第10話
ハロハロー。久しぶりな気がする琴音ちゃんだよー♪
…キャラじゃないことした気がする。
さて、ここ最近の私の趣味を紹介しようかな。
私の趣味に名前をつけるとしたらそうだね……
歴史発掘?歴史探索?
……まぁそんな感じだね。
理解者の能力で偏見や伝承みたいな異物のない黒く正しい歴史を学んでる感じかな。それをベットで横になりながら夢で見てる感じ。
元の世界では歴史の授業は嫌い…嫌い?そんなに授業に出なかったからわかんないや。
でもまぁ何が言いたいのかと言うとね、
自分で一から調べて学ぶ歴史ってめちゃんこ楽しいの。
例えるならあれだね、夜の八時とか九時くらいにたまにやってる古代エジプト特集みたいなのって見てて楽しいじゃん?あれだよ。
え?誰に話してるかだって?あなただよあなた。だいたい全てを知る琴音ちゃんは私達が小説のキャラだってことくらい、分かってるんだもんね!
さてさて、今日は紹介も兼ねるってことだし復習もかねてかろうじてまだ図書館とかに行けば分かる程度、初代魔王と初代勇者の年代を軽く解説しよっかな。
初代勇者、チュロス=トリオン
出身はこの世界とはまた違うハイ・ファンタジー世界のとある国。王族の息子でこの世界には不仲でありながらも許嫁であるラミレス=ジアンナと共に私達を呼んだ国王の祖先である当時の王に召喚されたみたい。
初代魔王、エルヴィ=デボラ
出身はこの世界、後のヘルムートとなる土地で一体の魔物として発生。種族は今の国にはなく、記録にも残っていないことから恐らく一人一種族のタイプなんだと思う。
見た目は普通に美人の黒髪女性の背中あたりから人の腕のようなものが二対の羽のように生えている。
エルヴィの理解者はなんと初代勇者、チュロスと共に来てしまったラミレスで、喧嘩別れして国を出たはいいものの行くあてもなく、さまよっていたところ、エルヴィが住処にしていた洞窟にたまたま行き着き、彼女から食事を受け取る代わりに言語や文化を教えてあげたそう。ちなみに名付け親もラミレスさん。
彼女等が出会って数年が経過した頃、すっかり意気投合した二人は旅に出たの。
当時は国と呼べるものは一つしかなく、今ほど発達していなかった。ちなみにあのド腐れ街、モーゼスができ始めるのもちょうどこの頃。それについてはまた別の機会かな。
彼女等にはあてもなく、ただ暇を潰すように様々な種族の集落を転々とめぐる。
その頃勇者は何をしているかと言うと邪なる存在を倒して欲しいという王の頼みを受け、様々な種族の集落を転々とめぐり、その種族を絶滅させていった。
そう、後の魔王達と勇者チュロスの動き方は同じなの。
そんな三人が出会うのはそう遠くなく、というかすぐでサキュバス、インキュバスの集落があるエルヴィの生まれた地であった。
元々不仲であったラミレスと見た目が完全に異形なエルヴィをみたチュロスは即座に剣を抜く。
対するエルヴィは純粋な魔力で構成された剣を無数の腕一つ一つに装備していく。
この戦いの結末はみんな分かるよね?
この戦いは文字通り三日三晩どころか三年三月かかり、最終的にエルヴィの剣がチュロスを貫き、戦いは集結した。
戦いは終わったけれど、その地にできた傷跡は大きく、地面はめくれ木々は飛び、空はひび割れ海は川となった。
うん、意味わかんないよね。
でも魔王が本気で戦うと大抵こうなっちゃうんだ。それは歴史が物語ってる。
そしてそれからは三人の戦いを見に来た後に魔族と呼ばれる人達の祖先がそこに村を作り、街となり国となり、そして何やかんやで国となりましたとさ。
え?ラストが雑すぎるって?いや、戦いの描写は彼らの為にも黙っておくべきってくらいには愉快だし国になるまでの工程はこの後何十万年もかかるからさすがに私もまだ理解しきってはいないんだ。ゴメンね。
さてさて、今回のところはここまでにしよっか。
今日みたいなのは私達の作者がネタを思いついたら気まぐれでこの世界の歴史を紐解く回を設けるみたいだよ。
じゃあこの話での私の一人称視点は終了!
こっからは三人称視点だよー
時刻は夕方。琴音は意識を現実に戻すと体を締め付けられるような違和感を感じる
目を覚ますと視界には最愛の姉にして恋人である希依が琴音を抱きしめるようにして眠っていた。よく見ると目元が軽くであるが赤く腫れている。
「…おねー、ちゃん?」
「んぅ……ことねぇ…?」
琴音が軽く声をかけると希依は目を覚ますが琴音を抱きしめるのはやめない。むしろちょっとキツくなる。
「…おねーちゃん、何かあった?」
「うん……」
「そっか。…いいよ、まだ寝てて。一緒にいてあげる」
「うん……」
琴音は理解者の能力で希依に今日何があったのかをすぐに理解した。
リリという妖狐の少女の家族を救えなかったこと。
元々大っ嫌いだった勇者野郎に出会ったこと。
卵料理を極めた元魔王と話したこと。
本当は希依の口から聞きたいのだが琴音は聞かず、今は傷心の姉をできる限り癒すことに徹する。
普段は琴音から甘えに行くのに今日は姉が甘えに来てくれたのが嬉しいからなんてことはあんまりない。うん、あんまりない。
「おやすみ、おねーちゃん」
「んぅ………」
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