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細川藤孝と明智十兵衛の策略②

大三好包囲網が形成されて六角義賢率いる軍勢が京都に攻め込んで来ようとしていた。足利義輝はどちらに付くべきか決めかねていた。義輝の側近の細川藤孝も決めかねていた。


細川藤孝「どちらに付くべきか迷う」


明智十兵衛「三好に付くべきではないでしょうか」


藤孝「なぜそう思うのだ?」


十兵衛「六角に付いても三好が勝ちます。」


藤孝「なぜ三好が勝つと思うのだ?」


十兵衛「問題は畠山・六角にあります。細川春之が死んだことで畠山と六角を結びつける存在が消えてしまい、六角と畠山は互いに牽制することになります。補給の面でも不安がある大坂方面に六角が進軍するとは思えません。」


藤孝「確かに……」


畠山は理由さえあれば何でも良かったかもしれないが……六角義賢にとっては大事な大義名分だった。


畠山は天下の足利御一門で三管領一族である。だから細川がいなくても畿内を平定する大義は十分にあるし、大阪は元からして畠山の地元である。だから積極的に攻めていける。


対して六角は足利家とは血の繋がりがあるが足利一門では無く外戚である。足利一門で六角家と婚姻関係がある細川家の支援が欲しかったのである。それが無い状態での京都入りはリスクが高かった。


藤孝「私が六角に加わるというのは無理があるよな?」


十兵衛「まず無理だと思います。それに伊勢貞孝様がいることも忘れてはいけません」


藤孝にとって最大のライバルは足利家ナンバー2の伊勢貞孝である。細川であり義輝の寵愛を受けていて三淵氏が味方でも越えられない壁があった。


伊勢氏の力の源は所領の大きさよりも『政治・外交を取り仕切る地位』を独占していることである。公益面でも伊勢氏は利権を持っており、足利家の経済力は伊勢氏あってこそと言って良い


それに加えて関東の覇者といっても良い後北条氏も伊勢氏である。そのことも考えれば伊勢氏の力は強大だったのである。


藤孝「十兵衛よ、三好に付くとして我々はどうするべきだ?」


十兵衛「清水寺を味方に付けるのはどうでしょうか?」


清水寺と聞くと今の人は観光名所としか思わないだろう、しかし清水寺は武蔵坊弁慶を出した僧兵の本拠地の一つであり、戦国期でも清水寺周辺は栄えていて高い経済力を誇っていた。それに加えて最強クラスの僧兵が清水寺にはいた。


藤孝「味方に出来るのか?」


十兵衛「私にお任せください」


藤孝「清水寺を味方に出来たしても六角勢を止めるのは難しいのでは?」


十兵衛「京都の要所である清水周辺を制圧出来ないままでは六角の名誉は失われます。さらには足利将軍家に三淵氏などの幕臣の領地は山城国南部に集中しています。守らなければ我々は終わりますよ」


藤孝「死守せねばならんということか」


十兵衛が三淵氏の領地があると強調してきたのは明らかに藤孝に対して深刻さを示すためだった。藤孝としても退く訳にはいかないというわけである。


十兵衛「加えて言いますと貞孝様を引きずり落とすチャンスでもあります。」


藤孝「どういう意味だ?」


十兵衛「藤孝様が義輝様を説得して清水寺に籠城して三好方になっても貞孝様は恐らく御所から出ずに終わります。」


藤孝「なるほど」


十兵衛「貞孝様にとって大切なのは伊勢氏の持つ利権です。」


藤孝「勝ちさえすれば貞孝を追い出すチャンスが来る訳だな」


十兵衛「そのための伏線は今から張っておくべきです。」


二人はお互いに悪い顔していた。

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