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episode 1-2

-------- 新たな世界 クライン --------


「んんっ・・ここは、どこだ?」


 少し背中が痛くて 寝起きのように意識が定まらない 周りを見ると窪んだむき出しの土クレーターか?


「なんでこんなところで寝てるんだ?・・・・って!! 思い出した!あの駄女神に落とされたんだ、俺の設定した『クライン』に。」


「だーれが駄女神よぉ 失礼しちゃうわ。」


 不意に後ろから声が聞こえ振り向く クレーターのふちにしゃがみこちらを見ている女神が居た


「なにしに来たんですか?俺の設定を使うのは構わないんで帰して貰えませんか?」


「無理よ、向こうのあなたの痕跡 きれいさっぱり消しちゃったもの。」


「な!!・・・おまっ!!」


 軽い言い方に怒りが沸点に達する 俺は走り寄りつかみかかろうとした その瞬間


「あなたこそ、私をなんだと思っているの? 神なのよ?あなたを潰すのは造作もないわ。」


 冷たい目 人型でありながら人のそれではない圧倒的なオーラ つかみかかろうとした手は止まり 背中には冷汗が噴き出す 


「これ!やめるのじゃ。」


 ポコンと音がして女神に杖を振り下ろす老人が現れた


「痛っ!ってエルダーゴッド様?!」


「おぬしの行動は、ずーっと見ておったが何をしておる?」


 老人のセリフに女神のオーラが萎れるのが見えた気がした 顔色も青い


「えぇーっと、あのー、」


 老人の『ずーっと見ていた』が何をさすのか しどろもどろになりながら女神が答える


「エルダーゴッド様の言いつけ通り 新しい世界を作っていましたわ!」


 嘘は言ってない 大事なことを言ってないだけ そんなみえみえのセリフを女神が口にする


「ほほぉ、それでこの御仁は?」


 俺のほうをちらりと見て老人は質問する 俺も黙って女神を見る


「・・・・」


 女神まで黙り込んでしまった 良い言い訳が思いつかないらしい


「この馬鹿者が!やっと力をつけてきたからと新しい課題を出してやれば人を頼りにし知恵を奪い、不正を隠すために痕跡を消し本人を異世界へ飛ばす、元に戻せと正当な訴えに威圧し潰すと言う。」


「奪ってないし、借りただけだし・・」


「黙らっしゃい!!はぁ・・・おぬしは修行のやり直しじゃな。」


「えっ!いやよ!ちょっ・・・」


 老人が杖で地面を突くと波のような波動を感じた 気が付くともう女神は姿を消していた


「えーっと、エルダーゴッド様でよろしいですか?俺はどうしたら良いのでしょうか?」


 圧倒的なオーラを放っていた女神をあっさり消した老人に 恐る恐るお伺いを立ててみる


「すまんなぁ お主にはとんだ迷惑をかけてしもうた。」


「あぁー やっぱり帰るのは無理そうですかね?」


「うむ、元に戻してやりたいのだが 事象改変が済んでしまっておるし戻ったところで異物とみなされ弾かれて時空の狭間に飛ばされてしまうやもしれん そうなれば救う手立てもなくなる。」


 淡い期待を打ち砕かれてうなだれる 未練があるわけじゃないが50歳を目前にして一からやり直しはきつすぎる、このまま野垂れ死にかと思っていると


「このままでは不憫にすぎるのぉ わしからも少し何かやろう。」


 老人が杖をかざす なにやら暖かいものが降り注ぎ体がポカポカする


「少し若返らせてやったぞ。20代前半っといったところじゃな。それと、お主の希望はあるかな?できる範囲なのが心苦しいが」


 できる範囲で欲しいものと言われ考え込む


「家ってどうなってますか?自前で買ったものなので気になりまして。」


「お主の家か。どうじゃろうな、あやつに聞いてみるか。」


 老人が杖を突くと女神が現れる 座布団を枕に寝転がりなら ポテチを食べていた

 景色の変化に気づいたのか、周りを見渡し老人を見つけると慌てて立ち上がり座布団とポテチを消して


「エ、エルダーゴッド様、何か御用でしょうか?」


「うむ、おぬし この御仁の家をどうしたか覚えているか?」


 女神は笑顔のまま顔に縦線を入れると固まった


「先ほどの座布団とポテチ、あれはどこから・・・」


「わ、わたしがキチンと保全しております!あの家は彼のものですからね、渡すタイミングを逃していたのでどーしようかな?って思っていたんですよ!?本当ですよ!?」


 女神が懐をゴソゴソまさぐり 手のひらサイズの水晶玉を取り出し渡してくる 水晶玉の中に俺の家が入っていた


「ふむ、では これにわしからも力を込めておこう。」


 老人は杖で水晶玉をコツンと叩くと淡い光が吸い込まれていった


「神力で電気ガス水道などは使えるようにしておいたぞぃ、それと消耗品も今あるものは使っても自動的に補充されるようにしておいた。あとは部外者が入ってこれぬように結界も張ってある、お主の収納に出し入れも自在じゃ。」


「あ、ありがとうございます。」


「では、わしはこやつの再教育があるので失礼するぞ、お主も息災でな さらばじゃ。」


 老人は杖を突くと 女神と共に消えていった


これが俺の、新しい世界クラインの第一歩だった。


申し訳ございません。遅くなってしまいました。

誤字、脱字、ご指摘、ご批判、ご意見、ご感想お待ちしております。

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