第7話
「聞け!ヘルムートの国民達よ!」
クラークがマーフィーに猿轡された翌日。時刻はだいたい10時頃。
クラークとマーフィー、琴音と希依は城の出入口の前で横に並び、その前には多くの国民が窓から身を乗り出したり、持ち物から記者だと分かる魔族が前に陣取ったりしている。
「再度言う。聞け!国民達よ!
今日この日この時をもって!我、クラークは魔王を引退する!」
クラークの言葉に民衆はざわめきだす。
「そして、我の、…俺の跡を継ぐ新たな魔王を紹介する!
十四代目魔国ヘルムートの王、喜多希依だ!」
クラークが私の名を発表し、私は一歩前に出る。
―おいおい、あの子で大丈夫か?
―隣の子は理解者様なのかしら
―あっ、あの子達スノーウルフの頭吹っ飛ばした子だ
「希依、お主の意気込みやら何やらを言え」
「ん。
えっと、ほとんどの人ははじめまして!先代魔王クラークの跡を継ぐ〈最強〉希依です!
…あーだめだ。私にはこんな爽やか系無理。
という訳でこっからはいつもどうりで行くから。
私は皆と違って人間。か弱い人間の中でも更にか弱い弱者の中の弱者。そんな私が〈最強〉として王となるからには、私は弱者の為の正義でありたい。弱者の為の悪でありたい。弱者の為の王になりたい。
それはこの国だけの事ではなく、他の国であっても。虐げられている子を助けたい。虐げる者を殺したい。
その為なら!私は白にもなるし黒にもなる。
以上。…記者の人達、これ確実に私の黒歴史になるから記事にしないでね」
「おねーちゃん、カッコイイままで終わらせよーよ。
あ、私は今代の理解者、次期魔王の妹で恋人の琴音。よろしくねー」
「うむ。では最後に経験継承の儀に移る。理解者の二人は打ち合わせどうりに」
クラークの台詞を聞き、マーフィーは私とクラークの後ろから両手を二人の右肩にのせ、琴音は前から私達の左肩に両手をのせる。
「では、いきます」
「じゃあいくよー」
「ウッ、ググッ……」
「ウゥ…いったぁ…」
私の頭の中に様々な情報、経験が滝のように流れ込んでくる。
戦い方、闘い方、魔法の使い方、魔法の作り方、各魔王の知る戦闘スタイル、自動人形の作り方、武器の作り方、コマの回し方、けん玉のコツ、不死身の殺し方、魔物の調理法、リア充の爆破方法、時計の針の合わせ方、すっぴんでも可愛く見える骨格整形術、神話生物の召喚方法、国語、算数、理科、社会、人間をやめる方法100選、卵焼きの極め方、目玉焼きの極め方、ゆで卵の極め方、オムレツの極め方、オムライスの極め方、親子丼の極め方、構ってくれない娘との会話術、娘へのプレゼントの選び方、娘の可愛いところの見つけ方、娘の喜ぶ料理100選etc…
…いや誰だよ卵料理極めた魔王は
クラークから私へ送る情報を閲覧したマーフィーは無表情ながらも顔を赤く染め、琴音は笑いを堪えている。
マーフィーの心を読んだのかクラークは顔を青くする。
「…希依、もう終わりだ。締めに入れ」
「ん。
じゃあ皆、これから私と希依、あと獣人のリリアちゃんのことも一緒によろしく。
じゃあ解散!」
「あぁ、もう俺は終わりだ……」
「パパ、あと3日は私の家に来ないで」
「なにぃ!?」
「パパ覚なら分かるでしょ?」
「あ、あれは不可抗力」
「…ハァ、もういいよ。パパが私の事イタいくらい大好きなのは痛いほど分かったから」
「マ、マフィ!」
「黙れこの童貞中二ニート」
「( ;;゜口゜)・∵. グハッ!!」
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