出陣する!
朝起きれば頭が重たい……
いったい何が起きたのか……
目を開けているのに暗いと思ったら誰かの足が……
もしや…女子の足か……
期待しながら足をそっと持ち上げると
「なんじゃい!仙千代の足ではないか」
ブンッ!(足を放り投げる音)
「まぁ当然だな……」
昨晩は両隣に富正と仙千代の布団を置いて寝た。
仙千代は寝相が悪いのは知っていた……
富正は規則正しく寝るので問題は無い。
(女子と寝たいのぉ数正殿とかどうだろうか……押せばイケそうな気がするが……)
「いかん今日は戦の日だから」
朝起きたら剣術の修行をした、体は訛ってはいないようだ、富正と仙千代も訛っていないようだな
戦は何時の時代だろうと兵器が変わろうと同じ原理で動いている、それに実際に戦うのは配下の武将達だ、彼らのヤル気を出させて戦うのが戦である。謀略などになれば時代など関係ない、孫子の兵法が幾千年経とうと有用な時点で分かるというものだ、それに俺は秀康だぞ、そこらの凡将などには負けない。
三人で井戸で行水をした。こちらの世界にも井戸があるということはそういうことであろう。
朝食も生卵に海苔、お新香、白米という超豪華だった。おいおい、松平家の財政は大丈夫なのか?
その後、呼びにきた数正殿に従って皆が集まる場所にいった。そこに集まってくれた陣容は数は少ないが中々であった。
本多重次、酒井忠次、石川数正、家成、本多忠真、平八郎、本多正信、三弥左衛門兄弟、榊原清政、小平太兄弟、大須賀康高の計十一人であった。
広忠公はいない、これは俺が独断で行うこととしているからだ
意外に凄いのは酒井忠尚の家臣である、榊原家と大須賀家が主力を引き連れて参戦してきたことである。
大須賀は小平太に誘われたのが大きいようだ。(親友のためだと思われる。)
「まずは、この中で元服していない者に名を授けなければな、どうすれば良いかな? 」
少し謙虚に聞いてみる。
「ここは、秀康様が決めるべきでしょう」
示し合わせていないというのに重次が俺の望んでいる答えを言ってくれた。さすが重次だ
「コホン、だが俺が決めて良いものだろうか? 」
だが、簡単に納得すると後がうるさい連中だからな!ここは謙虚に行くのが正解だろう。
「それでよろしいかと思います。」(数正殿の声)
「右に同じ」(忠次殿の声)
これだけの人間が言っているし、他もうなずいているのでいい頃合いだな
ここからは茶番である。元から決まっている名前の発表会だ、正直詰まらん。
「では、平八郎は忠勝、小平太は康政、仙千代は成重、源四郎は富正、三弥左衛門は正重でよろしいか? 」
「「「「「はい!」」」」」(新たに名前を与えられた五人の声)
「名前も決まったことだし、出陣しますか 」
「お待ちください 」
「なんだ、数正殿、何かあるのか? 」
「若君は髪の色が黒のままです 」
「うん?それがどうした」
「武士は髪を長くして染めるのが習わしです 」
「そんな決まりがあるのか 」
「はい、いかがしますか 」
何と、そんな決まりがあるとは知らなかった…だが染める色は即決出来た。
「では、赤にしよう 」
こうして俺は赤に染め、富正は銀髪に染め、お仙は薄緑に染めた。
髪を染めて戦装束に身を包んで出陣する
城を出て門のところまで行くと軍勢が待っていた。
総勢約二千余りである。
みな色とりどりの甲冑を着て出陣した。




