良家から都合の良すぎる回答が飛び出るとは考えておらず…目が一瞬点になった。


「そうか、そうか、それでは助けない訳にはいかないな」

「おお、助けてくれますか」


義安は目を輝かせて秀康に近寄ってお願いのポーズで聞いてくる。


「もちろんだ!助けた時には……」

「何でも致しますとも」


笑いがこみ上げてくる秀康であった。


「では、出陣だ」


周囲にいた家臣が声を上げる


「おおおおおお」


 秀康はここで初めて敵の戦力を知る。


 まずは、我が軍、先の二千に追加の戦力を足して倍になったので約四千余りである。これに敗走してきた義安の二百人程度の兵士が加わる。我が軍自慢の戦車は三百両未満である。


「我が軍には三号ちゃんを超える四号ちゃんがいます」(数正殿の発言)


 ※戦車は第二次世界大戦のドイツ系、セルロースナノファイバー技術で作られているため、装甲は五倍、重量は七分の一に落ちている。主砲の威力は極めて向上している。速力は中に乗る乗員や弾薬及び計器の分を足して考えても軽く60㎞は超えている。コストパフォーマンスが極めて良い、ミニ国家な戦国大名の懐に優しい。


 吉良義昭軍、推定約二万いると思われる。保有している戦車は今川家経由で北条家から購入したフランス系のソミュア戦車である。富永率いる精鋭が特に強力との話である。戦車の中にはB1重戦車も複数いると考えられる。あと三号ちゃんが多く配備されている。戦車量は二百両未満と劣るがソミュア戦車が極めて強力であり、スペック上は三号戦車の完全上位である。


 松平家の弱点は三号戦車と四号戦車の数が少ないことである。大部分は一号と二号になる、それと織田家から鹵獲したM3軽戦車が含まれている。二号戦車は重機関銃を装備しているので歩兵相手には無双出来る可能性があるとの話である。三号戦車を改造した三号突撃砲も配備されている。(通称:三突)


 他には我が軍は武士比率が高い、先の織田との戦いのせいで歩兵と言われる簡易足軽の定数が下回っているために生じている弊害である。他に我が軍にはパンツァーファウストと呼ばれる対戦車兵器があるとの話である。


「吉良義昭は今川家の意向を無視した軍事行動をしていると推測されます」


 数正殿曰く、今川方の諸勢力が吉良義昭軍に参加していないのが見られることから今川家の判断での軍事行動では無いと考えて良いとの話をしてくれた。


「それならば好都合だろう、敵との戦いは京ケ峰の赤石神社がある付近で戦えるのがベストだろう」


 京ケ峰の赤石神社がある付近は交通の便が良い、一方で山間で狭いので少ない戦力を集中して吉良軍と戦えるという好立地である。しかも、近くに長沢松平家の城が築かれており、上手くいけば彼らを取り込んで戦える可能性まであり、非常に都合が良さそうである。


「よし、長沢城に向けて全軍を進軍させよ」


 こうして松平軍は進軍を開始した。

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