第86話 ロンドニア突入
正面に土龍が映る、戦車部隊の砲撃を掻い潜ってきたそいつに、わたしは剣を、クロエが右拳を叩き込んだ。
「ど――――――っけえぇッ!!!」
粉砕される土龍、わたしは血界魔装の主力をさらに上げ、地面を蹴る。
ただ前を向く、ロンドニアを奪還するという目標だけを目指して――――
『突入部隊へ! ワイバーン数体が接近中! 注意されよ!!』
遂にロンドニアが見えてきたあたりで、空からの攻撃が降り注いだ。
ワイバーン群の急降下部隊が、わたしたち目掛けて爆撃する。
「あぁもおうっとうしい!!!」
攻撃で頬を切ったミーシャが、炎の弓を生成。
莫大な魔力と共に撃ち放った。
「『フレイム・ストラトスアロー』!!!」
猛炎の矢がわたしの頭上を通過、天へ昇った魔法はいくつもの子弾に分裂して、急降下爆撃に入っていたワイバーン群を貫いた。
「ナイスよミーシャ!!」
「良いから先に進む! どうせ門番みたいなのがいるんだし」
後方で戦車部隊が敵と殴り合う中、わたしたちはロンドニアの正面ゲートに到着する。
「ほーらいた、門番を倒してけっていうお約束のあれよ」
見れば土龍の中でもさらに強力な個体である、ロード・グランドドラゴンが門前に立ちはだかっていた。
だけど関係ない! こいつなんかに手こずっている暇はないんだ!
「ゴアアアァァァッ!!!」
相手はその図体に似合わない速度で攻撃してくる、ここで時間を取られるわけにはいかないと思ったわたしも、全身全霊でその攻撃に答える。
二刀の剣に魔力を込め、ありったけぶっ放した。
「『滅軍戦技・サンダーノヴァ』!!!!」
雷がロード・グランドドラゴンへ直撃、血界魔装の前に敵は倒れ伏せ、ロンドニアへの道が開けた。
「総員突入!! ロンドニアを奪還せよ!!」
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
閉ざされていた正門を爆破、突入部隊はとうとうロンドニアへと侵入することに成功した。
新作が日間に載りましたが、こっちも頑張って続けていきたいと思います




