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不遇な少女達の魔王道  作者: 那由多 ユラ
12/23

第12話

暇つぶしのつもりがあまり暇つぶしにならなかった日から数日が経過し、琴音の協力のもとヘルムートに居ない魔王の一人の居場所が判明した。

見つかったのは9代目魔王、魔法王ドヌーヴという吸血鬼だった。


今はヘルムートから北西に約30000km進んだところにあるさほど大きくない山の麓にある民家に住んでいるらしい。


さすがに毎日暇なのは私だけなので私だけで行くのだが……


たどり着ける気がしない。


「というわけで琴音、連れてって」


「ちょっと待っておねーちゃん。ちょっとどころじゃないや、もっと待て。

3万キロってどんだけかかると思ってんの?」


「音速移動で一分少し」


「いや死ぬから。おねーちゃんはともかく私が死ぬ」


「そしたら世界殴らなきゃだね。空間転移の魔法ってないの?ル○ラ的なやつ」


「ルー○は空間転移じゃなくて空飛ぶやつだから」


「でも最新作では洞窟の中でも使えたよ?」


「リレ○ト涙目だね。


…いやそうじゃなくてね?そもそも私もあんまり暇じゃないの。リンちゃんに魔法教えたりとか」


「とか?」


「……魔法教えたりとか!」


「それだけじゃん!

じゃあそしたらリリちゃんも連れていこうそうしよううんそれがいいさぁ琴音40秒で支度し『爆流麈(バルス)』―ギャン!?」


口調がだんだん早くなる希依を琴音は爆竹程度の爆発を希依の耳元で起こして強引に止めた。

※危険ですので絶対に真似しないでください


「リリちゃんを連れていくのは私も賛成だけどさ、どうやって行く気なの?」


「うぅ…鼓膜が、鼓膜が、」


「もぅ、『陽良療』」


「こま…あ、痛くない」


「ギャグパートだからってグダグダしすぎだよ」


「琴音、メタいよ」


「こういうキャラでやっていこうと思ってる」


「程々にね」


「うん。で、どうやって行くの?」


「音速「却下」立ち幅跳び「同じ」…槍投げ「投げる気!?」…フルマラソン「42.195キロ!」

…どうしたらいいの?」


「おねーちゃんが考えてよ。暇なのはおねーちゃんだけなんだから」


「んー……

あ、身体強化系の魔法ってない?」


「……ある」


「お願い!頼れるのは琴音だけなの!なんでもするから!」


「え?今なんでもって「するから!」う、うんわかった。じゃあリンちゃん呼んでくるね」


「私も行く」


「ん。」





リンちゃんの部屋は魔王城の一階にある。大きさ、内装は私や琴音とさほど変わらず。机の上には数冊の魔導書と万年筆、ノートがある事から琴音、ラストさんの授業以外にも勉強していることが分かる。


「りーりーちゃん、あーそーぼ!」


「…まおー様、私の部屋の中で何してるの?」

平均より小柄な希依よりさらに頭一つ低いリリが上目遣いで希依に話しかける。


「…?友達を遊びに誘う時はこう言うんじゃないの?」


「おねーちゃん、それは部屋とか家の外から言うんだよ?」


「ごめんね、友達が居ないばっかりに……」

希依はガチで凹んだ……風を装う。


「あわわわわっ、ゴメンなさいまおー様!私が友達になってあげますから!」


「ん、ごめん冗談」


「…おねーちゃん友達いたっけ?」


「…いなかったけど、…さすがにあーそーぼを家の外から言うのは知ってる。……なんかの漫画で見た」


琴音の言葉に今度はガチでいじける希依であった。


「おねーちゃん」


「…なに?」

琴音に呼ばれて顔を上げ、


「今日のおねーちゃん、めんどくさいね」

慰めるかと思いきや全力でトドメを刺しにいった琴音ちゃんであった。


「うぅぅ…めんどくさいおねーちゃんでごめんね…」




「琴様、鬼畜」


「…ねぇリリちゃん?鬼畜なんて言葉、誰から聞いたの?」


「ラスト様」


「また微妙にツッコミにくい人を…」


「と一緒に遊んでたまおー様」


「…おねーちゃん、また挑んだんだね。ボードゲームで勝ち目がないのは分かってるでしょうに」


「…勝てる気がしちゃったんだもん。私悪くない」


「まおー様、一緒に遊ぼ」


「いーよー」


「…出かけなくていいの?」


「リリちゃんと遊ぶ方が優先度高いじゃん」


「…ロリコン」

琴音は希依を蔑むように睨む。


「それにシスコンも追加しといて~」

希依はリリちゃんを肩車して部屋を出ていく。


「もう…おねーちゃんったら、勝手なんだから」

文句を言いながらも口元を緩ませながら後を追う琴音。果たして2人は何をして遊ぶか決めているのだろうか…







「「老成ゲ~ム!」」


「なんでよりにもよってそれを選んだのかな!?」



~老成ゲーム~


ゴールのない双六で老人の寿命を10面ダイスで決め、残り少ない寿命をできる限り減らないように祈りながら最後まで生き残ったプレイヤーが勝利する誰得なのか分からないバカゲーである。(ユラさん考案)



