物語の始まり
マイページの活動報告に主要な登場人物を紹介しています。あと人物紹介などをしております。
ヒューンドカーンという音がして地響きが来る、そんな音と地響きで意識が覚醒した。意識が覚醒する中で思ったことは『死後の世界に来たんだな……』という感想であった。恐ろしげな音がするので思ったことであった。目が真っ暗なので音だけの世界なのか? と考えたが……ただ単に目を開けていなかっただけであった……
目を開けてみると見知らぬ天井が見えた…材質が木では無い、灰色の石から鉄のような物が剥き出しである。頑丈そうだが、何で出来ているのだろうか? という疑問が浮かんだ。
次に疑問に思ったのが腹部の辺りの重さである。不思議に思って腹部の辺りを見てみると……幼い童が私の腹部に乗っかって倒れていた。『男に乗っかられる趣味は無い』と思い、この失礼な幼い童は誰だ! と思い相手の顔を見た。
不思議なことに昔見たことのある顔だった…どこだっただろうか……いやいや……私に限って人の顔を一度見て忘れることなど無いはずだ! (人生で一度だけ……忘れたら家臣に切腹された黒歴史が蘇ってきた。)
よく思い出すのだ! と自分に言い聞かせて見てみると……
「仙千代? いやいや…奴とて…こんなに幼くは無いだろう!? 」
そういえば、仙千代は随分ふてぶてしい奴だった…腹に乗っている幼い童もふてぶてしい寝顔だ……
「於義丸様」
「誰だ、私のことを馬鹿にしているのは、叩き殺すぞ」
幼名を呼ばれたので反射的に言葉が出てしまった。言葉を発したと同時に相手を見ると、そこには別の幼い童がいた。こちらも仙千代と同じく若々しかったが直ぐに分かった。
「源四郎か? 」
源四郎とは私の家臣で親友である本多富正のことである。若くても仙千代以上に接していた時間は長いので直ぐに理解できた。『まぁここは死後の世界だから死んだ人間は若くなるのかもなぁ……』
ふと疑問に思い自分の姿を見てみると確かに手の辺りとか若々しい感じがするので…自分も幼いのかもしれない……
富正の方も状況をはっきりとは理解していないのだろう、私の名前を読んだ後は呆然と私のことを眺めている感じだった。
「竹千代様、ここにいたんですね」
突然、別の部屋から入ってきた灰色の長髪の少女が叫んだ。この少女の服装は緑色の不思議な服装で見たことがない……いや甲冑の形をしたものを着ていた。
「いや……俺は……」
否定しようとして考えた。死後の世界なんだから竹千代で良くね?と思ってしまった。だって……死後の世界くらいは竹千代になりたいじゃん!!
「おう、俺が竹千代だ」
「良かった、探していたんですよ、突然いなくなるから……」
「お、おう、それでお主は誰なんだ?」
「はぁ? 何言っているのですか!石川数正ですよ」
「「え!? 」」
傍で成り行きを見ていた富正も一緒に素っ頓狂な声を上げてしまった。
だって! あの石川数正殿だよ!! 俺が石川殿に会ったのは小姓の勝千代との縁があって少なくは無い、印象は強面の策士という感じだった。三河者には珍しく弁論に優れていて昔話を良く聞かせてもらった。その数正殿だと名乗る美少女、昔から男の女体化は流行っていたが…美少女だ!! 結婚してくれ!! と言いたくなる。
「いまなんと? 聞き間違いかな? 」
「馬鹿にしているんですか」
ヤバい! 一気に雰囲気が変わって怒り顔になられた。コイツ三河者なのは間違いなさそうだ…三河者は全体的に癇癪持ちが多いからな…そして偏屈で鬱陶しさ全国ナンバーワンである。ここはとりあえず死後の世界だと自分言い聞かせて納得することにした。
「おう、そうだったな、して石川殿、私はどうすれば良い? 」
「数正です」
「いや……それはちょっと…」
「か・ず・ま・さです!!」
「数正殿、これで良いだろう?(汗)」
「殿もいりませんが!妥協しましょう。」
「そうしてくれると助かる」
「おい、仙千代!起きんかい」
いつまでも人の腹でスヤスヤと寝ている仙千代に腹が立ったので起こすことにした。
ビシッ(叩く音)
「だれじゃい、私めを叩く不届き者は」
「おれじゃい、どけと言いたいのだ」
「……おお、於義丸じゃないか」
ゴン! (ゲンコツする音)
「さて、数正殿、行こうか」
頭を押さえている仙千代を尻目に富正と共に数正の方に歩いて行く
「まてえい! 私めを置いていくつもりか!! 」
「そうだよ! 早く来い!! 」
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