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潰走

本日投稿二話目です。前話読み逃し注意下さい。

(この辺にあるはずだが。。急がないと)

 ここで時間を食えば容易に全滅する。つまりタクミは消滅・死亡する。


 湖畔にて記憶にある位置をしらみ潰しに調べていく。異物に触れた感覚を得て、タクミは道具袋を使用した。ソレを収納できたことにより一瞬安堵の表情を溢すが、踵を返してブラストウルフの元へ向かう。


 その時、二つの蒼白い炎がタクミへと向かってきた。ルークが身構えるがこれは攻撃等ではないことをタクミは知っている。


 蒼白い炎はタクミの道具袋へと吸い込まれていく。


「今のはいったい?!いや、それよりもキースとゲイルは!?」


 再び正面から突撃してくるブラストウルフ。負傷している様子はなく、先程との変化は纏っていた風が消えている位であろうか。


「キースとゲイルが頑張ってくれたようだ。これなら耐えられる。ルーク、さっきと同じように力を受け流すよ」


「くそぉぉぉぉ!!!」


 ブラストウルフの突進を受け流す。もの凄い衝撃ではあったが大きなダメージは受けていない。風を纏っていないため攻撃力が大幅に低下しているようだ。


「町の方向へ逃げるぞ!」


「さっき手に入れたアイテムでこいつらを倒すんじゃないのか?!」


「あれはあのままじゃ使えない!無駄口叩いてたら死ぬよ!急ぐんだ!」


 全速力で逃走を試みるタクミとルーク。だが素早いブラストウルフから逃げられるはずもない。鈍重な戦士であるルークがブラストウルフに追い付かれる。

 一匹から突進を受け、よろけたところに脚を噛まれる。鎧があるので致命傷ではないが、これではもう満足に走ることはできないであろう。


 ルークは逃走を諦め、反撃に移る。倒すことはできなくともブラストウルフの攻撃の意思を挫くことができれば活路はある。そう信じてブラストウルフの胴を薙ぐ。


「ぐっ!!!」


 噛まれた脚ではふんばりが効かず、ルークの決死の一撃はブラストウルフの後ろ足を僅かに切り裂いただけであった。


 ルークの攻撃後の隙を狙って無傷のブラストウルフが首を噛みきろうとする。


(間に合ってくれ!!!!)


 盾を捨てたルークの左腕が間一髪、首とブラストウルフの口の間に割り込む。左腕に走る激痛の中、目の前にいるブラストウルフの腹部を剣で突き刺した。


「きゃうん!!!」


 犬のような鳴き声を上げてブラストウルフが離れる。その腹部からは大量に血が流れており、すぐには死なずとももう戦えまい。


 だが、ルークにできたことはそこまでであった。元よりルークよりも強いブラストウルフ二匹に対して一匹を行動不能にしたのだ。大金星と言ってもよいであろうが、その代償は大きかった。左腕は食いちぎられ、脚も満足に動かせそうにない。


 ゆっくりと近づいてくるブラストウルフを見て、首への一撃を防がなかった方が楽に逝けたのではないかとルークは後悔した。

続きが気になる!なんて奇特な方は最新話の画面下から評価・感想ボタンをポチって下さい。作者が裸革鎧姿で次話を執筆します。

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