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恋愛小説家のススメ!  作者: mimuka
5/18

私生活

そもそも私が恋愛小説を書き始めたキッカケは、ヒマだったから。


たまたまケータイをいじってて、このサイトを見つけた。


最初は見ているだけだった。


けれど昔から趣味で小説を書いていたせいか、自分でも載せたくなった。


そして書き始めて半年―。


『REN』は爆発的な人気を生み出した。


明るく、楽しい恋愛ストーリー。


泣き笑いがある、青春的な内容。


そして読みやすく、短い小説。


最初は学生から、今では大人達の間でも評判になっている。


レビューや感想は毎日寄せられ、ランキングでも常に上位をキープ。


本来、作家なら喜ぶべきだ。


でも私には元々恋愛経験などない。


なのに書けて、人気がある理由は…。


計算、しているからだ。


恋愛経験はゼロ。


しかし私は毎日本を読んでいるし、ゲームもしている。


その経験から、どういうふうに書けば人気が取れるか、ある程度計算して出せるようになってしまった。


もちろん、悪いことではない。


作家のほとんどは、計算して書いている。


書きながら、作品の世界を作っていくのだから。


…まさかオタクとしての経験値が、ここで役立つとは思わなかったが…。


『REN』としての人格は、明るくはしゃいだ性格。


今の自分とは正反対に仕上げた。


…だからだろうか。


読者から送られてくる『REN』への憧れの感想を見ると、少し胸が痛くなるのは…。


今までオタクとしての経験値を高く積んできたことと、昔から小説書きをしていたおかげで、書き続けることは全く苦にはならない。


書くのは楽しいし、好きだ。


けれど…人気が出過ぎて、『REN』自体が暴走し始めている気がする。


だからと言って、今の自分を出すわけにもいかない。


「…ムズイなぁ」


私は眉を寄せ、ケータイサイトを出した。


パソコンからでも見られるサイト。


…今朝見た時より、HPの訪問者と読者数が増えている。


その数、1000人以上。


明日になればとんでもない数字になっている。


悪いことではないのに…。


気分が晴れないのは何故なんだろう?


ある意味、夢が叶ったと思えば良いのに…。


本にすることを躊躇っているのは何故?


こんな自問自答を、三ヶ月も繰り返している。


ファンの人からも、本にしてほしいと言われている。


だけど…イマイチ、踏ん切りがつかない。


こんな気持ちのままでは、売れることが分かっていても、簡単には返事が出来ない。


「私らしくないな」


深くため息を吐いて、伸びをした。


本の世界、ゲームの世界が好き。アニメもパソコンも大好き。


なのに…今は何にもする気が無かった。




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