「なんでよりにもよってこれ?もっと他にあったでしょ」


「琴音、食べず嫌いはダメって言わなかった?」


「言われてないし。

皿に豚の尻尾を盛り付けて今日のおやつよーって言われておねーちゃんは食べる?」


「ホイップクリームといちごで飾り付けて差し出した人に食べさせる」


「まおー様、好き嫌いはめっ!だよ」


「ごめんリリちゃん、限度がある。いくら私でも豚の尻尾とカレーライスは食べたくない」


「カレー?美味しいと思うけど」


「いいリリちゃん?おねーちゃんはカレーが大っ嫌いなの。だからおねーちゃんにいじわるされたらラストさんに今日の夕ご飯はカレーがいいって言うんだよ?」


「ダメだよリリちゃん!そんな悪魔の囁きに耳を傾けないで!」


「元をたどればおねーちゃんが自爆しただけだけどね」


「老成ゲ~ム!」


「あ、誤魔化した」



まず三人はそれぞれ10面ダイスを振ってキャラの寿命を決める。最長でも10年、最短だと1年である。


「失われた数値 運「夕飯カレーライス」うぅ」


「まおー様、ズルは良くない」


「ズルくないもん」


「うわっ、絶対カオスになるよこれ」


希依 10年


琴音 10年


リリ 8年


自身の運勢を極限まで上昇させた希依、魔法で所謂コピペを行った琴音は当然のように最大値を出し、リリは混じりっけ無しの運で最高値まで行かないものの高い数値を出した。


ここから先魔法、技能の使用は禁止というルールが加わった。




「琴音、それはズルくない?」


「おねーちゃんこそ。リリちゃんを見習って自分の運だけでやってよね」


「どっちもどっちだと思うよ」


「「うぐぐ…」」


1ターン目


希依

「私からね」


カラコロ


7

『お気に入りの杖が寿命を迎えた。1減らし、今後出た目に−1する』


10年→9年



「普通に宜しくないやつだ…」


「−1で済んでるあたりこの人杖いらなかったよね」


「おねーちゃんがおばーちゃんになったと考えれば…いや、ならないか」



琴音

「次は私だよー」


カラコロ


10

『イケメンの不良に絡まれた。±0』


10年→10年


「このビッチが」


「琴音じゃないね、このばーさん」


「琴様、口悪い」


「私がこれにあったら合計3は減ってるもん」


「「……」」



リリ

「空気が…」


カラコロ


4

『階段から転げ落ちて入院。2減らして3回休み』


8年→6年


「さすがリリちゃん、普通だ」


「ダメージ受けたけど3回休めるからお得、かな?」


「てか大丈夫なの?ジジィだかババァだか知らないけど」


「入院したからいいんじゃない?」



2ターン目


希依

「1が出れば0…1が出れば0…」


カラコロ


3−1=2

『友人とあった。』


「えっ、それだけ?」


「おねーちゃん、それはないよ」


「実質一回休みだね」




琴音

「ビッチババァは死すべし」

「琴音、自爆は出来ないよ?」


カラコロ


10


『3進む』

3…


『2進む』

2…


『4進む』

4…


『疲れた。2減らす』


10−2=8


「進みすぎだってのババァ」


「歩いただけで寿命を減らすババァの極み」


「もう2人の中ではことねぇのキャラはババァで決定なんですね」



リリ


『3回休み』残り2回




3ターン目


希依


カラコロ


6

『馬車に轢かれた。死亡』


「即死!?」


「おねーちゃんの運勢MAXは何処へ…」


「運がいいの最初だったね」




琴音


「大丈夫かな…」


カラコロ


10

『狼と遭遇。サイコロを振って偶数なら死亡、奇数なら逃走成功、−4』


「詰んだ…」


カラコロ


10


死亡


勝者リリ




「「「えぇ~…」」」


「このゲームってこんなにすぐ終わるやつだっけ?」


希依の疑問に琴音が発見する。

「あ、このゲームのタイトルの隅に『辛口な人生』って書いてる」


「そんな世界をジジババ共はどうやって生き残ったのさ」


「引きこもりだったんじゃない?」


「「なるほど」」

リリちゃんの言葉に2人は納得させられた。











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