第33話 晩ご飯を作ろう
その後、しばらくい座ってからアオイは帰宅していった。
全く、慌ただしいヤツである。
「かおるー!」
リビングに戻ると、クロがバタバタと近づいてくる。
本当、可愛いよな。
自分の子供が出来るというのはこういう感じなのだろうか。
そんな思考が私の中でよぎった。
「ん? どうした?」
私がクロに目線を合わせて言った。
「クロ、お腹すいたー!」
窓の外に見える景色は、夕焼けに染まっていた。
もう、夕食時である。
そりゃ、お腹も空いてくるわけだ。
「晩ご飯、作ろうか」
「おぉー!! 今日の晩ごはんは何?」
クロが目をキラキラとさせて聞いてきた。
本当に、ご飯が好きだな。
「今日はね、カレーだよ!」
私は、キッチンの収納の中からカレーのルーをクロに見せて言った。
「おお! クロはカレーも大好きだからね!」
クロが何故かドヤ顔を浮べながら言った。
まあ、カレーが嫌いという人の方が少ない世の中であろう。
「クロ、お手伝いする?」
クロが私の傍まで近づいてくると、見上げるようにして言った。
「うーん、刃物を使うのは危ないから、野菜洗ってくれる?」
「クロにおまかせ!!」
そう言うと、クロは一度リビングの方に走っていった。
段ボールの中を漁ると、クロは戻ってきた。
「んふー」
クロは、エプロンをつけていたのだ。
相変わらずのドヤ顔を浮かべて。
まあ、可愛いから許そう。
クロは、踏み台を使ってシンクの高さに身長を合わせて、野菜を洗ってくれている。
私は、思うように腕が使えない為、クロのお手伝いが結構助けになっている。
「かおる! 終わったよ! すごい?」
クロがドヤっている。
「うん、凄い凄い」
私は、クロの頭を撫でてやった。
ここからは、私の役目である。
やりにくいながらも野菜と肉を切って行く。
温めた鍋に野菜と肉を入れて軽く炒めて、炒め終わったら、水を入れて煮込んでいく。
いい所まで煮込んだら、カレールーを入れる。
あとは、ぐつぐつと煮込んでいくだけである。
換気扇を回しても、カレーのいい匂いが鼻腔に触れる。
「もうできた?」
クロが、鍋をのぞき込むようにして聞いてくる。
「もう少しだよ」
私は、焦がさないようにかき混ぜながら言った。
そして、そこから更に数分煮込んでいく。
「よし! 完成だよ!」
隣に立っているクロに向かって言った。
「おぉー!! カレーだ!!」
クロは嬉しそうにカレーの匂いを嗅いでいた。
その時、炊飯器がご飯が炊きあがったという通知音を鳴らした。
タイミングばっちりである。
「さあ、食べよっか」
「うん!!」
私は、ご飯と共にカレーを盛り付けた。
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