episode 1-15
私のご主人様はとてもすごくて、とても強くて、とても弱くて、とても優しくて、ちょっとエッチな素敵な方です。
私を助けて、私を治して、私を買って、私に名前をくださいました。
私の名前はポピー。リョータ様の奴隷です。
-------- 冬の下月25日 リョータの家 --------
「今日は『チキュウ』での祭事『クリスマス』の日と言うことでパーティーをする。」
唐突にご主人様が言い今日の予定が決まりました。ご主人様の故郷の催しで家族でちょっと良いご飯を食べるのだそうです。
ご主人様はお昼を食べ終えると私たちに『計算ドリル』で勉強をするように言いつけ狩に出かけました。
私はご主人様の突然の行動に戸惑いつつもユリと2人になれた機会を使い聞いておきたかった事を聞くことにしました。
「ユリ、ご主人様が寝ているときうなされているのは気づいていますか?」
「そうなのです、最近のご主人様は少しおかしいのです。」
「おかしい、とは?」
「あまりよくない感情がグルグルしているときがあるのです。恐怖とか後悔とか・・・悩んでるような困ってるようなよくわからないのです。」
「私たちはとっても良くしてもらってます、たまに自分が奴隷だと忘れてしまうほどに。でも、私たちはご主人様の奴隷です、貰ってばかりではなくお返ししなければ、役に立たなくてはと思うんです。」
「はいなのです!ユリもお役に立ちたいのです。」
私とユリは話し合いどうすればご主人様にお返しが出来るのかを考えるのでした。
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ご主人様が狩から戻り夕食の準備を始めます。私たちもお手伝いしたのですが『チキュウ』の『カデン』の使い方が分からないので手が出せません、この辺りもご主人様に教えて貰って私たちだけで食事の支度ができるようになりたいものです。
料理スキルのあるご主人様は手際が良く美味しい料理を作れます、私は邪魔にならないように洗い物などを手伝います。
ユリは日課になりつつあるお風呂の支度を終えリビングのソファーでこちらを見ています。
「よし、あとは肉が焼けるまで時間あるし先にお風呂に入るとするか。」
「「はい」なのです」
ご主人様が先に浴室に入ったあと 私たちは顔を見合わせ午後に話し合った作戦を実行に移します。
「ご主人様。いつも洗われてばかりですので今日は私たちがご主人様を洗ってご奉仕させてください。」
少し驚いた後私たちの提案を受け入れてくださいました。
ご主人様をまねて泡を作り、ご主人様を左右から挟み洗っていきます。
ご主人様を洗い終えたあと、私たちも洗われました。
3人で湯船につかりくつろぎの時間です、こんな時にご主人様の悩みについて聞くのはよくないかもしれません、ですがいつまでも先延ばしもよくありません。
「ご主人様、奴隷がこんなことを言うのは不躾かもしれませんが、もしも悩みを抱えているのなら私たちにお話し頂けないでしょうか?私たちでは解決できないかもしれません、ですがお話いただくことで少しでもご主人様の心の負担を軽くできればと思っています。」
「ご主人様・・・」
「ふぅ・・・お前たちに心配をさせてしまっていたのか・・・情けない主人の話を少し聞いてくれるか?」
コクリ
「前にも言ったけど俺が住んでた世界は死を伴う暴力が身近には極めて少なかった・・・だから自分が襲われる、殺されそうになるなんてことは今まで無かったんだ。」
「それに、自分が人を殺すなんてことも無かった、考えた事すらなかったんだ。憎い相手に口では殺すと言ってみても、本当にそれを実行するなんて考えられない世界に住んでいたんだよ。」
「今回ここに来る途中3人組に襲われた、2人を撃退し1人を殺した。俺の能力的に誰も殺さないこともできたんだ、だけどポピーにひどいことをしただろうアイツは許せなかった。」
「怒りに支配され人を殺した・・・後からとても怖くなった、殺されそうになったから殺した・・・それでいいのか?って。」
ご主人様の話を聞いてうれしくなってしまった私はご主人様を抱きしめていました。
「ありがとうございます、ありがとうございます。私のために・・・」
「ご主人様はちっとも悪くないのです、嘘をつく人には当然の報いなのです。」
「ご主人様が感じている罪の意識を消すことは私たちにはできませんが、私たちは共に歩くことはできます。私は強くなります、ご主人様の傍に居れるように。」
「ユリも!」
「郷に入っては郷に従え・・・か、なるべく目立たず平穏に異世界ライフが送れるといいな。」
お風呂から上がり、ご馳走を食べて、お布団で3人で寝ました。
色々吐き出せたおかげか、ご主人様はうなされることなくぐっすり眠れているようです。
とてもすごくて、とても強くて、とても弱くて、とても優しくて、ちょっとエッチな素敵なリョータ様
これが私の、ご主人様です。




