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パーティ結成?

「手の空いている戦士はいるかい?」


「なんだい勇者様、仲間探しかい?真っ昼間から飲んだくれてるような奴らなら何人かいるぜ。使い物になるかはわからんがね。」


 酒場のマスターの言うとおり、ほんのり頬を朱に染めた男達がいた。全員合わせて十数名といったところか。男ばかりであるが揃いも揃って頬を朱に染めている光景はいったい誰得なのであろうか。


「勇者サマ、戦士を探してるなら俺を連れていってくれ。あんたと一緒に一旗あげれるなんて願ったり叶ったりだぜ」


「一人で抜け駆けなんてズルいぞルーク。勇者様、僕を連れて行って下されば攻撃魔法で敵を殲滅しますよ!(成長すればいつかは)」


「鈍足な戦士や打たれ弱い魔法使いより俺の方が役に立てるぜ」


 勇者のネームバリューにより皆から言い寄られるタクミ。大事なことなのでもう一度言おう。全員頬を朱に染めている男共である。いったい誰得なのであろうか。


「今はいないが夕方か早朝に来てくれれば僧侶や弓士もいると思うぜ。ここにいる連中よりも腕がたつし時間を改めて来てもらったほうがいいんじゃないか?」


「「「そりゃないぜマスター!!!」」」


 マスターの辛辣な言葉に怒号が飛ぶが、続くタクミの一言で場は更に混沌と化した。


「いや、戦士だけでいい。ちょうど三人戦士がいたな、あんた達は俺と一緒にきてくれ」


「随分と偏ったパーティだな。。。物理的な攻撃力はこれ以上ないだろうが回復手段はあるのかい?」


「あぁ、ポーションを調達してきた。問題無い。」


「そうか、なら止めやしないが。。。こう見えてもそいつらは妻子持ちだ、大事にしてやんな。危なくなったら逃げた方がいい。」


「あぁ、任せておけ。逃げ足には自信がある。」


 自信たっぷりに情けない返答をして酒場を後にするタクミと仲間たち。


 ただでさえ男四人でむさ苦しいパーティだが、内一名は裸に革鎧である。華が無いと言おうか、違う意味で目に毒とでも言おうか。現実世界であったならば間違いなく通報事案である。


「そんでこの後はどうするんだ?町外れでモンスターでも狩るか?それとも今日は休んで明日の早朝から動き始めるか?」


「いや、このまま町を離れる。と言っても夜には戻るがね。酒を飲んでたようだが動けないほどではないんだろう?」


「当たりめぇよ、あんなの飲んだ内に入らんぜ。ところで勇者サマ、見たところ盾しか持ってないみたいだがどうやって戦うんだ?」


「あぁ、シールドバッシュという技があってな。盾だけで戦える者もいるんだよ。」


 ぶっきらぼうにタクミが答える。どうやらルークは思ったことをすぐに口にだす性格のようだ。思い返せば酒場で真っ先にタクミの元へ寄ってきたのもルークであった。鈍重な見た目とは裏腹にフットワークは軽そうである。

 対して他の二人は口数が少ない。妻子がいると言っていたが、かかあ天下なのであろうか。きっと尻に敷かれているのであろう。


 タクミはそんな失礼なことを考えながら町の出口を目指す。


「急ぐぞ、あまり遅れると帰ってくる前に日付が変わってしまう」


誤字脱字指摘いただければ有難いです

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