episode 1-14
森の中を進みいつもの場所へやってきた、家を出すと『ゴバン』がポカーンと口を開けて驚いていた。
「突っ立ってないで早くは入れー」
「早く早く!驚くのはこれからなのです!あ、家に入るときは靴を脱ぐのです。」
ユリが引っ張って中に入れる、リビングに入りソファーに座らせても口ポカーンのままだ。
「ユリ、お風呂できるか?」
「はいなのです!お風呂の栓してフタをしめてピンクを押すのです!」
「おぉ、正解だ。んじゃ頼むぞ。」
行ってくるのですーと駆けていく、その間にご飯の準備だな。レトルトのハンバーグにとろけるチーズをのせて付け合わせはブロッコリーとコーンのバターソテーでいいか。スープはベーコンと玉ねぎでコンソメ、マカロニサラダも作っちゃうかな。
「ご主人様できたのです!」
「ありがとう、えらいな。」
ユリの頭をなでると嬉しそうに目を細める。
夕飯の下準備をしているとお風呂が沸いたと音が鳴る。
「ユリ、ゴバンと一緒に入ってきてくれ。」
「ダメなのです、ご主人様も一緒に入るのです。」
「えぇ・・・」
ユリに負ける形で3人で風呂に入ることになった。
お風呂はこの家を買ったあと、温泉気分で手足を伸ばして入りたいために唯一改築した場所だ。
先にユリを洗い湯船に送りゴバンを洗う、お湯をたっぷり使い洗い上げるとピンクの髪につやが戻る。
3人で湯船につかりゴバンの名前を考える。
「ゴバンって名前は元からじゃないんだよな?ものと名前はなんて言うんだ?」
「わたしは農場で奴隷として働く両親から生まれました。そこでも番号で呼ばれていました。」
「そうなのか・・・」
ピンクの髪でサクラとか安直すぎるかなぁ・・・うーむ・・・
「ポピー、ポピーにしよう。昔実家で母が育てていた花の名前なんだけどピンクの花を咲かせるんだ。」
「ありがとうございます。私の名前はポピーです、これからもよろしくお願いします。」
そう言って微笑むポピーは今までよりも柔らかい感じがした。
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「あらー異世界人君お久しぶり、勝手に上がらせてもらってるわよー」
風呂から上がりリビングに戻るとなぜかソファーに女神さまが居た、おやつを広げお笑い系のDVDを見ている。
「お久しぶりです、今日はなんの御用でしょうか?」
俺はやや大げさに聞いてみる。
「やだーあなたとわたしの仲じゃない、用なんて無くても来ちゃうわよ。」
一瞬イラッとしたがこれでも女神、気まぐれに付き合う他はないか。
「これから夕食なんですが食べていかれますか?」
「ほんとー?悪いわねぇご馳走になっちゃうわー」
丁度いいタイミングでご飯が炊ける、ハンバーグを追加して夕食の準備をする。
「ユリ ポピー、お皿を出しておいてくれ。あとグラスと麦茶も。」
「「はい」なのです」
夕食が完成し食卓へ並べていく、全員そろって「「「「いただきます。」」」」
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森へ来て5日、午前中は戦闘訓練、午後はユリとポピーに勉強を教えて過ごす。もちろん女神さまは家の中でゴロゴロしている。
ユリとポピーには全部説明したがどこまで理解しているかは分からない。神の使徒って認識だけは持たないように念を押しておいた。あんな女神に使われるとか絶対に嫌だからな。
「こんなに長いこと留まっちゃっていいんですか?お仕事とか平気なんです?」
「大丈夫、大丈夫よぅ。ご飯の前にお風呂入ってくるわねぇ。」
女神が居なくなったのを確認して電話の前で念じるエルダーゴッドの爺さんへ繋がるようにと。
「もしもし?」
「おぉ、お主か。いきなりでびっくりしたがなんぞあったか?」
「お久しぶりです。それがですね、女神さまがうちへいらしているのはご存知でしょうか?」
「なんと!あやつめ最近見かけないと思っておったらそんなところに行っておったのか。」
「はい、もう5日も滞在しておられまして。つきましてはエルダーゴッド様に・・・」
「「おぉ、わかった。ちぃっと言ってやるとするわい。」」
声が二重に聞こえると思ったら携帯持ったエルダーゴッド様が後ろにいた、フットワーク軽いなぁ。
「お呼びだてしまって申し訳ありません、この後夕食ですのでご一緒にいかがでしょうか?」
「あやつに続いてわしまですまんのぉ、せっかくだし馳走になろうか。」
「もうしばらくかかります、ソファーでお待ちください。ポピーお茶をお願い。」
「はーい。」
夕食が出来上がり食卓へ並べていく、タイミング良く女神さまがお風呂から出てくる。
「ん~、さっぱりしたわぁ。やっぱりここのお風呂はいいわねぇ。」
「食事ができてます、席へどうぞ。」
「いつも悪いわねぇ、ありがt・・・」
「おぉ我が弟子よ久しいな。」
素早い動きで俺の腕をつかむとキッチンへ連れていかれる。
「どうして爺さんがいるのよ!まさかばれた?!いや、あなたが呼んだの?」
「わしもこやつとは知り合いじゃ、知り合いの家に遊びに来るくらい何でもないじゃろう?」
「ソ、ソウデスネ。」
「まぁまぁ2人ともご飯が冷めちゃいますからOHANASIは後にしませんか?」
「そうじゃの、飯の後でゆっくりとな。」
ご飯の後別の部屋にてお説教が始まったようだ、俺たちはお風呂に入っていたので何があったのかは分からない。
「それでは今日は帰るとするわね。」
「はい、また来てくださいね?」
「絶対また来るからね、本当の本当よ。」
「えぇ、節度をもって『遊びに』来るなら歓迎ですよ。お仕事放ったりしないでくださいね。」
こうして女神さまは連行されて帰っていった。
静かになった我が家でやっとのんびりできる、俺は再稼働を年明け2週目と定め暇と平和を可愛い奴隷たちと満喫するのであった。
これが俺の、異世界初の年末年始長期休暇だった。
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