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おじさんとショタと、たまに女装  作者: 味噌村 幸太郎
第五章 二股疑惑

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創作は自由ですが……。


「……」


 布団から飛び出て、数時間が経った。

 あのまま航太と一緒に寝てしまうと、俺の理性が壊れてしまいそう。

 それぐらい、彼が魅力的に感じてしまった……。


 だからキッチンの換気扇を回して、タバコを吸っている。

 頭を冷やすために。

 もう何本目だ?

 全然、吸っている感覚がない。

 指も震えっぱなし。


「ったく、どっちが童貞なんだか……」



 しばらくキッチンで時間を潰していたが、眠気に耐えられず。

 床に座り込むと、そのまま寝落ちしてしまった。

 

 ~それから、数時間後~


 どこからか美味そうな香りが漂ってくる。

 瞼を開いて、辺りを確認すると。

 航太の姿が見えない。

 

 彼が寝ていた布団は、きれいに畳まれていた。

 そしてちゃぶ台の上に、なぜか皿が並べられている。

 なんだろうと起き上がると、航太が書いたと思われるメモに気がつく。


『おっさんへ。ひとりで布団使ってごめんね。朝ごはんを作ったから、食べていいよ』


 再度、ちゃぶ台の上を確認すると。

 目玉焼きに鮭。味噌汁と白ご飯が並べられていた。

 冷めないように、全てラップをかけて。


 航太のやつ、気を使いやがって。別に良いのに。

 そう思っても身体は素直だ。

 自然と口角が上がってしまう。

 久しぶりの和食だ。味わって食べよう。


  ※


 編集部の高砂さんから、出された要望。

 ロリものエロマンガの原作だが……。

 航太のおかげで、どうやら形になってきた。


 冴えない主人公の隣りに、引っ越してきた人妻とその娘。

 ツンデレだが結構、主人公が気になる女子中学生。

 最初こそケンカが絶えないが、育児に興味のない母親であることを良いことに。二人は密会を重ねる。


 ボロくて薄い壁のアパートでも、二人にとっては愛の巣だ。

 セーラー服を着た幼妻は、献身的に主人公を支える……。

 生活面でも、肉体的にも。


 こんなところか。

 原稿を書きあげると、編集部にメールで送信。

 あとは、担当の高砂さんから反応を待つだけ……と思っていたら、スマホから着信音が鳴り響く。

 さっき送ったばかりだというのに、もう高砂さんから電話がかかってきた。


『あ、あのSYO先生! 先ほど送られた原稿ですが、本当にご自身で書かれたんですか!?』


 えらく興奮しているな。なにかまずいことでも書いたか?

 

「そうですけど。高砂さん、俺なにかドジりましたかね、表現の問題とか……」

『いいえ! 最高です! 私の期待以上です!』

「え……?」

『ムチムチシリーズも妙にリアルで、最高でしたが。今回の作品、リアルすぎて怖いぐらいです!』


 まあ航太をモデルに書いたからな……。

 性別は違うけど、確かにリアルかも。

 お褒めの言葉を頂いて光栄だが。


「そうですか……。それでこの作品で、漫画家さんにお願いするんですか?」

『ええ、すぐに依頼しようと思っています! ていうか、SYO先生。ちゃんと使ってくれたんですね?』

「ん? なんのことですか?」

『私が送った資料ですよ。作中、主人公がセーラー服姿のヒロインを、後ろから襲っていたじゃないですか! 料理中なのを良いことに!』


 あ、この前の航太だ。

 セーラー服姿で家事をしてくれたもんな。

 無断で彼を描いて良かったのか。


「はは……。まあ今回は鬼畜ものというより、純愛ものにしているつもりなのですが」

『どこがですか? 幼い少女だからと洗脳している鬼畜野郎ですよ、この主人公って!』

「洗脳じゃないと思いますよ……」


 一応、否定しておかないとな。

 俺のことだから。


『ところで、SYO先生。一つだけ確認しても良いですか?』

「はい、なんですか?」

『このヒロインなんですけど……まさか、実際に女子中学生と密会なんて、してませんよね?』

「ブフーーッ!」


 思わず、大量の唾を吹き出してしまった。

 確かに彼女の言う通り、未成年との密会なんて犯罪だ。

 断じてそんなことは行っていない。


 俺が会っているのは、少年であって少女じゃない。

 隣りに住んでいる。ただの男の子。

 やましい気持ちなんて、俺には……。


『SYO先生。創作は自由ですが、絶対に未成年だけはやめてくださいね』

「は、はい……」


 大丈夫。航太は隣りに住む、親しい友達みたいなもんだ。

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