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第39話 クロの真実

 私は、病室の椅子に座り白愛の母親と話していた。

そこで、私がクロに出会った事、そこから一緒に暮らしている事などの流れを説明した。


「そうですか。それで白愛……クロちゃんと出会って、一緒に暮らしているのですね」


 嘘だと思われてもいい。

ただ、確かめておきたかったのだ。

クロが、生きていたということを……


「クロちゃんの事、もっと私に教えてくれませんか?」

 

 白愛の母親が私に向かって言った。


「し、信じてくれるんですか!?」


 これには私も驚いた。

自分の娘さんと同じ容姿をした幽霊と暮らしていると言われても普通は混乱したりするものであろう。

こんな、御伽噺のような事を受け入れてくれる人はアオイだけかと思っていた。


「正直、信じるかどうかは分かりません。それでも、あの子が斉田さんと出会い、笑顔で過ごしているならそれでいいと思うんです」


 それは、白愛の母親として出た言葉だったのではないだろうか。

静かに微笑みを浮べながら白愛の母親はそう言った。


「私は、してあげられなかったから……」


 白愛の母親が少し目を伏せて言った。

その表情を見て、私はクロについて詳しく話し始めた。


 食欲旺盛で甘い物が大好きな事。

アイス一つで喜んで歌を歌う事。

あのぬいぐるみにも名前を付けていて、寂しがり屋で泣き虫でな事。

それでも、私が寂しい時は私の頭を撫でてくれる事。


 私は、クロについての思いつく事を色々と、話して言った。

クロと出会ってから今までしてきた出来事を思い返しながら。


「そう、なんですね」


 その時、白愛の母親は目に薄っすらと涙を浮かべていた。


「どうされました!?」


 私が、何かマズい事でも言っただろうか。

一抹の不安を覚えた。


「いえ、それが本当なら私は嬉しくて」


 涙を浮かべてはいたが、その表情は優しかった。

口元は笑っていたと思う。


「私の知っている白愛は、甘い物が大嫌いで、誰にも甘えない子でした」


 白愛の母親から出た白愛の正確は、クロとは正反対なものであった。

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